62 メスケモ、蛇迷宮へ5
扉を開けると今度は焼けただれた尻尾があった
さっき火傷させた尻尾で間違いない
その焼けただれた部分の皮がむけ、綺麗な鱗が現れる
どうやら脱皮して元の尻尾に戻ったみたい
「ビーストテイル!」
輝くビーストテイルで尻尾を切り裂く
スパンと先が斬れたけど、ズルリとすぐに再生した
「ネネコちゃん来るわよ!」
今度はさらに強力な氷魔法を放ってきた
「あれはアイシクルフィールドね。山を一つ雪山に変えるくらいの威力があるわ」
猛吹雪が襲ってきてこの大部屋もすぐにカチコチに固まった
「リーリーありがとう、おかげで全然寒くないよ」
「な、なるべく早く倒してくれると嬉しいかな。結構きついかも」
結界が張られているうちに尻尾を斬る
斬って斬って斬って斬りまくって、バラバラのボロボロにしてやった
さらにその尻尾の残骸をサクラが燃やしてくれた
「ここまですればさすがに再生しないでしょ」
案の定尻尾先は再生されず、残りの尻尾がズルズルと逃げ出した
扉が現れてさらに先へ
扉を開いて奥へ向かうととうとう超巨大蛇の本体が出てきてしまった
山をも丸呑みにしそうなほどに大きく、全長はもはや測るのも難しそうだ
その蛇の頭は涎を垂らし、シュルルと息を吐き出している
その息には毒が混じっているようで、少しでも吸い込めば一瞬であの世に向かうことになる
「これは、ジャーラジュガロガ!? ヴァシュルア様の神獣じゃない!」
ジャーラの目は狂気を放って僕達を麻痺させた
「う、動けない」
「狂気の目、人を恐慌状態にして動きを、止める邪眼の一種・・・。だめ、全然、解けない」
「姫、あなたならビーストテイルの力で、なんとかなるはずです」
「わかった、やってみる」
僕は動かない体でビーストテイルに願う
お願いビーストテイル、僕に力を貸して!
それに答えるようにビーストテイルがまた光って動けるようになった
ビーストテイル、まだまだ色々力を解放できるみたいだね
「ネネコちゃん、殺さないで、ジャーラジュガロガは神獣、ヴァシュルア様の使徒なの」
「分かった。頑張るよ」
他の三人もビーストテイルの光で動けるようになった
そしてジャーラの方を見る
やつは余裕ぶっているのか僕らが動けるのを待っていたみたいだ
「行くよフェディ」
「ええ姫」
二人で剣を構える
「クロスレオウルフ!」
僕に向かって走ってくるフェディをビーストテイルに乗せ、思いっきり打ち上げた
そして僕は下から、フェディは上から斬りかかった
ザジュッという音が響いてジャーラの方を見ると、フェディが牙によって真っ二つになって落ちてきていた
「フェディ!!」
ドチャリと下に落ち、上半身と下半身が別々に転がる
「リーリー!!」
「すぐ治療するわ!」
フェディはゼェゼェと息が荒く、血反吐を吐いていた
傷口がドロドロに溶けている
毒が体を溶かしているんだ
「アンチドート! ゴッズキャロル!!」
リーリーができる最大級の回復魔法、別名神の祝福
これは一周間に一度しか使えないという、死んでいなければどんな傷でも治すという正に神の奇跡という名にふさわしい魔法だ
そのおかげでフェディは一命をとりとめたけど、意識を失っている
出血も酷かったため、顔に血の気がない
血までは戻らないため、早く治療院に連れて行かないと
それまでに何とかこいつを倒さなくちゃ
でもどうやって?
フェディは動けないし、リーリーは今の魔法でしばらく魔法が使えないらしい
サクラの魔法もこいつ相手じゃ効きが薄い
「何とかしなくちゃ」
僕はビーストテイルを握りしめ、仲間を守るために今までで一番の強敵に立ち向かった
噛みつこうと巨大な口を開けて僕を齧ろうと襲い掛かる
それを何とか回避して牙の一つを斬り飛ばした
「せりゃああ! 獣剣技、八環烈!」
一回転ごとに威力を増す剣技で八回回転し、牙を斬り、口をズタズタにしてやる
「シュアアアア!!」
悲鳴を上げるジャーラ
これならいける!
「獣剣技、鎖尾猫!」
柔軟にしなやかに動き、ジャーラの目を斬りつける
でも一瞬遅く、かすり傷だった
そして頭突きをされ、僕は地面にたたきつけられた
思ったよりも強く叩きつけられたみたいで、あばら骨がバキリと音を立てて砕ける感触がした
その砕けた骨が恐らく肺に刺さったようで呼吸がまともにできない
「ネネコちゃん!」
動けるようになったのかリーリーが回復してくれる
喉に溜まった血を吐き出し、立ち上がって剣を構える
「シュラアアア」
毒の息がこっちに届くけど、それはリーリーのおかげで無駄
その息をビーストテイルで吹き飛ばし、僕は駆けだしてジャーラの首元に斬りかかる
「獣剣技、猫射羅四!」
くねる剣技で蛇の攻撃を避けつつ喉を斬る
ギィイインと言う音がして手がしびれた
「硬!!」
ほんの少ししか傷がついていない
こいつ、どうやって倒せばいいんだ




