8 メスケモ冒険者になる4
「こっちですぜ姉御!」
「あの、僕まだ10歳だから姉御って歳でも・・・。人間でも20代くらいですし」
「え!? 俺たちより、はるかに年下?」
道中彼らの話を聞いていたけど、アンクルスは元々筋肉がつかず、ドワーフには珍しく痩せていたため、故郷でいじめられていたところディグに救われたらしい
エトロトはリザードマンという種族で、幼いころに魔物に襲われていたところをディグに助けられたんだって
エトロトのディグを見る目は恋する乙女の目だった
そしてリーダーのディグはと言うと、Cランク冒険者で、それなりの実力があったけど、ビースト差別が激しかったためギルドではかなり疎まれていたみたい
でも今はもうそんな気持ちはないらしい
まあちょいちょい僕の匂いをすーーーっと吸い込むのはちょっとやめてほしい
何故差別主義者になったのかは教えてくれなかった
「まあ俺にもいろいろあったんでさぁ」
まああまり過去に触れるのもなんだし、今は差別しないならいいか
「お、そろそろですぜ」
ディグの案内でラピッドマイマイの住処へ来たけど、なんか風が強い
それにまぎれて風を切るかのような音もヒュンヒュン聞こえた
そんな風の中、僕の動体視力に写るものがある
「にゃ!」
思わず手が出て、何かを叩き落とした
「さすがですぜネネコさん! そんなにやすやすとラピッドマイマイを叩き落とすなんて」
「え、このウネウネする何かがマイマイ?」
カタツムリに似ても似つかないこの怪生物・・・。いや、背中に殻はあるから・・・、いやでも
この魔物、カタツムリのような殻から触手が飛び出した気持ちの悪い見た目をしている
「ツンツン」
死んでるみたいだ
ちょっと叩いただけで死んじゃうから、結構弱い
これなら倒せそうだ
僕はヒュンヒュン走り回っているマイマイをしっかりと見て、気づいたら触手に絡みつかれていた
「うわ!」
「ネネコさん! んふぉお」
「あひぃいい」
「きゃぁ!」
ディグ達3人もあれよあれよと触手に絡めとられ、おっさん2人とリザードマンの美女があられもないことに
僕の方もちょっとやばい
胸当ての中に触手が入ってくる
「く、ふぅ」
うう、変な声が出る
「この、変なとこ、入ってくるなぁ」
体をよじって触手を掴み、なんとか千切る
「うへぇ、ヌルヌルする。ディグ! すぐ助けるよ!」
「あひぃい、じ、自分でなんとかできまさぁ!」
ディグは筋肉で触手を引きちぎり、仲間たちの触手を手斧で斬って救い出した
「おお、すごい斧さばき」
「こいつとは付き合いが長いですからねぇ」
ディグは斧をくるくると大道芸のように回すと、空中に放り投げ、微動だにせず腰にあるホルダーでキャッチした
「すごいすごい」
「へへ、こんなこともできるぜぇ!」
斧を二刀取り出すと、ジャグリングを始める
「おおおお!!」
なんてことしてれば当然触手の餌食になるわけで・・・
「なあああああ!!! またやっちゃったぁあ!!」
「んふぅ」
「ふぇええ」
「ああああん」
誰得触手祭りが再び開催されました
「はぁはぁ、これで10匹!」
マイマイを規定量倒し、帰路につく
触手に絡みつかれてなければもっと早く帰れてたんだけどね
ギルドに無事到着して報告
「へぇ、改心したんだぁディグさん」
「お、俺はネネコさんの案内をしただけだ! 改心も何も俺は悪いことはしてないだろ!」
「あーそうでしたねぇ、犯罪だけは犯さないですもんねぇ」
「なんか含みのある言い方だな。もう差別なんて馬鹿なことはしねえよ」
「それでよしぃ」
メメリィさんは僕の討伐したマイマイの殻を見定めて行く
結構速い
「はいぃ、確認できましたぁ。ちゃんと10匹討伐できてますねぇ。ぱちぱちぃ」
拍手をしたあとメメリィさんは報酬をくれた
銀貨丁度1枚
「さてとぉ、まだ依頼達成も二件だけどぉ、昇格してみるぅ?」
「昇格ですか? 今の僕はFランクだから、Eになれるんですよね?」
「そうそう、その気があるならぁ、明日また来てねぇ」
「はい!」
もちろん昇格したい
「あの、昇格ってどういうことするんですか?」
「テストぉ。まあ簡単なテストだからぁ、よっぽどのことがない限りぃ、FからEに上がれないなんてことはぁないよぉ」
テストかあ
どんなテストか分からないけど、明日が楽しみだ
「それじゃあネネコさんまた!」
「じゃあねディグ」
彼らとも仲良くなれたし、そのうち正式なパーティを誰かと組みたいな
ディグはちょっと歳が離れすぎてるし、良い人なのは今回のことで分かったけど、ないかな




