こうして崩壊が始まった その2
評価、ブックマークありがとうございます!顔、緩んでおります( ̄∇ ̄*)
ブクマが100件も越えてたので、活動報告でお礼のSSを上げてました。
よろしければ、どうぞ。
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殿下と私は結局、10歳で正式に婚約した。
言い方が冷たい?
そ、そんなこと無いわよ?!ただ、今でも照れて、ですね…。
によによ顔が緩むので、引き締めてるわけでして。
はい、大変嬉しい事に、婚約しちゃいました。
TVで婚約会見とか見て「ケッ!桃色しやがって」なぞ、毒吐いてた人間がですよ?
あ~、幸せなんだよね、嬉しいんだよね…分かるよ~!なんて、共感出来る日がくるなんて思いもしなかったですよ。
凄いな、これぞ異世界マジック。奇跡が起きました。
これ、他の国や、貴族に大々的にお披露目するのに、根回しに時間がかかった為にそうなったのよね。
そう婚約なのに、殿下は私との婚約を国内外に広めた。
というか、そこまで大げさにする事が無ければ、殿下が目標としていた8歳でも出来たの。ただし、国内だけでなく他の国まで招待客を招いて婚約式をした為に時間がかかったわけで。
なぜ、わざわざ国外の客人を呼んでまでしたのか?
それは殿下の召還獣の所為でもあり、私の所為でもあるのです。
レオン殿下の理由、私をどれだけ好きか示すため(あれ本気で言ってた)と、公式は、まぁこちらが本当の理由なんだけど、殿下の召還獣である黒竜のお披露目も兼ねたから。
竜という生き物は、総じて高い知能と長い寿命もあって魔法生物の頂点の一角であり、人間と召還契約など滅多な事ではありえない。
そんな訳で、殿下がとんでもない力を持ってしまったので、国内外に構わないでね?オイタは駄目よ?という脅し、もといデモンストレーションになった訳です。
この黒竜、実は乙女ゲームの中で国の闇にかかわる存在として出てきてたのよね。
ゲームで、その竜は貴重素材として、または実験体として、切り刻まれ、血を採られ肉をそがれながら生きていた。己の高い再生力と生命力で死ぬ事もできず、ある地下施設で呪術とオリハルコンの鎖で逃げる事もかなわずに繋がれていた。
まぁ、これはゲームの終盤に調べて分かった事として、話に出てくるだけなんだけど…エグかった。ボロボロなのよ、生きた肉塊。
竜素材って言うのは、ゲーム同様こちらの世界でも、超一級品の素材。爪から、鱗、骨まで身体総てに高値が付くお宝。
というか、そんな滅多に出ないから幻の素材なんて言われる。
ダンジョンならラスボス。
まさに、ド○ラゴンク○スト!ダンジョンで狩ってでさえ、お祝いものらしいよ?
ワイバーンならともかく竜って、本当に別格なのよね。
で、お約束と言うか禁術、禁忌の品物を作るのに必要なのよ。
例えばゲームでは『賢者の石(失敗作)』とか、広域を制圧する禁術素材として出てきた。
その地下施設を使っていた組織は、闇ギルドの1つなんだけど、暗殺、人身売買、麻薬、、毒薬、非合法な事はなんでもアリな過激な組織なのよ。
ルートの1つでは、この組織が他国や国の転覆を図る者達と繋がって、王都を制圧する魔方陣発動の生贄として黒竜を運び込む。
王都に施された魔方陣と竜を蝕む呪いが反応し、また人の醜い欲に晒されてきた竜は闇に飲まれ、何もかも飲み込む奈落が開き始める…。
それを攻略対象者全員とヒロインが止めるというルートなんですよ。
あ、逆ハーレムでは無いわよ?このゲーム自体にそんなルートはない。
これ隠しキャラのルートだったのよね。ちなみに彼は闇ギルドの暗殺者。
…設定では、よくあるものでも、日常でイケメン暗殺者と簡単に出会えるヒロインって、考えたらすごいわよね。ある意味、優秀な人材ホイホイ。高性能だわ。
つまり全員を攻略してからでしか、選べないキャラなのよ。
対象それぞれが闇ギルドに対して調べていて、事件に関わってくる…ゲスト出演みたいなもので、あ~なるほどココで、それか…と、各ルートの小さな繋がりに、ニヤッて、するルートでもあった訳よ。
バッドエンドの1つ、奈落ルートは画面が真っ暗に。うん…消滅。
他の大陸で『かつて、そこには大陸があった』と、人間の強欲さに対する教訓とした昔話に出てくるはめになっちゃう訳です…。ゲームなら許せても現実はヤバイ。
さて、最強系なのにその黒竜が、どうしてヤバイ組織に捕まっていたかというと。
まぁ、女の所為。
…言い方間違うと酷い感じになるのね。まぁ、女性の為なんです。
軽くでも言わないと、哀しくなるんだよ~。泣きたくなるの~。すみません。
ゲームでは、滅びかけた竜をアイテムで封じる為に触れると、想いが流れ込んできて過去を見る…みたいなシーンがあるのですが。
山奥で黒竜は、のんびり一匹で生きてきた。
ある日、山裾にある村に住んでいる小さな女の子が山に迷い込み、保護をすることに。
のんびりした生活が好きな竜は、人間は嫌いではないが煩いので、女の子を村まで送り、自分の事は言わぬよう、かかわらぬように言い含めて、住処に戻った。
だが、言い含めたにも係わらず、ひとり女の子は竜の元に来るようになる。
お礼だといって、花を摘んできたり、果物を持ってきたり。
巨大な力を持つ竜にとって何も必要の無いものだが、小さな女の子は、せっせと竜の元に通い、やがて黒竜と女の子は仲良くなった。
時が流れ、その子が大きくなり女性として美しくなってくると、黒竜は共に生きていたいと思い始めるようになる。
娘が人の短い生を終える間だけでもと願うくらいに。
ところが、村が不作に見舞われる。
生きていく為に、娘の家は金を借り急場をしのいだ。
だが、とうてい大金を返せる当てなど無く、彼女は村から出て働くことに。
黒竜は彼女が身を売ると知って、それを止める術を考えた。
彼は己の鱗を剥がし、彼女に売るようにいう。
竜の鱗は金になったが、それは小さな村が闇ギルドに目を付けられる事になる。
回想シーンは絵柄がセピア色で、ほんわか優しい感じだったのに、一気に残酷になっちゃうんだよ~。
娘さんを捕まえた闇ギルドがゲスイんだ。
痛めつけ嬲り、悲鳴を上げさせて竜を呼ぶように言うんだよ…。
でも娘さんは、竜を思って絶対に声を上げるものかと必死に我慢するの。
心の中で、竜に詫びながら来ないでと願う娘さんに涙した。
山から現れた竜は娘さんを人質にとられて逆らえず、彼女を助ける事を条件に、黙って呪術と鎖を受け入れ、身柄を縛られてしまうのよ。
それ、フラグ…と思うよね。そのとおり。
助ける所か竜の目の前で、彼女はギルドのヤツに「用なしは要らねぇ」と笑いながら殺されちゃうのです…。
…ローゼマリーと言い、このゲームの悪役はホント容赦ないわ…。




