7 メスケモ冒険者になる3
すっきりと目覚めて宿の二階から一階に降りる
「おはようございます! 朝ごはんできてますよ」
「あ、リコさんおはようございます! ありがとうございます」
テーブルに着くとリコさんができたてのスープと焼いたパンにチーズを乗っけてくれたもの、それとしぼりたてのオレンジジュースを出してくれた
あまりにも、あまりにも美味しそうすぎる
「いただきます!」
この朝食は僕のケモ生でもベスト10に入る気がする
まあ母さんのご飯には負けるけどね
でも相当に美味しい
「これってリコさんが作ったんですか?」
「ええそうです。料理、好きなので」
確かに料理に対する熱意や愛情を感じる朝食だ
夕食もそうだったけど、料理は愛情ってのはその通りだよね
ぺろりと平らげてしまった
「美味しかったです」
さて、今日はどうしよう
依頼は受けるとして、まだギルドが開く時間じゃない
そうだすっかり忘れてた
買取だ
ギルドでも出来るけど、そこの系列店があるらしい
そこなら24時間開いてるんだとか
お金はあるにこしたことはない
確かギルドの右隣にあるってメメリィさんが言ってたな
その店に行くとすでに買取や商品を見るためなのか人がいた
彼らに近づく
「うおでっかぁ・・・。あ、ごめん」
「いいよいいよ、でっかいのは確かだし」
僕はビーストとしてはかなり大きい部類だ
最大種の象種やキリン種のビーストが2メートルほどの大きさなんだけど、僕はそんな彼らよりでかい
街を歩いてるだけでもかなり人目を引いてるし、ちょっと恥ずかしい時もある
店に入って奥のカウンターに行くと、ブル種のビーストのおじさんが立っていた
「む、買取かい? 可愛いお嬢さん」
可愛いなんて照れる
「あうぅ」
「お嬢さん、どうしたんだい?」
「あいえ、何でもありません。買取をお願いします」
少し顔を赤らめて袋から素材を取り出していく
「まずこれと、あとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれと・・・」
「ま、待ってくれお嬢さん。あまりにも量が多い。いったん裏についてきてくれ。そっちの方が広いから」
この街に来る道中や、集落の周囲で狩った魔物の毛皮や牙やその他もろもろ
それを裏の広場に出していく
「これは・・・。お嬢さん相当強いね。Aランクの冒険者かな? Aランクの魔物のアモンやブラックベアの毛皮まである」
「いえ、少し前に登録したばかりの素人です。あ、でも狩りの仕方は父さんに教わりました」
「ほほぅ、さぞや名のある父上なのだろうな」
ひとまず全ての素材を出し終えたけど、査定とお金を用意するのに少し時間がかかるらしい
アモンの毛皮だけでも金貨50枚が最低価格だろうって
なにそれ・・・
街を探索したとき不動産屋みたいなところも見てみたけど、金貨150枚もあればちょっとした家が建つ
最低50枚だけど、全ての買取価格がざっと見で白金貨という金貨のさらに上の貨幣が出るだろうとのこと
城が建つじゃないか
ま、まあお金が大いに越したことはない
この袋に入れておけば盗まれることはないし
何せこの袋、持ち主の所に戻ってくるという機能までついてるからね
スラれても安心
「夜までには終わらせるから、それまで時間をつぶしててくれお嬢さん」
「はい、お願いしますね」
店を出てとなりのギルドへ
もう開いてるみたいだ
受付に顔を出してメメリィさんのところへ
「おぉ、来たねぇ大きなビーストのネネコさん」
「おはようございますメメリィさん。依頼を受けたいのですが」
「いいのあるよぉ、これに乗ってるのから選んでぇ」
メメリィさんが依頼書の束を出してくれて、その中からおすすめを選んでくれた
「これ良いと思うよぉ」
メメリィさんの選んでくれた依頼に目を通していると、後ろで気配がした
「お、姉御! おはようございます!」
振り向くと、昨日僕の匂いを嗅がせた男たちが立っていた
「あ、えと」
「ディグと申します!」
「アンクルスです!」
「エトロトだ」
3人の男がそれぞれ自己紹介してくれた
リーダーの男はディグと言うのか
その後ろの痩せた小さな男がアンクルスというドワーフ
右隣にいるのがエトロトというトカゲのような顔の男・・・、じゃないか、胸当てが女性ものだから女性か
あの場では気にしてられなかったけど、見たことない種族だ
「依頼っすか? 不肖このディグ、お供しますぜ!」
「あ、いいです自分で出来ます」
しょぼんとするディグ達
「うう、分かったよ。じゃあ手伝ってくれる?」
「おうともよ姉御!!」
選んだ依頼はエーヴァの森にいるラピッドマイマイ10匹の討伐
マイマイというカタツムリみたいな魔物の一種で、スピードに特化した種類なんだとか
カタツムリでスピード特化って、一体どんな魔物なんだろう
「そいつなら俺らもよく知ってるぜ姉御。案内するぜ」
ここはお言葉に甘えておこう
僕この辺りの魔物に詳しくないし
さて、初めての討伐依頼、少し楽しみ




