鬼の姫様と敵6
アマノはジュウラの報酬を受け取らず、怪我人の出たパーティーに全てを渡した
「も、もらえません! 俺たちは何の役にも立てなかったし、倒したのはあなたじゃないですか」
「いいから貰いなさい。私達は別にお金に困っていませんし、あなた方のその装備、買い替えなければ次の戦いに赴けないでしょう?」
「そ、それは・・・。分かりました、ありがたくいただきます!」
意識が戻った仲間達にも礼を言われるが、アマノは当然のことをしたまでだととっととギルドを出て行ってしまった
彼女は基本家族以外にはドライであった
リオラナでの情報収集を済ませると、その日はこの街に泊まり、翌朝副都を目指すことになった
情報は特になく、フワイが集めた情報以上の物は出てこなかった
一行は宿へと再び向かう
「あらまあ、また来てくださったのですね」
「すみません、ギルドで予想外のことが起こっていたので、今日またこちらでお世話になろうと思いまして」
「それは嬉しいことですわ。昨日と同じ部屋でよろしいでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします」
宿でまた美味しい料理を楽しみ、ゆったりと眠りについた
その日の夜のことである
アマノの夢に女性が現れた
「あなた様は・・・。お久しぶりですニャードリーア様」
「久しぶりねアマノちゃん。貴方を聖女にできて本当によかった。人々を守ってくれてありがとう」
「もったいないお言葉です」
ニャードリーアはアマノに感謝し、頭を下げる
そして本題に入った
「実は、私が加護を与えた子がトウゲンに来ているの」
「他の聖女ですか? ハリルは確か行方不明のはずですが・・・。女神様、ハリルの行方は分からないのでしょうか?」
「ええ、私でも見つけられないけど、あの子の加護の輝きは消えてはいないから、どこかで必ず生きているはず。それと、加護を与えた子はビーストの少女、プラウディア王女のネネコです」
「プラウディア、最近復興したビースト国ですね。いずれ私も訪問しようと思っていました。王女が来ているのならば父上に任せて置けば大丈夫でしょう」
「それはそうでしょうが、あなた、お父さんの扱いが雑ではないですか?」
「いえそんなことは、ないと・・・。いえ、ちゃんと構うようにします。妹たちの方が大切で最近おざなりになっていました」
「取りあえずネネコちゃんはトウゲンに引き留めておくから、一度会ってほしいの。今回の用事がすんだら会いに行ってあげて欲しいのです」
「分かりました女神様」
アマノが目を覚ますと、もう朝になっていた
横では双子とコミネがスースーと寝息を立てている
「少し早かったですか。女将に挨拶でもしておきましょう」
三人を寝かせておいて、アマノは朝食の用意をしていた女将に会いに行った
「あらあら、もう起きてしまわれたのですね。もう少しで朝食のご用意ができますので、お部屋でお待ちください」
「ありがとうございます。そろそろ妹たちも起こしますね」
戻るとコミネが起きて布団をたたんでいた
クロハとハクラはむにゃむにゃと眠い目をこすって布団の上に座り込んでいる
ハクラの方は寝巻がはだけてほとんど裸になっていた
「ハクラ、脱げていますよ」
アマノはハクラの服を着替えさせ、目が覚めたクロハが着替えるのを微笑ましく眺める
そこに朝食が運ばれてきた
焼き鮭にお味噌汁、ごはんにお新香
ごはんおかわり自由である
しかしコミネにあまりにも食べることは止められているので、三人は茶碗に大盛五杯で我慢しておいた
宿を出て今度こそはと副都ハルアへの馬車に乗り込んだ
副都ハルアまでは馬車で二日ほど
道中に盗賊が出るとの話があるため、アマノは警戒しつつ三人と馬車の椅子に座り、刀の手入れを始めた
「私もやろっと」
「私も」
双子もアマノに習って刀の手入れをし、輝く刀身を眺めながら馬車は進んで行った




