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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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鬼の姫様の旅路1

 スピラまでの道のりは険しいが、道筋としては一本道であるため迷うことはない

 ただ単に魔物が強いだけだ

 険しい森を歩きだした途端のことだ

 マシラの大群がいきなり襲い掛かってくる

 一匹での危険度はDだが、集団となるとBまで上がる

 広範囲の攻撃ができればいいが、生半可な攻撃ではあっという間に群がられて喰われる

 そんなマシラの大群を四人は何事もないかのように切り抜ける

「天地流転!」

 コミネの妖術でマシラの大群は一気に転がり、しかも運がいいことに、それぞれが頭を打ったり、たまたま尖っていた木の枝に刺さったりし、五割ほどの群れが行動不能になる

 無事なマシラも起きあがってまた襲って来ようとするが、双子が前に出る

「黒刀、クロアゲハ」

「白刀、白雪」

 クロハは真っ黒な刀を抜き、マシラを斬る

 すると斬られた部位から黒が広がり、マシラの全身が真っ黒に染まって、斬られたマシラは動かなくなった

 まるで生気を吸い取られたように死んでいるマシラ

 その横ではハクラが真っ白な刀を振るう

 ハクラの刀は形を変え、二刀の刀になる

 一振りは身の丈ほどの大太刀、もう一振りは小太刀となった

 ハクラはニィと笑うと、大太刀を振り上げて地面に叩きつける

 その反動を使って前周りに回転し、小太刀を突き刺す

 そしてまたその回転を利用して大太刀で斬りつける

 それを繰り返し、まるで丸鋸のように回転しながら移動し、マシラをズタズタに切り裂いていった

 やがてマシラは全てが倒される

「ハクラ、そろそろ止まりなさい」

「はーい」

 木々まで切り倒していたハクラを止め、戻ってこさせるアマノ

「よくできましたね」

 双子の頭を撫でるアマノ

 この程度の妖魔ならば双子のうちどちらかでも十分やれていたが、今回は連携を取らせるために三人に一緒に狩らせた

 アマノはその結果に満足し、三人を褒めた

「コミネ、素晴らしいサポートです。やはりあなたは私達にはなくてはならない存在です。家族になってくれてよかったです」

 アマノに褒められ、頬を赤らめるコミネ

 彼女は孤児で、スネコスリ族のいくつかある集落の一つが妖魔に襲われた際、アマノが助け出した少女だ

 その恩のため、コミネは努力を重ね、ただ転ばせるだけという能力を強化し、その本質を開花させた

 彼女の妖術は転ばせるだけが能ではない

 ただ転んだだけという結果を転ばせる。要は転じさせることで結果を変えたのだ

 転ぶという結果から、事故により死に至るという結果に変えた

 マシラの大半が頭を打ったり、木に突き刺さったり、頚椎を骨折したりしたのは彼女の力によるもの

 この四人で戦うときはまずコミネが力を使って援護することから始まる

 その後の残党を三人が狩るといった具合だ

 だが一つ、本来この援護はアマノがいることで必要なくなる

 何故なら彼女は一刀ただ一振りでこの辺りの妖魔全てを滅することができるからだ

 要は経験を積ませるために自分は手を出さず、三人にやらせただけ

 彼女にとって妖魔程度は虫を払うよりも容易なこと

 だが幼い双子はまだ妖魔に苦戦することもある

 実力は十分にあるが、戦闘経験がない

 だがアマノが指導しているためなのか、初めての連携もすんなりとれることが分かった


 その後も出て来る妖魔は全てまずコミネが転ばせ、ハクラとクロハが討ち取って行く

 空を飛ぶ妖魔ですら転ばせることができるため、無双状態だった

 そして順調に進み、山頂近くにあるスピラ国へと到着した

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