ヒトミ、切り札!
それは、「アイウォーマー」と一緒に注文した「秘密兵器」だ。
視力検査に使う、切れ目のある輪っかは、『ランドルト環』という名前らしい。
で、穴があいている方向は、大きく四つ。上、下、右、左。
たまに「ななめ」という特殊パターンもあるが、ぎりぎりの境界線で戦っている者に対して、さすがにそこまでは、してこないはず。視力検査を担当している人の良心を信じたい。
なので、四択だ。「上」か、「下」か、「右」か、「左」か。
もちろん、一回で合格になるとは思っていない。
ここから先の四択問題を、二回か三回、連続で正解する必要がある。
三回連続だとして、正解の確率は「六十四分の一」だ。普通に考えれば、厳しい数字。
(そう、普通に考えれば・・・・・・)
この確率、勘のいい人と、そうじゃない人で、同じとは思えない。前者の方が圧倒的に有利。
だから、ヒトミは「秘密兵器」で特訓してきた。
それは「ESP(超感覚的知覚)カード」。超能力開発に用いられるカードだ。
このカードを裏返しの状態にして、そのマークを当てる。
ヒトミが買ったのは、その特別バージョンだ。
通常の「ESPカード」は、「○」や「□」や「☆」のマークだが、この特別バージョンはマークがどれも、『ランドルト環』になっている。
そのカードを使って、ヒトミは特訓してきた。
もしも見えなかった時に、勘でも戦えるように、と。
ヒトミの頭の中で、有名なボクシング映画の曲がながれ始めた。
(この「六十四分の一」、必ず当ててみせる!)




