ヒトミ、ピンチ!
視力検査を担当している人に、ヒトミは会釈する。
今の自分は、かなり緊張していた。笑顔をつくっているつもりだけど、たぶん顔は強張っていると思う。
で、視力をしらべる機械をのぞきこんだ。
「これはどうですか?」
「・・・・・・」
ヒトミはあせった。み、見えない。
(あれだけ特訓してきたのに、何でーーーーー!)
視力検査で落ちた時のことは、人から聞いて知っている。
すでに払った更新料。
あれは没収、ではなく、ちゃんと返ってくる。
しかし、ここまでまた来るのも面倒だ。
新しくコンタクトレンズを買うのにも、お金がかかるし。
本気で勝つ気でいたので、「高級アイマスク」やら「アイウォーマー」、「目薬の大人買い」などと、かなりの出費をしてきた。
なので、簡単には引き下がれない。
「じゃあ、別のに変えますね」
視力検査の担当者が言ってくる。
そこでヒトミはハッとした。
たぶん今表示されているのは、前の人にためしたのを、そのままにしていたのかも。
前の人は、よほど視力が良かったらしい。
だから、まだ終わりじゃない。
しかし、次のやつが見える保証もない。
(もしも、見えなかったら、『あれ』を使うしかない!)
さっきは気が動転していて、使いそびれた。
だが、ヒトミには「最後の切り札」がある!




