視・力・更・新!
臨戦態勢のヒトミに対して、視力検査の担当者が質問してくる。
「じゃあ、これはどうですか?」
力強く目を見開くヒトミ。
しかし、そのあとすぐに、
(あれ?)
はっきりと見えるのだ。
これなら勘に頼る必要はない。
見えたままを答える。
「右っ!」
「では、これは?」
今度も、はっきり見える。
さっきと逆だ。
「左ーっ!」
ヒトミは力強く答えた。
実はヒトミは、ある勘違いをしていた。
運転免許の更新に必要な視力。
ヒトミは両目で、「いってんごー!」が必要だと思っていた。
が、実際には、そこまで求められていない。
もっと低くて、だいじょうぶだ。「1.5」は必要ない。
実を言うと、ヒトミは目のトレーニングをしなくても、普通に免許を更新できた。
しかし、ヒトミはそれを知らない。
「左ーっ!」
力強く答えた瞬間、これまでの日々が思い出される。
目の特訓に明け暮れた日々だ。
そんなヒトミの努力に対して、最終審判が下る。
「問題ないですね。写真撮影に行ってください」
(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー♪)
ヒトミは思わず、心の中でガッツポーズをした。
勝った。免許更新最大の関門、視力検査に打ち勝ったのだ。
(やった♪ やった♪ やった♪)
ヒトミはにこにこしながら、写真撮影の場所に移動する。ぱしゃっ。
そして、そのあと講習があって、新しい運転免許を受け取るヒトミ。
「おっ♪」
運転免許の写真は、最高の笑顔をしていた。
あの特訓の日々があったからこそ、その解放感から、自然に出た笑顔だ。普通に笑っても、この顔はつくれないと思う。
(私、かわいい♪)
目の特訓は、無駄じゃなかった。
ご愛読ありがとうございました。
٩( ◕ ‿ ◕。)۶
(はーっ! スペシャル両目旋回拳!)




