59 メスケモ、蛇迷宮へ2
レッドパイソンは素早い動きでまずフェディの方へ攻撃を仕掛けて来た
「アスイージス!」
フェディが盾で思いっきりレッドパイソンの顎を殴るけど、鱗が固すぎてそこまでのダメージはなかった
「結構硬いですね」
「ちょ、フェディ服が!!」
いつの間にか酸をかけられていたようで、フェディの胸にある大きな果実が露わになっている
「このくらいなんてことありません。もしかして姫、興奮しましたか!? どうぞもっと見てください! さあ遠慮せず!」
「違うよ! 早く閉まって! これほら!」
フェディの胸のサイズは僕とだいたい同じくらいだから、僕の装備でも使える
ただの鉄の鎧だけどフェディにつけさせる
その間僕がレッドパイソンの注意を引く
「こっちだよ!」
なるべく目につくようにして動いたけど、そんなことしなくてもこっちに狙いを絞ってくれてるみたいだ
「リーリー!」
「おっけー、シールド!」
酸をかけられたけどリーリーのおかげで一滴もかかってない
「姫! 着れました!」
フェディも合流して二人で相手をする
こいつの鱗は硬いけど、首元や腹部はある程度の剣なら切れそうだ
僕やフェディの剣でもね
「姫、合わせてください!」
「え? 連携なんてやったことないよ」
「大丈夫です行けます!」
フェディが右側面から走り、僕は左から走る
「行きますよ姫!」
「わ、分かった!」
「クロスバイト!!」
フェディの攻撃に合わせて見事に連携が決まると、レッドパイソンの首がボトリと地面に落ちた
ただ傷口から酸の血しぶきが上がったから、つくづくここは初見殺しだ
周りがシュワーという音を立てて地面が溶けている
「フェディ、すごいね今の」
「何を言っているのですか姫、これこそがビーストの真骨頂ですよ。脅威的な動体視力でこのようにとっさの判断ができるのです」
確かに、長年二人で戦って来たかのように体が動いた
お互い持つ剣の長さや重さも違うのにだ
「姫と私の相性が抜群というのもありますね。結婚しますか?」
「結婚はしないけど、そっか、確かに僕も相性はいいと思う。戦い方の相性ね。なんで期待した顔で頬を赤らめてるの? 結婚しないよ」
レッドパイソンを倒し、先に進めるようになった
いつの間にか扉が出現していたんだ
「奥に進めってことよね? いきなりこんな危険な魔物が出るってことは、次もヤバいのかもね」
扉を開くと一本道が続いている
匂いから危険そうな香りがしていた
「十中八九トラップまみれですね姫」
「うん、サクラ、僕の肩に乗って」
「はーい」
サクラがよじ登るのを手伝って注意しながら進む
案の定トラップがそこかしこにある
前みたいに斥候はいないから、自分達でトラップを解除しなきゃいけない
「そこです姫」
床を踏むと発動するトラップか
剣先で発動させると矢が飛んできた
ありきたりだけど、シンプルだからこそ引っかかることもある
しかも矢は毒矢だ
「そこにもある。というかそこかしこにありすぎるね」
「毒迷宮のトラップってことは、毒ガスの発生もあるかも。トラップはなるべく踏んだり発動しないように進もう」
最初に発動させて解除した僕が言えた義理じゃないけど、毒ガスじゃなくてよかった
他にも毒の槍が突き刺してくるようなトラップ、大量の毒虫が落ちて来るトラップなんかもあったけど、なんとかなった
毒虫はうじゃうじゃと蠢いていてかなり気持ち悪かった
そしてこの通路の最奥に到着
もうここまで来るだけで相当疲れたよ
また扉があって、そこを開くと今度は青いドラゴンのような蛇が鎌首をもたげてドデンと構えていた
「これはミズチね。東の国にいる魔物で、水を操る強力な魔物よ。ランクはさっきのと同じBランクね」
リーリーの説明の最中に突然雨が降り出した
天井のある建物の中でだ
「何この水」
「まずい、これ毒水よ!」
すぐにリーリーが結界で守ってくれるけど、何滴かかかってしまった
そこから発疹が広がってかゆみが襲ってくる
それも尋常じゃないほどの
「かゆ! なにこれすごくかゆい!!」
「すぐ解毒するわ。アンチドート」
リーリーのおかげでかゆみはすぐ消えたけど、結構厄介だ
「ミズチは触れただけでも毒が回るわ。気を付けてね」
「私がやるー。ボルトブレッド!」
バチバチと電撃の火花が散る弾丸を射出するサクラ
すご、こんな魔法まで使えるようになってるんだ
ミズチはバチバチと電撃に蝕まれている
水が得意な魔物なら電流に弱いはず
これなら倒せたかな?
「だめね、あんまりダメージ通ってないみたい」
体に水の膜を張って電流を受け流したのか
かなり頭がいい




