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初恋を踏みにじられたので、可愛い番を作ります  作者: 宇和マチカ
変えられた過去

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世迷い言を述べた罪人の記録

お読み頂き有り難う御座います。

今回2本投稿しております。順番にお気をつけくださいませ。

とある罪人の日記で御座います。

 朧水の月の14日

 戯言を聞いた。


 これはとある乙女が優遇される遊戯の世界だ。

 美しい男や才能有る男は私の虜になるのだ。全て、手練手管は習得している。

 私は、その乙女の生まれ変わり。

 絹のようなこの栗色の髪だって、茶色と桃色に煌めく大きな瞳だって、あの本の装丁のまま。


 死んだ娘を生き返らせようと、パーツ集めに骨折った結果。

 造り出したひとつめの失敗作は、娘と同じ造りで、厭らしい笑顔で世迷い言をそう言った。


 こんなものは可愛い娘ではない。だからパーツのひとつに戻した。


 酔花の月の1日

 また世迷い言を聞いた。


 此処は遊戯の世界?

 私は、男に振り回されたくない。

 地味に目立たず生きたいの。

 そうだ、前世の知識を使って色んなものを造りましょう。だから、私を愛して。

 やめて。棄てないで。


 次の失敗作は、娘と同じ顔を卑屈に歪ませて、役に立つと泣きついていた。


 違う。

 娘はこんな汚ならしい泣き方をしない。

 違う、魔術を志した娘は剣など手にしない!違う人生など志さない!!

 違う。娘はそんな下品なものは食べない。甘酸っぱい果物が好きだった。

 違う、娘はそんな下劣な格好をしない。好きな色は蒲公英のような淡い黄色だった。

 違う、娘は娘は娘は……!!お前ではない!!娘を乗っとるな!!この、紛い物風情が!!


 それから幾つ形作って、解して、パーツにしただろうか。

 折り重なったパーツと、敷地に埋まった『使えない部分のガラクタ』


 何故だ。どうして出来ない。

 もう疲れた。

 娘は、娘は。私の、可愛い娘。待っていてくれ。今、お父さんが……。


 迷風の月6日

 今までに造ったパーツを全てぶちこんで造った化け物は、今までよりも娘に似ていた。だが、歪で狂っている。

 最低の失敗作は、世にも名高い魔術学院で人を殺させて、村を焼き、男を囲って笑っている。

 娘の姿に値しない狂った化け物だ。


 燃葉の月15日

 何故、私があの化け物の集合体の責任を取らねばならないのだ。

 あれは、狂って産まれた自体が罪だ。

 罪を償えと求められるなら、あの化け物が自ら負わせるべきだ。惨たらしく死ぬべきです。

 娘を取り戻さねばならないのです。

 私の可愛い娘を。


 私の、可愛いポピーを迎えに行かねば。

 あの醜悪な近所の忌まわしい子供に殺される前に、亡き妻との忘れ形見を、連れて帰らねばならないのです。

 どうか出してください。娘を想う父親の気持ちをどうか、どうか斟酌ください。


 靄踏の月28日

 牢獄に変な貴族の女が訪ねてきた。妻?あの女が妻だと?あんな、何の魅力もない女が?

あれが連れている男のガキは何だ。あれは誰だ。私の妻が生んだ娘は何処へ行った!?私の妻は、あのような鼻持ちならぬ女ではない。

 可憐な、亡き妻は……私の覚えている妻は蒲公英の似合う、互いに一目惚れしあった……。苦難を乗り越え、愛し合った妻は何処だ。

 私達は、愛しいポピーを授かって、微笑み合ったあの、妻ポエは。

 何故、そのような顔をする。




 日記は、其処で終わっていた。






少々『貴方のルートで息の根を止めてたまるか』https://ncode.syosetu.com/n5059gr/とリンクしております。

主人公の村娘の知らない裏側で御座いますね。

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登場人物紹介
キャラクターが多くなって来たので、確認にどうぞ。
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