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初恋を踏みにじられたので、可愛い番を作ります  作者: 宇和マチカ
探しびとは異なるもの

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異世界種は忌避されている

お読み頂き有難う御座います。

謎の異世界種、スピード逮捕ですね。


「待って待って!!ネコミミしっぽ撫でただけでお縄!?有り得ないんだけど!?」


 異世界種の少女が、叫びながらも警備騎士に連れられて姿が見えなくなったのを見送り、フリックは頭を下げる。


「あの、穏便に助けてくださって有難う御座います、スオリジェ軍将閣下。僕、フリック・レストヴァと申します」

「礼には及ばんぞ。丁寧な少年」

「フリック!不愉快だったでしょう!?即、守れなくて御免なさいね!」


 即止めていたら商店街が血の海になるところだった事は、笑顔で伏せておいた。


「みゃっ、だ、大丈夫です!それに、街中でその、ミューン様に危ないことが起きなくて良かった。

 それにお世話になってる街の人に何も無くて良かったです……」

「自分の事よりも他人を心配しなくていいのよ怖かったでしょう!?優しいフリック!!」

「あ、あうみゃ……、あ、あの、閣下。本当に有難う御座います」


 ギュウギュウにミューンに抱きつかれながらも、フリックはペコリとスオリジェに再び頭を下げる。


「いやいや。しかし、災難であったな」

「はい、歩いていたら、いきなりケモ耳モフモフ~とか言われて、襲われて……ああっ、ミューン様!?大丈夫ですか!?」

「ふ、ふはふふ。許すまじよあの異世界種!!」


 何と言う変態な通り魔か。

 ミューンはフリックの話を聞いて更にイラッとし、頭に血が昇ってフラついた。


「しかし随分若い異世界種のようだったが……何処かで観たことが有るような」

「ええもう二度とフリックへ近寄らせませんとも!!異世界種は敵と判断致しましたわ!!

 幾らフリックが可愛らしくて素晴らしい存在だからって!!チカンは撲滅よ!!目にモノ見せてくれるわ!ううゼエハア!」


 フリックはミューンの息切れする背中を撫でながら、首を傾げる。


「僕だったから未だマシでしたけど、女性に襲いかかるかも知れませんしね……。ミューン様、気を付けてくださいね」

「何を言ってるのフリック。チカン被害者に老若男女関係ないのよ。怖かったわよね」


 目を潤ませながらもミューンを心配するフリックの耳を撫で擦って頬擦りしたかったが、街中なので堪えた。


「表が騒がしいと思ったら。ミューンちゃんの仕業?」

「何なのよ寄らないで頂戴!!」


 騒ぎを聞き付けたのか、フードを被ったジュランまで寄ってきた。今の姿は見慣れた同年代のようだ。


「異世界種のチカンが出たのでな」

「こんな昼日中に街中で、へー。物騒だねー」

「……あの、この方は」

「剣歯虎ちゃんだろ?俺はミューンちゃんの幼馴染みのジュランだよ」


 突然現れたジュランに、パチパチとフリックは瞬きを繰り返した。困ったらしく眉根を寄せ、慎重に口を開く。


「貴方が、宰相様の弟君で、その、裏……」

「そーそー。賢いね、痛っ!」


 頭を撫でようとしたジュランの手をミューンが叩き落とした。


「気安くフリックに話しかけないで触らないで頂戴!馴れ馴れしい!底意地悪さが付くでしょ!!

 単に親が同じ職場で会う機会が多かっただけの、便利に使ってやれなくもない知人よ!!」

「うお、ツンケントゲ増し対応が捗るねミューンちゃん」


 フリックを然り気無く引っ張りジュランから距離を取ったミューンは、胡散臭げに彼を睨んだ。


「それで、今更何の用なの?馬の癖に野次馬?なら酷いわよ」

「いやだから馬だけど一角獣だって!

 異世界種って、獣人を見たこと無いタイプが多くてさー。動物好きを自称するチカンが多いんだよなー。ウチで被害者から賞金掛けられてんの大体そう」

「そ、そうなんですか」


 フリックはやはり恐怖だったのか、反射的に自分の耳を手で隠している。


「特に可愛くてフワフワしてる犬科と猫科、ネズミ系なんかが狙われるんだぜ」

「へーそう、そうなの。

 早急に駆除しましょう。法整備をお父様に頼んでくるわ」

「ミュ、ミューン嬢落ち着いてくだされ。それはいかんだろう」


 スオリジェも引く程、ミューンの瞳孔は開き暗黒に染まっていた。



ミューンのお父様はスピーディーな行動が大好きで、ちょっぴり強引な手段も辞さない法務大臣ですので、スオリジェ軍将はガチで焦っております。

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