鬼の姫様の旅路3
双子とコミネが戻ってくると、アマノがベッドに腰かけたままスースーと寝息を立てていた
「姉様寝てるよクロ姉様」
「そうね、寝ころばせて布団をかけておきましょう」
「うん!」
双子はアマノを持ち上げてベッドにどさりと、割と乱暴に放り投げた
彼女たちなりの最大限に優しく投げるという行為だ
それでも起きないほどに彼女は疲れていたようだ
双子のために気を張り、常に警戒していたためあまり眠っていなかったのだろう
この城では常に警戒の目があるため双子が襲われる心配もない
そのため彼女の気も抜けたのだ
しかも親友の国で見知った場所である
疲れは一気に眠気となって彼女を襲った
「私達も寝よう」
「うん」
双子はアマノに抱き着いて、すぐにスヤスヤと眠り始めた
まだ子供であるコミネは羨ましそうに双子を見つめている
「はぁ」
そうため息をついていると突如視界が黒くなり、気づくとアマノとハクラの間に入っていた
「コミネも一緒ね」
ハクラがどうやら何かしたようだ
コミネは驚いているが、あたたかな二人の間による睡眠効果に抗えるはずもなく、気になるハクラの力も忘れて眠りについた
翌朝
ご飯も食べずに寝たため四人ともお腹を空かせて目が覚めた
アマノはまだ寝ぼけている双子に顔を洗ってくるよう促してアマノもベッドから起きる
四人で洗面所というか、外にある井戸に向かって顔を洗った
「冷たい」
「ハクラ、我慢して」
顔を洗った後は朝食だ
朝食に出たのは焼き魚、豆腐の味噌汁、納豆、キュウリの酢の物と言った、和風のワンプレートだった
この辺りではこういった食事が一般的であり、アマノたちも毎日のように食べているものである
だがほとんど完全栄養食でもある
朝食としては彼女たちにとってもぴったりであった
「ふぅ、お腹いっぱい」
「ハクラ、頬にご飯粒がついてますよ」
アマノがハクラの頬のご飯粒を取り、顔を拭いてあげる
そして出立の準備を始めた
丁度その時だ
突如扉がドガンと開いて何者かが飛び込んできた
「アッマノーーーー!!」
抱き着いてきたの真っ白な翼を持ち、白鳥のような尾を持った少女
「まったく、いつも騒がしいですねフワイ」
彼女こそが、この国の王女フワイだった
「良かった間に合って! ひっさしぶりだねー」
元気に挨拶し、クロハとハクラには引かれていた
「あれ、この子達・・・。あああああ!! クロハちゃんとハクラちゃんじゃん! うっわぁ可愛い。妹にしよっと」
「こら!」
アマノにどつかれるフワイ
「冗談冗談。でまあね、急いで帰って来たのは、ちょおおっと込み入ったことを報告したいんだ」
「込み入ったこと・・・。分かりました。クロハ、ハクラ、少し街で暇をつぶしてきてください。コミネ、護衛は頼みましたよ」
「はっ!姫様!」
双子を外に出し、コミネを護衛につかせてアマノはフワイの話を聞く体勢に入った
「面白い情報を聞いてね。で、アマノちゃんが来てるって言う知らせを受けたからすっ飛んで帰ったんだけど、アルスランドの、ヴァシュルア教団の新教祖の名前が分かったよ・・・。その名も、ラルズラール」
アマノはその名を聞き、目を見開いて驚いた




