53 メスケモ、スネークマンの国へ2
アーカーに入ると結構な人がいて、当然スネークマンが多いんだけど、同じ爬虫類人種のリザードマンもいた
スネークマンとリザードマンはどちらも肉体的にビースト並みに優れていて、傭兵なんかも多い
特にリザードマンの傭兵はビーストより強い人も多いと聞く
この街にいるリザードマンは商人が多いみたいだけどね
それもそのはずで、この国とリザードマンの国が仲が良くて、お互いの行き来が結構ある
リザードマンの国はさらに東にあって、隣接しているらしい
ディグのおっさんのところのエトロトも昔はそこに住んでたんだけど、魔物に襲われて両親を殺され、そこをディグに助けられてからは彼について行っているらしい
まああの恋する乙女の目を見ればディグに惚れているのは明白だったけど、そんな経緯を聞いてディグも隅に置けないと思ったね
まあ当のディグはまったく理解していないみたいだけどね
街を見て回るついでに宿を探す
当然フェディが教えてくれた宿にしたよ
Sランク冒険者でもあるフェディはたくさんの国に行ってるからね、詳しいから助かる
「さて姫、魔道具屋へ行きましょうか。お勉強しましょうね」
「あ、はい」
フェディに引っ張られるように(この人僕より力があるのよ)連れていかれた魔道具屋
いかにもでいかにもなデザインのショップで素晴らしい
僕は興味津々で中に入ろうとしたらドアの上枠に思いっきり頭をぶつけた
「ぷぎゃ」
「だ、大丈夫ですか姫!」
「いたたた、あのフェディさんや、知らない人がいる前でその呼び方やめてね」
「は、はい申し訳ありません。ではネネコ様と」
「様いらない」
「では、ネネコさんと」
「フェディさんの方が年上なんだから呼び捨てでいいよ」
「ではネネコ、ここで少しお勉強していきましょうか。気に入ったものは買いましょう!」
どうやらフェディはマジックアイテムこと魔道具が好きらしい
かなりの魔道具を持っていることからまあそうなんだろうなとは思ってたけどね
持ってる剣と盾も魔道具なのかな?
「さてネネコ、魔道具と言うのは大まかに二つに分けられます。一つは近代から現代に作られたもの。もう一つは、古代に作られたアーティファクトです」
「アーティファクト?って何?」
「古代に作られた現代の技術では再現が難しい魔道具のことですね。私の盾と剣もそうです」
フェディが盾を僕に見せてくれる
「これはイージスの盾と呼ばれるもので、小盾に見えますが、攻撃されるとオートでガードしてくれる性能があります」
そう言えば戦ってるときこの盾が勝手に守ってるのを見たことがあるけど、あれはそう言うことだったのか
僕は盾を触ってみる。だけどどっからどう見てもただの盾だ
「大体のアーティファクトは持ち主以外が火れても何も起こりません。魔道具に認められる必要があるのです」
「オーナー登録みたいなものかな? 僕もいずれ欲しいなぁ」
「いやネネコはもう持っているではないですか。ビーストテイルが泣きますよ」
「あそっか、これそうなんだ」
僕の大剣は持ち主と認めると真の力を発揮してくれるらしい
でも今のところ霊を斬れる聖なる武器くらいの性能しかない
そのくらいなら街でも普通に売ってるからね
「ではこちらへ」
フェディが見せたのは指輪やネックレスと言った類のもの
うっすらと魔力が流れてる気がする
「これは魔法が使えるようになる魔道具でして、魔力がない人でも扱えるというのが特徴です。まあ何回か使えば壊れるんですけどね」
「ふむふむ」
僕は一応魔力がある
魔法も使おうと思えば使えるんだけど、ビーストの性なのか剣や格闘で戦う方が好きなんだよね
僕だって習えばいけるはず
あ、魔法剣士なんてのもいいかも
「ではこちらを」
「これは、ポーション?」
「そうです! こちらは回復用、こちらの青いのが解毒用ですね。真っ白なのは上級の回復薬です」
「ポーションも魔道具だったんだ」
「それからこちら、これは武具です。普通の剣などに魔法を付与して作り出したものですね。ドワーフやエルフなら作成時に魔法の付与を同時に行うこともできます。まあ武具ならば武具屋の方が種類は多いですけどね」
「ほほー、いいなぁ魔法の武器」
「だからネネコはもう持っているでしょうに」
「あーうん、でもまだ認めてくれてないから」
「ところで何か欲しい者はありましたか? 国の復興記念とネネコの姫様記念として何か買ってあげます」
「姫様記念てなによ」
「そこは気にしないで下さい。ささ、何か選んでくださいね」
そう言われると迷う
あの直剣もきれいでいいし、魔法を簡単に使える指輪もいいなぁ
お、魔法の指輪はセット売りまである
キョロキョロとしているとひときわ目を引くものがあった
ただそれは目立たないよう置かれているように見える
値段も銀貨二枚と破格な気がする
「これは・・・」
僕はその魔道具、ぬいぐるみをひょいと持ち上げてよくよく見てみた
熊のぬいぐるみなんだけど、魔力を帯びてるからただのぬいぐるみじゃない
「フェディ、これって」
「うーん、私にはよくわかりません。店主に聞いてみましょう。すみませーん店主さん。このぬいぐるみはどのような魔道具なのですか?」
店主はスネークマンのおじいさんで、プルプルと小刻みに震えながら答えてくれた
「それは・・・・・・・・・・・・・・・。なんじゃったかのぉ」
「ちょっと外で発動させて来てみてもいいでしょうか? あ、大丈夫です、ギルド証を預けておきますので盗むなんてことはしません」
「はいはい、いいですよ」
おじいさんに許可をもらってぬいぐるみと共に外に出る
人のいない開けた場所でそのぬいぐるみに魔力を通してみた
するとぬいぐるみは動き出して、まるで意思があるかのように動き回り始め、僕の体をよじ登って肩に乗ってしまった
「可愛い・・・。フェディ、これにするよ」
「え、でもこれは女の子用の」
「僕女の子ですが」
「あ、そう、でしたね。お強いので失念しておりました」
自動で動くぬいぐるみなんてサクラが喜びそうだ
べ、別に僕が欲しいからじゃないからね
店に戻って店主にお金を払い、ぬいぐるみを購入した
その時はまさかこのぬいぐるみが一波乱を巻き起こすなんて思いもよらなかったよ




