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彼は王子様になれない  作者: カキノキ
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こうして崩壊が始まった その4



現在、黒竜とレオン殿下、私と娘さんことサラさん(ごめんね、ゲームで名前出てたのに忘れて)に、別れてお喋り中。

さすが王家所有の夏の避暑地。シーズンが外れていても、綺麗です。

ホントにこちらの世界来てから、美しい景色、名跡巡りしてるみたいだよ。

撮りたいわ~。まぁカメラもUPする場所もないけどね。

現在、心に思い出として記憶するのみ。頭よ、頑張って欲しい。




そんな美しい景色の中。凄く遠慮されたんだけど、お願いしてサラさんと一緒にお茶飲んで、お菓子を食べて喋ってる。

最初は普通に、全員で話していたんだよ、ただね…。


「ふむ…その女子(おなご)…ローゼマリーが愛おしく可愛くて溜まらないのだな!気持ちは分かるぞ。我のサラだって、もう可愛いくてな。その姿はいつでも見ていたいほどだ」


「それなら俺のロゼだって、負けてないよ目をパチパチさせてるだけでも、ホント可愛いし、笑ったら、女神のように周りを明るくさせるんだよ」


「あの、ほんとに竜さんが…ごめんなさい」


「こちらこそ殿下が…」



男2人が、ずっ~~と互いの彼女自慢する為、サラさんと私の羞恥心が死に掛けた。それで2人で離れて話し始めたのよ。

すっごく嬉しいよ?好きな人に“彼女”と、紹介されるなんてね。だけど、何事にも限度があると思うの。

竜は耳が良いと聞いたので、私たち2人にしっかり“防音(イレート)”をかけてね。

(レオン殿下に少し遅れたけど、私も魔法使えるようになったのよ!ひゃっほ~!)


黒竜と殿下が揃って凄い悲しそうな顔したけど、知らん。

君らが悪い。




まぁ結局、その方がありがたいというか、良かったなと。

恋話になったので…。

殿下達と一緒じゃないの…なんて言わないでね?アレとは違うよ?

あの目の前で自慢され続けるのは苦行だから。

若干8歳で、16歳のサラさんと、恋話するとは思わなかったけどね。

凄く楽しかった!

ふわふわする気持ちをお互い喋りながら、彼のココが好きとか、あれ…一緒?

と、とりあえず出会いとか、山であった事を教えてもらいましたよ。


サラさんも、家族に竜の事は言えなくて、私と話せるのが嬉しかったらしい。

超年上の人外か…それは確かに、なかなか言えないよね…。


幸せそうに、惚気て下さいましたよ。うんうん、存分に惚気るが良いよ!

なによりゲームで知るよりも、断然内容が濃い!

当事者だから当然なんだけど、小さなエピソードでも「あの時は…」みたいな話があって。実はサラさん、出会ってすぐに黒竜を好きになってたらしい。


「もちろんお礼をしようって思ったんですけど、それ以上に会いたかったんですよね。迷惑になるっかな、怒られるかなって、私も思ったんです。でも止められなくて…口で来るなって言っても、竜さん、優しいんですよー。私の事心配してくれてるのが分かっちゃうから、余計。彼の優しさに甘えて通い続けちゃったんですよね」


いや、確かに好きだろうとは思ってたけど、そんなに早く特別だったの?小さなサラさんが一生懸命、山に行ってた理由は好奇心じゃなく恋心だったのか…。


それに、竜よ。本人?さりげにしてるつもりでも、思いっきりバレてるバックアップして、サラさんが毎回山に来るのを守っていたらしい。

風の魔力で山の斜面を後押しする(下手したら浮いてた)とか、サラさんが通る道には魔獣はおろか、木々が道を作るように場所を開けたとか…。


『何故に、あの幼子は我の元に来るのだ…?』


ゲームで竜が不思議がってたけど…来るわーーーーー!

それは子供でも大切にしてくれてるって分かるし、山奥に通えるって。


「竜さん、私が気付いてないって思ってたんですよ?可愛いですよね!」


サラさんの笑顔が慈愛に満ちとる…恋愛ごとはサラさんが上手かぁ。


種族が違っても、竜が強くても、大切にしたいって語る、サラさんが乙女。

可愛いなぁ。

胸が熱くなるってこういう事ですかね?

元気で良かったなぁ~楽しそうだなぁ~って。

泣きそうになりましたよ、嬉しくて。


そんな感じで、話が盛り上がったんだよ。向こうも色々盛り上がってるみたいね。







愛しい彼女達に見放されたレオンと黒竜(ブラックドラゴン)は、確かにある話で盛り上がっていた。

レオンとローゼマリー、2人の前世と、この世界においては予言の書とも言える『ゲーム』の話についてである。


竜の瞳“龍瞳”は鑑定の上位版とも言えるもの。素性能力を見通すだけでなく人の悪意や害意までも感じ取れる。

最初にレオンが接触し話を持ちかけてきた時、竜が彼の話を聞いた事も其れゆえだった。



「…なるほど、なら我と契約をしないか?今回の礼を考えていたのだ。最初は我の鱗なり爪なりを渡そうと思ったのだが…お前のいう『ゲーム』とやらの話を聞いて、出さない方が良いと判断した。我の物は、ダンジョンの竜共より格段に効果が高いだろうからな」


「同じ竜でも違うのか?」


「違うとも。あやつらは竜ではあるが、ダンジョンに作られ縛られた存在だからな。個々が無く決まった以上に成長が出来んのだ。まれに例外が出るが。種は同じでも、我らの劣化版と言った所か。それに我は永く生きているからな。その分、強いぞ」


「はぁ…不思議には思ってたんだよな。確かに竜素材は珍しいけど、過去に1度も人の手に渡らなかった素材じゃない。稀でも出てるんだ。なのに『ゲーム()』に限って強すぎる。事故といえ、大陸1つ消すほどの力を引き出すって…」


「まぁ、我と言うのもあるが…聞く限り、頭と心臓。目も1つはあったかもしれん。それらが生きて使われたのが大きいのだろうよ。あと怨嗟か。まったく…“我”もボケたものだ。隠居しすぎて、状況判断を間違えてサラを危険に晒し、失うなど。恋に酔うのは良いが、引き締めねばと思ってな。レオン、愛するものを守るのに力があって困る事はないぞ。それに転生者というのも興味深い」


「今まで転生者に会った事、なかったのか?長く生きてるなら会ってそうなのに」


「いや…居たのだがなぁ。『勇者』とか持ち上げられて我を倒そうとする奴とかな。その時は…魔王と言われたか。あとはラスボスだの、ひと狩りしようぜ?とか…うむ、まともに話しにならぬ奴らばかりでな。初めてなのだ、こうして話せる者と会うのは」


「あ~…それについては、本当に申し訳ない…悪いな…」


「異なる世界の事もあるが、お前達2人の事も気に入ったからな。サラも…ほれ、あのようにローゼマリーと楽しく笑っておるし、どうだ?」


「契約か…君の何かを渡されるより安心だな。下手にもらって個人資産と言え、強制力が働いて売られたり、盗まれたりして闇市場に出るのはまずい。大本は潰したけど念を入れたい。じゃあ、こちらは君とサラ嬢が安全に住めるよう手配するよ。彼女には悪いけど、もう元の場所は無理だろう?」


「あのゴミ共を潰すのに姿を見せたからな」


「まず君がこの国に協力する事を広めて、立場を作る。無難な言い訳として君の世話係かな。その名目で、国に仕えてもらう形でサラ嬢には来てもらおう。場所は安全の為、秘密に。物のやり取りは代理人を通す形になるけど、家族との連絡は出来るようにして…彼女にも親御さんにも支度金で補償したら良いかな。いや…家族だけじゃ浮くか、なら村ごと囲うか。零細な村のモデルケースにして、農法や作物の試験場のひとつとするか…?これは後で考えるか。なぁ、今後は人側の情報を流すよ。それで十分、対処出来るよね?」


「フフフ、己が国を使うか…レオンとは、これから良き付き合いが出来そうだ」


「あぁ、これからよろしく。こちらにも君が居るという事で、利があるからね。愛する人と裂かれる苦しみは味わいたくないから」


「まさに、まさに」





サラさんと盛り上がってる間に、なぜか助けたお礼にレオン殿下と黒竜が契約を結び、殿下の召還獣として仕えるという話になっていた。

えぇ?どういうやり取りがあってそんな事になったのよ…。防音かけてたのが仇になったわ。


ちなみに契約は「ロゼを守るのに力を貸す」である。

それ以外は竜の気分次第。殿下でも無理やり動かすなんて出来ない訳で。

うん、それは全然良いの。黒竜は自由にサラさんと居ればいいと思うもの。


ただ一番の問題が、私を守るって…何?聞いた時、冗談かと思ったわよ?

ステキ、世界に誇れるセキュリティーね!安心だわ、なんて、言えるか~!!

どう考えてもおかしいのに…コレ、本気だそうで。


あの1人と一匹だけにしたのが悪かったのよ。なんだかノリが似てるもの。

なんてこった。




Pt、ブックマーク、いつも読んで下さる方、本当にありがとうございます!

公的引きこもり推奨宣言(違)が出ましたね。毎日、気持ちはこんな感じ(゜ロ[-盾-]

お互い体調崩さないよう気をつけましょうね。

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