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後宮の守華  作者: 海莉


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4 真実(前)

帰宅後、桃華は畳の上で正座をさせられていた…

やっぱりこうなったか。


桃華は帰宅するとすぐに後宮入りが決まったことを話した。そしてこうなった…

勝手に試験を受けたことを怒られるとは思っていたけどここまで深刻そうになるとは思っていなかった。


 「…桃華、なんで相談もなく決めたの。あなたは、昔から何でも一人で考えすぎなのよ、わかってる?」

 「あんたのことだから私達に迷惑をかけたくないとかおもったんでしょうけど、それでも一言くらい相談するべきよ!」


ごもっともだ。ごもっともだが、相談したらダメと言われるのが目に見えている。義母たちは私のことを、実の娘同然に育てて大事にしてくれている。

そして、私も少なからずその影響を受けている…

このままこの生活に甘えていると、多分私は一生この人たちに迷惑をかけてしまう。

だから強引にも自立する一歩を踏み出したのだ。


だけど、どっちにしろ迷惑をかけてしまったようだ…


 「ごめん、確かに相談するべきだった。反省してる。」

 「でも、これは私が選んだ道なの。」


侍女になんてなるつもりはなかったけど、今はこう言っておくのが賢明だろう。


 「…選んだ道ね。よりによって後宮を選ぶなんて因果なものね。」


そんなに後宮が気に入らなかったのだろうか?自分的には結構いい就職先な気もするけど。


 「はぁ、今何を更言ってもしょうがないわね。…確か、出発は明日の朝よね?」


 「うん。」


 「明日の朝、伝えたいことがあるの。だから、早めに起きてくれる?」


なんだろう、それは今聞いてはいけない事なのだろうか?


 「今じゃいけないの?」


 「…ごめんなさい。私が話す覚悟ができてないの。一晩だけちょうだい。」


覚悟…一体何を話すつもりのだろうか。実は、義理ではなく実の母でしたとかかな…

いや、それはないか。


 「分かった。じゃあ明日部屋へ向かうよ。」


 「ありがとう。そうしてくれると助かるわ。」


義母とのやりとりが終わった今、桃華は料亭の中で一人ポツンと取り残されていた。


ーーー


翌朝、言われた通りいつもより早めに起きた。

 (ふぁ〜…仕事初日の早起きはきついな〜。やっぱり昨日聞いておけばよかったかも。)

桃華は重い腰を挙げ仕方なく義母の部屋へと向かった。


 「義母さん、来たよ。」


 「入って来て頂戴。」


返事とともに中に入ると、義父義母そろって椅子に座って待ち構えていた。

なんとも言えない緊張感を感じる。


 「あの、話って何?」


 「…」


なぜ返事がない…私はただ聞いただけなのに何やらこの夫婦はお互いを見つめあって何やら考え込んでいる。


 「…あの、話がないならもう一眠りしたいんだけど。」


 「いえ、話ならあるわ。…そうね、これはとても話しにくい事なの。」

 「私の友人…あなたの本当の家族についての話よ。」


私の家族…確か流行病で私が幼いころ全員亡くなったって聞いているけど、なぜ今?


 「桃華、あなたはなぜ母や父、姉が亡くなったのか知っている?」


 「何を今更…病で亡くなったんでしょう?というかこの話、義母さんから聞いた話なんだけど。覚えてないの?」


 「よく覚えているわ。だってそれは嘘だもの。」


…は!?嘘?どう言う事?意味がわからない。


 「嘘ってどう言う事なの?何が…」


 「全部よ」

 「あなたの家族の死全部が嘘よ」


理解ができなかった。いや、理解はできたが意味がわからない。なぜ今になって話し出したのだろうか、そしてなんで嘘をつかなければならなかったのだろうか。

桃華は、困惑と同時に嘘をつかれたことに対する怒りも覚えだした。


 「なぜ、嘘をついたのですか…嘘をつくなら最後まで貫き通してほしかった!」


 「ごめんなさい、でも事情があったの。それにこのことは、あなたが後宮になんて関わらなかったら一生隠し通すつもりだったわ。」

 「でも、あなたは後宮に行くことを選んだ…だから、話す覚悟をしたの」


そんなの、私の知ったことじゃ…いや、言葉が足りなかったのは私もか。


 「あなたの家族は処刑されたの。それも後宮がらみで。」


 「処刑…何か罪を犯したのですか?」


 「詳しいことはわからないけどあなたの母曰く、そんな事するはずが無いと言っていたわ。」


するはずがない、とはどういうことだ?母自体が罪を犯したのでは無いのか?


 「あの、するはずが無いとはどういうことでしょうか?」


 「…罪状を突きつけられたのは、あなたの姉と聞いたわ。」

 「あなたのお姉さん玲月は、後宮で上級妃だったのよ。」


上級妃。

嘘だな。私は幼かったから姉の顔はうっすらしか覚えていないのでわからないが、いくら顔が良くても上級妃は無理だ。

上級妃になれるのは、顔と家柄を兼ね備えているものだけと聞いている。下の者がなれるような者では無い。


 「驚くの無理ないわね。あなたの家族は、もともと十二家と呼ばれる位の高いお家柄の一つだったの。本来のあなたの名前は、鳳桃華。あなたは一応、鳳家と呼ばれていたの。」

 「そしてあなたのお姉さんが上級妃となった2年後、先帝のお妃様を殺害しようとしたと言う罪状で一家処刑となったの。」


…

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