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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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鬼の姫様御出陣3

 翌朝四人は朝一番に出る馬車に乗り、次の国を目指すことになった

 アキュシュルはこの大きな街以外に街はなく、他には周辺に村があるくらいだ

 馬車は直接隣国に向かう

 隣国の名はアハルマで、猿型の獣人が多く住むアキュシュルと同じくらいの大きさの国だ

 そのさらに隣には雉の獣人が住むスピラ国がある

 ちなみに獣人とビーストの違いは、ビーストが獣により近い姿をしており、獣人はその名の通り獣と人間両方の特製を併せ持つ種族だ

 翼人と鳥獣人の違いもあり、翼人は翼だけなのに対し、鳥獣人は翼に加えて足や尻尾に鳥の特徴が出ている

 この辺りは獣人が多く、ビーストはほとんど見られない

 獣人はビースト以上に奴隷として狩られていた歴史があり、そのためこの鬼人が住む場所まで逃げのびて来た

 のちに勇者が奴隷制を世界で廃止したが、この土地に根付いた獣人はそのままここで暮らしているというわけだ

「馬車が来ましたよ。乗りなさい」

「「はい姉様」」

 双子らしく息の合った返事を返し、双子は馬車に乗り込んだ

 そのとたん馬車が急に発射した

「ちょ、クロハとハクラを返しなさい!」

 双子を乗せた馬車はどんどんアマノを引き離していく

 妹たちを攫われた

 アマノはその事実をしっかりと飲み込み、怒りをあらわにした

 静かに怒り、抜刀術のように刀を構える

「不可視技、アマノ流抜刀術、死閃」

 その場で斬ると何かが斬れる音がする

 それと同時に空間に裂け目が生じ、男の生首と双子が転がり出て来た

「姉様、怖かったよぉ!」

「姉様ぁ」

 泣き出す双子を抱きしめ、アマノは男の首を拾い上げる

「な、なんだこれ、なんで俺首だけで生きて・・・」

「黙りなさい。今は生かしておいてあげているのです。なぜ私の可愛い妹たちを攫ったのか、理由を言いなさい」

「ああ、あああ、うああああなんで俺の体、うああああ!!」

「うるさいですね」

 頭を持つ手に力を入れると、メキメキと骨が割れて行く音がする

「話しなさい」

「わ、わかった! 話すから殺さないでくれ! 俺は雇われたんだ! 誰かは分からねえ。俺はただ手っ取り早く稼いで遊びたかっただけなんだ!」

「では情報は持っていないと? それだけの情報しかないと?」

「あ、ああそうだ。本当にそれだけだ。本当に知らないんだ!」

「そうですか、ではさようなら、地獄までお元気で」

 グチャッと音を立てて頭がつぶされた

 恐らく馬車には体のみが、まだ頭を失ったことに気づかず動き、やがては死に至るだろう

「ふぅ、怖い思いをさせてごめんなさい二人共」

 双子の頭を撫でるアマノの目は、とてもつい先ほどまで殺意に満ちた目をしていた者とは思えない

 慈愛に満ちて優しさにあふれている

 彼女の攻撃は誰にも見えず、誰にも理解できない

 それは聖女としての加護を授けた女神ニャードリーアですらだ

 女神自身が授けた効果と全く変わってしまっているためである

「それにしてもこのような街ですら狙いに来るとは、早く総本山に向かわなければなりませんね」

 あとに来た本物の馬車に乗り、四人はようやく街を出た

 次なる国は猿獣人の国、アハルマだ

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