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彼は王子様になれない  作者: カキノキ
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こうして崩壊が始まった その1

ロゼ通常話です。



滞在時間の目一杯を互いに話し倒したレオン殿下は、手紙書くから!なるべく早くまた来るからね~と、颯爽と帰っていった。


始終、楽しげにしていたレオン殿下と私を見ていた、殿下の護衛やクリスタル家使用人達は、唖然としたままだったみたい。お菓子やお茶のお代わり意外は、遠ざけたまま、ずっと喋ってたしね。



ホントに濃い一日だった。でも凄く楽しかった。

あんまり楽しすぎて夜ベッドの中で、枕抱えてゴロゴロ転がってしまったわ。

こういう時、広いベッドって良いのね。



まず、殿下と話し合って決めた事は、正式な婚約者になるという事。


これは、ホントに悩んだけど、候補なのが悪いと言われてしまったのよね。

婚約は契約だけど、婚約者候補では口約束のようなものだから、私の立場が弱いのは当然だと。なので、しっかり婚約式をして契約をする事。

絶対に契約を破れないよう拘束力のある魔法を探すとか、恐ろしい事を言ってたけど、お断り申し上げた。絶対なら変更無しで楽だし、信じられるでしょ?って…楽って、便利さに体張りすぎだと思います。


ただし、正式に婚約をするのは、後数年経ってからでどうだろうと。

それまでは婚約者候補で。

もちろん、これは緩い拘束力しかないので、公爵家から無くす事も可能にするとも。

コレは私が迷いをなくす為の時間を設けてくれた形になる。


「私に対して甘すぎません?」


「そんな事ないよ。君の一生と気持ちを貰おうとしてるんだよ?少し待つだけで、君が俺を望んで来てくれるっていうなら、待つくらい何とも無い。安い」


君が早く信じてくれたらその分幸せだし、頑張って正式な婚約する期限の最短は8歳を目指す!と殿下は意気込んでいたんだけど。

周りに今から認められるよう、互いに勉強を頑張る事。婚約者候補になれば、私は城に行けるようになるので、一緒に教えあおうと約束した。


まぁこんな事、勝手に2人で決めても、王家と公爵家の同意が無ければ意味ないことだけどね。


ただこんな将来を目指して誰かと歩いていくのは初めてで、凄く嬉しい事なんだって、思ってしまってる。

自分でチョロイ…って、突っ込むわ。

殿下が「覚悟してね」なんて言ってたんだけど。ホントに目先の事しか見ないで生きてきた私には覚悟が中々できないんだなぁって分かる。

不安になるけど、頑張れる気がする。浮かれる~浮かれてるわ~。

ゴロゴロっと。

うん、転がると落ち着くわね。


凄く臆病な私だけど、人を好きになっても良いって勇気をもらった。

一歩一歩進んで、最後にレオン殿下の傍に行けたら幸せじゃないかしら。

殿下…どうやら私も貴方の事を好きなようですよ?











それから10年、経った。

私たちは王立学園に入学し15歳になった。この春で2回生に進級する。



飛びすぎじゃないか?…と言われても困るわ

この10年何をしていたかと言うと、普通です。


いや、ホントに…。


令嬢として教養やらマナーを学んで、お母様に(ふへへ…ぎこちないけど普通に接するようになったのよ~!お母様は不器用さんだった)貴族の付き合いを教えてもらって、茶会に出席したり招いたりして繋がりを広げてる。

この人脈を広げるのって、ホントにしんどい。

もう前世の記憶も薄くなってるのに、人付き合いの苦手さだけは残ってるのよね…。

周りの若くて煌びやかなお嬢さんを見ると、小さいわ~可愛いわね~なんて思ってしまって、一歩二歩も下がって見ちゃう。

いや、だって、ホントに可愛いの!

こっちで言えば最新のドレスなんだけど、向こうの感覚で言えばアンティークドレスを来た小さなレディ達が居るわけですよ。ゴスロリ…とは言わないか。

まぁ、そんな雰囲気なので、つい見ちゃうのよね。


お陰で、物静かで面倒見の良いご令嬢とか言われて、派閥なんて出来てしまった。

ボッチは将来的に不味いから、とりあえず付き合いだけはしないと…なんて思ってたんだけど。自分も小さな子供だとは分かってるけど、こう…仲間にハブられてる感じの子や、上手く馴染めてない子を見ると声をかけてしまって、ね。うん。


ほら、凄く一般的な普通の貴族令嬢として、頑張っていたのである。




正直に言えば…この10年、普通じゃなかったのは私の婚約者である、レオ様ことレオン王太子殿下の方なのよね~。あ、学園に入る年に立太子されたのですよ。



まぁ、そんな彼が何をしたかと言えば、乙女ゲームのフラグを折り、あいつTUEEEEで技術チートをしやがったのである。最強化ラノベ主人公か…。



転生した悪役令嬢がフラグを折る為に奮闘するラノベが大好きだったんですけどね。

頭良いわ、実行力はあるわ…同じ『悪役令嬢』を名乗るのが恥ずかしいくらいカッコイイわよね~。

でも私は役柄的には一緒でも縛りはゆるゆるだし、自分で周りを変えれるような知識やカリスマ力は無いなーって分かっていたから、行動を変えることだけ注意してたのに。

殿下が全部、代わりにやっちゃったわけですよ…。


それも、よりによってレオン殿下ってば、バキバキにフラグを折るに飽きたらず、ヒロイン対策と称し攻略対象者達に新たなトラウマ…もとい忠誠という名の信仰心を植えつけたのである。



…ホント、何やってるんだか……。むちゃくちゃだよ…。


また隔日投稿になりますが、よろしくお願いします。

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