鬼の姫様の旅路2
スピラでももちろん顔パスで入国
門を守る兵も顔見知りだ
四人ともまた住民に囲まれてサインなどをねだられる
「すみません通してください」
四人はその日の宿を取るために街中を探したが、突如衛兵に呼び止められた
「アマノ様! どうぞ城へ。お部屋の用意ができてございます」
衛兵たちはどうやら城に四人を泊めるために探しに来たようだ
彼らに連れられて城へと通された一行
「ここも久しぶりですね。しばらく来ていませんでした」
「私達は初めてだよー」
「うんうん」
双子は今回が初訪問だ
そもそも双子は国を出ること自体が初めての体験である
トウゲン周辺の海で狩りをした程度にしか外の世界を知らなかったのだ
「そうですね、確かにここでちい姫様達にお会いするのは初めてです」
「ツモラさん、お久しぶりです」
「アマノ姫、さらに強さ、美しさに磨きがかかっていますね。それとアマルハ王子からお聞きしているとは思いますが、フワイ王女は現在討伐に出ておられます」
「ええ聞いています。しかし今回はフワイに用があって来たのではないのです。一日泊めていただき、あすにも出立する予定です」
「そうですか、では今日一日ごゆっくりお過ごしください」
そうして話しているうちに部屋に到着した
「私は少しツモラさんと話があります。三人は先に部屋で休みなさい。あ、コミネと一緒に行動するなら城下を見て回ってもいいですよ」
「わーい」
「やった、姉様大好きです」
双子は喜び、コミネと共に城下町へと走って行った
「さてツモラさん、ヴァシュルア教総本山のアルスランドの現状について何かご存知ですか?」
「それに関しては私共のほうでも動いております。しかし傷も泣かずば撃たれまい。難航しているのも事実です」
「教祖はすでに捕らえられています。あちらは支部から本部に戻り、別の教祖がたてられたと聞きましたが?」
「それが、その教祖の情報がまるで出てこないのです」
「まるで? 雉獣人の情報網をもってしてもなのですか?」
「はい、フワイ姫もそのこともあり出ているようですね。討伐は恐らくそのついでです」
二人はヴァシュルア教団のワズム派の残党や、げん教皇についての情報を交換し合う
未だアマノ達を狙って暗殺者が差し向けられていることから、事件はまだ終わっていないことは確実
他の聖女が狙われる可能性もあった
「それと、これはごく一部のものにしか知られていないのですが・・・」
「なんです? もったいぶらずに話してください」
「聖女ハリルララハ様が行方不明になりました」
「あのハリルがですか!? あの方は単独でSランクの魔物を討伐する実力者です。そんな方が・・・」
「消息はつかめておりませんが、彼女もまたアルスランドを調べていたようなのです」
「やはり、直接乗り込むしかないようです。ハリル様についても私が何とかします」
「はい、では教会にはそのように伝えておきます」
話も終わり、アマノは三人が戻ってくるのを部屋で待つことにした
クロハ、ハクラ、コミネの三人組は意気揚々と城下町に繰り出した
ここにはトウゲンにはない物が数多く売られており、双子の興味をそそるには十分だった
食文化は似ているため、屋台では主におもちゃ屋ぬいぐるみと言った子供らしいものを見て回る
当然同世代のコミネも目を輝かせて見ていた
「姫様、これ見てください! 三つ目熊のぬいぐるみですよ可愛いですねぇ!」
「ほんとだ・・・。じゃあー・・・」
ハクラはクロハとこそこそと話し、財布を取り出して二人でそのぬいぐるみを買った
「はいどうぞコミネ。いつもありがとう!」
「ありがとう」
双子はニコニコとコミネにそのぬいぐるみをプレゼントした
「そんな姫様、いただけません!」
「いいから貰って」
「そうそう」
二人にぬいぐるみをぐいと押し付けられ、コミネはそのぬいぐるみを抱きしめた
そんな光景を店主は微笑ましく眺めている




