71 メスケモ翼人族の国へ5
東の集落に着くと、中々の被害が出ているみたいだった
家が倒壊していたり、大きな建物が崩れていたり・・・
一応復興作業が進んでいるけど、竜が襲撃するたびに建物が崩されるため、あまり進んでいないみたいだ
「酷い有様ね。あ、サクラだめよ、そっちは危なそうだからこっち来なさい」
「はーい」
フフ、リーリーお母さんみたいだ
微笑みながら見ていたら
「何その目、ほっこりしちゃって、あ分かった。お母さんみたいとか思ったでしょ? 言っとくけどネネコちゃん、あなただこの子のお母さんなんだからしっかりしなさい」
「いや僕サクラとほとんど歳変わらないし、お姉ちゃんだよお姉ちゃん。だからリーリーがお母さん」
「私は!? 私はどうですか姫様!」
「フェディは近所のおばさん」
「何でですか!? 私も姉妹に加えてくださいよ!」
そんなやり取りをしてから復興作業をしている翼人族の人達に話を聞いてみた
「あの」
「おおビーストさん、ようこそハイロードへ」
「あの、王女様から依頼を受けて、竜と戦いに来たんですけど」
「なんと! それは助かります!」
その話を聞いた周りの翼人族たちも集まってきて、僕らにエールを送ってくれた
「竜は恐らくここからさらに東に居を構えていたグリーンドラゴンだと思われます。下級竜ではありますが、やはり竜は脅威でして、我々の手には負えないのです」
「その竜はどのくらいの頻度で来るんですか?」
「三日に一回ほどです。丁度今日がその日なので対策は取ってあるのですが、バリスタや大槍などでは鱗を通さないのです」
下級とは言え竜は竜
鱗の固さもだけど、ブレスの脅威なんかもある
グリーンドラゴンノブレスは風
ほとんどの竜が火を吹く中、グリーンドラゴンやブルードラゴンは風や水を吹くらしい
その風によって建物が一気に吹き飛ばされる
竜ッて本当に災害みたいな存在なんだ
「では竜が来たら呼んでください。僕らは戦う準備をしますから」
まだ無事な建物に通され、そこで武器の確認をする
下級の竜で大体BからAランク
中級となるとSで、上級やエンシェントドラゴンともなるとさらにその上だ
まあ上級やエンシェントはかなり頭がいいみたいで、自分達が攻撃されたりしない限り攻撃してくることはない
この先僕らが上級以上の竜と戦うことなんてないだろうし、心配はないかな
しばらく待っていると、扉が開いてさっき色々教えてくれたお兄さんが入って来た
「来ました! グリーンドラゴンです!」
すでに翼の音がここまで聞こえてきている
僕らはすぐに外に出て空を見上げる
そこには緑の体色で風を纏い空を飛ぶ大きな竜の姿があった
「うわ、おっきい」
「グリーンドラゴンなら私も倒したことはありますが、ここまで大きなものは初めてですね」
竜は長く生きれば生きるほど大きくなって力も増すらしい
つまりこの竜は長年生きてかなりの力を持ってるってことになるか
「よし、速攻で片付けるよ! ブースト!」
ダンと足を地面にめり込むぐらい踏ん張って一気に空に飛びあがった
そして大剣で翼を斬る
ガキィインと大きな音が響く
「かったあ・・・全然斬れてないや」
「姫様気を付けてください!」
風のブレスが僕に向かって放たれる
でも僕に当たる前に霧散して消えた
「ふぅ、間に合ったわね」
リーリーがどうやら打ち消してくれたみたいだ
「もう一段階上げないと、ダメかな? でもそうなると動けなくなるし、それで倒せなかったら・・・」
「姫様、行きますよ!」
「分かった合わせる!」
二人で剣を構えて空中に飛び上がる
「アクロス・ザ・バイト!」
エックスの形で切り結ぶと、片方の翼が斬れた
「よし!」
着地するとほぼ同じくして竜は地面に落ちて来た
「う、時間切れ、か」
そして僕のアクセルが解けて全身の筋肉が悲鳴を上げる
「いたたたた」
「姫様は少し休んでください。ここは私が」
僕は後ろに下がってリーリーの治療を受ける
「私も手伝う!」
サクラが前にでた
「あぶない! だめだよサクラ!」
でもサクラは手を竜にかざして魔法を放った
「エヴァフレイム」
ボッと炎が現れてスーッと竜に迫る
その炎が竜に当たったかと思うと、竜は炎に包まれて燃え盛る
「グルルルアアアア!!」
竜は叫び、自分にブレスを吐いて火を鎮火させようとしているけど、火はさらに勢いを強めた
「エヴァフレイム・・・。現在聖女ハリルララハ様しか使えない古代魔法をどうしてあの子が・・・」
火はまったく勢いを止めることなく竜を焼き続け、竜はやがて息絶えた
「すごい、すごいよサクラ!」
「やった! たお、せた・・・」
サクラはそのまま意識を失った




