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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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79/94

72 メスケモ翼人族の国へ6

 とんでもない魔力量を持つサクラでも、ぶっつけ本番でやった古代魔法で精神を擦り切れさせてしまったみたいだ

 魔力にはまだ余裕はあるけど、コントロールが難しい魔法はやっぱり精神的にきついみたい

「おお、こんなに簡単に倒してしまわれるとは、さすがSランク冒険者のフェディ様」

「いえ、倒したのはこの子です」

「へ?」

 グリーンドラゴンが落ちたのを遠目に確認したのか、この集落の皆さんが戻って来た

 全ての人がフェディと僕でこの竜を倒したと思っているみたいだけど、とどめを刺したのがサクラだと知ってかなり驚いていた

 まあこんな知っちゃな子がグリーンドラゴンを黒炭にしちゃったんだから当然の反応だよ

 僕らも驚いたもん

「ともかくお疲れ様、サクラ」

 彼女を抱きかかえ、僕らは先ほどまでいた建物へと運んだ

 

 サクラをベッドに寝かせて僕らも休ませてもらった

 ベッドに座ってサクラの寝顔を眺めていると、外で騒ぎが聞こえて来た

「何事!?」

 僕はサクラをリーリーに任せて外に出る

 そこにはたくさんの竜を引き連れ、ひときわ大きな白銀の竜に乗った少年なのか少女なのか性別不明の15歳くらいの子供がいた

「よくも、よくもボクのグリーンドラゴンを! お前たち、この国を亡ぼせ!」

「な!?」

 いきなりのことで僕は一瞬反応が遅れた

「姫様!」

 特大のブレスが僕に迫って来ていたのをフェディが盾で受け止めた

「フェディ!」

 彼女は聖盾の力をフルに発揮させ、僕どころかその後ろの家々も守ってブレスを受け止める

「ぐ、ううううう!!」

 歯を食いしばりすぎて血が出ている

 彼女の聖盾による結界は段々とひびが入り、そして砕けた

「姫、様」

 彼女はそのまま僕をかばうため、燃え盛る炎をまともに背中に受けた

「あああああああああ!!」

 フェディの背が焼ける臭いが鼻をつく

「だめだよフェディ離れて!!」

「いえ、姫を守るが、騎士、の、役・・・、目」

 ブレスの勢いがなくなり、途切れたところでフェディはどさりと倒れた

 背中は酷いやけどで、肉がただれている

「あ、ああ、フェディ!」

 その時、僕は何が何だか分からなくなり、視界が真っ黒になって


 サクラを翼人の男性に安全な場所に運んでもらい、私も外に出た

 そこで見たのは、大やけどを負って倒れているフェディの姿と、白く美しかった体毛が真っ黒に染まって、グルルと唸り声を上げながら竜を食い散らかすネネコちゃんの姿だった

「ネネコ、ちゃん?」

 呼びかけても反応はない

「クソ! 何だお前! 竜を素手で引きちぎるなんて、おかしいだろ! 何だよお前!」

 空から声がする

 私は上を見てその姿を確認した

「エンシェントドラゴン!?」

 古代竜がいるならフェディがやられたのもうなづける

 ともかく息も絶え絶えのフェディを連れて私は後方に下がって、治療を始めた

 かなり火傷が酷くて、全身の約50パーセントが焼けただれている

 ほっとけば死んじゃう

 急いで神聖魔法で治療し、なんとか火傷は回復させた

 かなりの脱水症状もあるから、私は水を取り出して飲ませた

「う、ありがとう、リーリー」

 意識が戻ったみたいで、自分で水を飲み始める

「あなた無茶しすぎよ。もう少しで死んでたわよ」

「死んで・・・、ハッ! 姫様は!?」

「それが・・・」

 私はゆっくりとネネコちゃんの方を指さした

「姫様? あの姿は一体」

「分かんない。多分あなたがやられてぶちぎれちゃった、みたいな感じなんだと思うけど、あんな姿になるビーストなんて聞いたことない」

「私もです・・・」

 私達はあっけに取られて、ネネコちゃんがただ竜の群れを蹂躙していく様子を眺めていた

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