68 メスケモ翼人族の国へ2
予知夢を見た
久しぶりに
何かが迫ってきている
いつもよりも断片的な予知でよくわからない
それでも危険な知らせであることは間違いない
私の予知は夢だけじゃなくて、時折白昼夢のように突然視えることがある
予知夢の方が正確で、白昼夢の方が曖昧だけれど、今回の予知夢はまるで定まっていない
迫ってきている何かの目線みたいで、私の視界よりも少し低い
その者の視界が霞んでいるのか、それとも予知夢が定まってなくてぼやけているのか
わからない
いつもそう。私の予知はあてにならない
それでも私はまだ四人目の聖女でいられるのは、予知の加護がちゃんと当たることもあるから
こんなほとんど占いのような力だけど、正確じゃないけれど、ところどころは当たっているから
「女神様、この予知は一体どういう意味があるのでしょう? 迫る何かに対抗せよ、ということなのでしょうか?」
ひとり呟いてみてみたものの、返事なんてこの教会でも何でもない場所で帰ってくることはない
ネネコちゃんには伝えておこうか?
あの子なら私の力を他言することはない
朝いちばんにあの子に話そう
オークを倒した翌日、僕はリーリーに呼ばれた
二人っきりでね
フェディはすぐに理解してくれたけど、サクラが何が何でもついて来ようとしたためフェディに捕まえておいてもらった
「ごめんねネネコちゃん。少し私の話を聞いてほしいの」
リーリーはいつもと違い、僕のお腹も吸わずにしんみりと語り出した
彼女は世の中には知られていない四人目の聖女で、その存在は本人と教皇にしか知られていない
リーリーの加護は予知で、予知夢や白昼夢の予知を視ることができる
ただいつも断片的で確定された情報ってわけでもない
でも見た後は確実に何かよくないことが起きるみたい
今回は何者かがどこかに迫ってきているという予知
それだけだと一体どこに何が迫っているのかもわからない
聞いたはいいけど僕にはどうしようもない
だってまだ何も起こってなくて、もし起こるにしても何がどう起こるのかもわからないんだから
「ごめんなさね。でも、ネネコちゃんには話しておきたかったの」
「うん、ありがとうリーリー話してくれて。何か起きた時への覚悟もできるし、助かるよ」
「・・・。正直私の予知って使えないでしょう? あんまり正確とはいかないし、視えたモノも何が何だか分からないし・・・」
「そんなことないよ。何かが迫ってくるならそれに備える! 覚悟ができるって言うのは何も知らないよりも対処しようがあるからね」
「そう言ってもらえると嬉しいわ」
そしてリーリーは僕のお腹に抱き着いて思いっきり吸い始めた
彼女なりに色々悩みはあるんだろう
僕はリーリーを優しく撫でて彼女のしたいようにさせた
仲間と合流して再び歩きだし、ハルード渓谷へとやって来た
聞いていた通りにすごい数のワイバーンが空を優雅にとんでいる
こっちを気にしていないものもいれば、敵視しているのかそれとも縄張りに近づいたからなのか、ものすごく睨んでいるやつもいる
いかにも竜と言う風貌だけど、大きさは僕くらいのサイズがほとんどだ
よく見ると僕より大きなのもちらほらいる
「姫、なるべく真ん中を進みましょう。橋は広いですが端に行きすぎて落ちては命は、さすがに姫でもギリギリ死ぬかもしれません」
「いや死ぬよ! 僕を何だと思ってるんだまったく」
とりあえずなるべく刺激しないようにゆっくりと進む
まあ襲ってきたら倒してご飯
少し進むとやっぱり睨んでいたワイバーン数頭が襲って来た
返り討ちにして晩御飯、返り討ちにして晩御飯
フェディと二人、ウキウキしながらワイバーンを倒していると、ワイバーンが空に高く飛び上がって攻撃があたらなくなった
そして口から火球を吐き出し始める
「うわ熱っ!」
火球が僕スレスレに飛んでくるけど、次の火球を大剣で撃ち返してみる
「あ、だめか、火の塊だもんね。跳ね返せないか」
「そりゃそうですよ。なんだと思ったんですか」
「いけるかなって」
「無理です。対空手段なら姫もあるでしょう。飛んでください」
「だってあの高さだよ?」
「大丈夫です! 保証しますから」
フェディに鼓舞され僕は足の筋肉におもいっきり力を込めて飛び上がった
「うわわ」
予想以上に高く飛べて、ワイバーンの上まで来た
「よし! 獣剣技、豹の型、覇流弩!」
くるくると縦回転しながらワイバーンの背中を斬りつける
そのままワイバーンの背を蹴って他のワイバーンも斬って行った
そしてスチャッと華麗に着地
さすが猫種の体。この高さでも難なく着地できた
それを見てワイバーンたちはこっちに近寄ってこなくなり、逃げてしまった
「あーんもう少し狩っておきたかったのに」
ワイバーンのお肉、もっと欲しかったです




