65 メスケモ、金鉱山へ1
さすがこの鉱山で働いているだけあってすいすいと進んでいく
分かれ道は多いしくねくねとくねった道が多いし、迷う要素満載だ
それでも一切迷うことなく案内してくれるアチェ
「こっちこっち、この先が金採掘場なんだけど、その少し奥に奴らの巣があるんだ」
金採掘場はかなり広くて、ところどころに道具や金を運ぶためのネコ(一輪車)などが転がっている
トロッコもあって、それは地下を走って王都まで続いているらしい
「危ないものもあるから気を付けて。なるべく触んないでね。爆発物もあるんよ」
多分箱に入れられているポーション状の液体が爆発物だと思う
フェディが持ってたのと似てるし
「そういえばアチェはそのハンマーで戦うの?」
「おう、よくわかったな、あたしが戦うって」
「なんとなくだけどそうじゃないのかなぁって」
ここは魔物も結構出るらしくて、戦える人もいるって聞いた
彼女のハンマーは使い込んであるけど手入れが行き届いていて輝いている
大切に扱ってるんだろうな
「グランリザードってどんな魔物なの?」
「うーん、見た目は棘だらけの巨大トカゲでね、鉱石や岩を食べてその鱗を強靭な硬さにして体を守ってるんだ。強いっちゃ強いけど尻尾の攻撃に注意すれば大丈夫。でも今回はあまりに数が多くてな。あたいらじゃ対処しきれん。恐らく大量発生の時期なんだと思うんだわ」
特定の魔物は繁殖期とかでたまに大量発生することがあるらしい
今回もその大量発生が起き、何人か鉱夫も襲われたと聞く
「よし、戦闘準備もオッケー。退治して平和な金鉱山を取り戻そう」
「ありがとうなビーストの娘っ子。あたいも戦うからな!」
彼女が案内役になったのはこの鉱山を知り尽くしているだけじゃなくて、戦闘力も冒険者で言うBランク相当だからみたい
「ここだ。今岩を崩すから離れててくれ」
どうやらグランリザードがこっちに出てこないよう塞がれてたみたい
アチェがハンマーで積みあがった岩を破壊すると、真っ暗な広場が見えた
そこに光る無数の目
「明かりをつけるわ」
リーリーが魔法でライトをつけて内部が見やすくなった
目を光らせているモノの正体が露わになった
「こ、これがグランリザード!? でっか!」
体長は五メートルを超える巨大トカゲ
それが百を超える量でこちらに一斉に走って来た
まあ走って来たとは言っても速度はあまり出てないから歩くような速さだけど
それでもあの重さで突撃されたら脅威だ
「よし、一気に行くよ! アクセル!」
強さの段階を上げて最初の一頭を切り裂いた
それに続いてフェディも剣を振るい、サクラとリーリーが魔法を放つ
さらにはなんとベルまでもがちょっとした魔法を披露している
「クックック、仲間が見つかったことで私もすこーしだけ力が戻った。任せたまえ!!」
頼もしく叫ぶベル
「うわなんだこれぬいぐるみが喋ってる!」
「気にしないで。アーティファクトだから」
「あそか、それなら話すこともあるか」
とりあえず彼女のことはアーティファクトと偽っておく
「さあさあ御覧じろう! 天体魔法の力を! 一つ星、ティンクル!」
ベルの指が輝いてビームのようなものが出てグランリザードに直撃した
「どうだ!」
残念ながらベルの魔法は一切ダメージが出ていなかった
かすり傷ひとつなし・・・
「うううああ、そんなあ、私の天体魔法が~。うわーん」
「大丈夫、もっと力を取り戻せばちゃんと威力も出るよ」
フォローを入れる指輪のリウス
彼は指輪という形のせいで天体魔法が使えないらしい
でもそうか、彼らの数が増えれば増えるほど天体魔法が解放されて行く感じなのかな?
がっかりしているベルを下がらせて襲ってくるグランリザードをなぎ倒していく
「あたしもやるよ! アーススタンプ!」
大きなハンマーでグランリザードの頭を叩きつぶすアチェ
一撃だ。やっぱり強い
「姫、皆さん、下がってください。特大の剣技をお見舞いします」
「分かった!」
フェディの後ろに下がる
「獣剣技、狼の型奥義、狼暴!」
剣から狼のような斬撃が出て、前にいたトカゲを数十匹一気に消し飛ばしてしまった
「うわぁすっごぉ」
「姫様もすぐできるようになりますよ」
「いや、うーんできるかなぁ」
一応僕も獣剣技の狼の型は習っているけど、こんなのは見たことがない
父さんが一応狼の型はマスターしているのに、見たことがないってことはもしかしたら僕らの集落と外のビーストたちとでは剣技の発展の仕方が違ったのかも
「残り二十頭ほど。あとひと踏ん張り!」
僕はビーストテイルを肩に担ぎ、フェディに負けられないと構える
「獣剣技、猫の型奥義、慧守虎主!」
この剣技を使うとしばらくの間動けなくなる。というか動いちゃいけなくなる
フェディがいるから安心して打てる技だ
いくつもの剣できるかのような、残像が見えるほどの剣速で斬り、アクセルの効果も相まって10秒も経たない間に残り全てのトカゲを倒し終えた




