↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼は王子様になれない  作者: カキノキ
27/42

どうか祈りが届きますように

Pt、ブックマークありがとうございます!

今回はレオ視点。



「レオ様、どうか私と結婚して下さいませ。これからも貴方のお傍で生きたいのです。至らぬところがあると思いますが、共に過ごす事をお許し下さいませんか?」



彼女の言葉を聞いて、よく我慢したものだと思う。

本当は、泣きそうだった。






心を伝えてくれた、ローゼマリーのまっすぐな薄い青の瞳。

それは前世で見る、晴れ上がった夏の空のような色。

蒸し暑く、蝉がうるさい。薄い青に白く輝く雲が流れるまぶしい日本の夏。

当たり前にあった月日の流れの一部分。

それがいきなり無くなった。

その恐ろしさを今でもレオンは心の底に抱えている。



1人、転生して真面目に生きてこなかった前世を悔いて、今回は大切な人に言葉を惜しまず、思いを伝える。力いっぱい、生きていこうと思っていた。

それでも死を迎えた重い記憶を持っているのが自分だけだと思っていた。その重さは誰とも分かち合えない。

それが間違いだと分かった日、レオンは唯一に出会った。


しなやかで強くて、どこか抜けている可愛い人。

同じ価値観を持っていて、同じ秘密を抱えている人。

前世では年上だという事に(こだわ)って、自分の不甲斐なさに頭を抱える愛らしい人。


でも、この人は自分をしっかり持っている。

流されてるようで居て、きちんと自分のしたい事をちゃっかりしてる。



そんな彼女の傍だと、力が湧いてくる。頑張れる。

自然に笑顔が増えていく。

楽しい。



初めて好きになった人に向かって、気持ちが止まらない。

自分がかなり突っ走っているとはレオンも分かっていた。

嫌われないかと思いながら、彼女にただ気持ちを傾けていった。



「レオン・ダイアモンド様。私は貴方が大好きです。お慕いしております。長い間お待たせしてしまって、申し訳ございません。本当は出会って少しして、もう貴方の事が好きだったのです」



「貴方のまっすぐなお気持ちに甘えて、私はそれに浸るばかり。ですが、これからは違います。レオ様が下さる気持ちに負けない物が私の胸の内にある事、それをお伝えしますわ」



それが、返された。


今回の出来事は報いて欲しいとか、そんな思いが在ったかと言われたら、少しは在ったかも知れない。だが、色々理由があった中で一番は彼女が笑って欲しかった。それだけだ。

優しい彼女が悲しんで欲しくない。そんな気持ちで居たのだ。


返されただけじゃない。

溢れんばかりの心を渡された。


心配したと、好きなのだと伝えられて、嬉しさが爆発するような思いだった。

幸せだと思ったのに。

けど、それ以上に。



「レオ様、どうか私と結婚して下さいませ。これからも貴方のお傍で生きたいのです。至らぬところがあると思いますが、共に過ごす事をお許し下さいませんか?」



ずっと居てくれると、そう言ってくれた。

あぁ、泣きそうだ。



一度死んで、失うのが怖くなった。

それでも傍に居て欲しい。

どうか少しでも長く共に生きていて。



奥歯をかみ締めないと、歯がカチカチなりそうだった。

でも彼女の前で格好を付けたい一心で、顔をあげ笑う。



「ふ、くくっ…参った…。先、越された。悔しいけど、かっこ良かった。…危なくお婿に貰って下さいって、言いたくなった」


本当に彼女はカッコイイ。

レオンのような薄い表面ではなく、大地に根を張るような見えない部分。

しっかりした覚悟を隠してる。

その覚悟で、何処までもレオンと共に生きてくれるつもりだと言ってくれる。



「はい、一生大切にしますわ」


任せろ!と、言わんばかりに小さな胸(彼女いわく『ゲーム』の“ローゼマリー”はボンキュボンらしいが、今は絶壁)をはって、どや顔をするローゼマリーに確信する。

彼女と居れば、レオンはもう幸せになるしかない。

そう信じられる。



少しきつめの顔立ちがレオンを見て、ふにゃんと笑う。

なんて可愛いんだろう。子猫みたいだ。撫で回したい。

俺だけのローゼマリー。心を暖めてくれる人。



「俺、転生して良かった。お袋に教えてやりたい」


「お袋…と、おっしゃると、前世の?」


「そう、俺がこんな可愛くて素敵な女の子を捕まえたなんて知ったら、きっと驚く。教えてやりたい…先に逝ってしまったから。俺がロゼと幸せだって。これからも幸せになるから心配するなって、言ってやりたい」



レオンの前世が、母子家庭で育った一人っ子だったのを思い出したローゼマリーの表情が、一瞬固まる。だが、すぐに力強く頷いた。



「…そうですわね…レオ様に自慢してして頂けるように、お母様に安心して頂けるように私、気持ちを引き締めますわ」


「大丈夫。ロゼならお袋は気に入るし、逆に『よろしくお願いします』って言うよ」







お袋へ


俺は相変わらず、とても元気です。


そして驚け。

とうとうロゼと両想いだ!

すごいだろう?


ちょっと泣かしてしまったけど…。

それについては反省する。けど、泣いたロゼもめちゃくちゃ可愛かった!


可愛いだけじゃなくて優しくて、頑張りやで、そんなロゼが、俺の彼女なんだ。

嬉しくて胸が痛くなった。


今、俺はとても幸せだから。

心配するなよ。

そっちも頑張れ。

次は婚約の報告する。


じゃあ、またな。


息子より




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。