51 メスケモ新たな旅へ2
プラウディア王国が復活するにあたり、それを歓迎する者はいたが、よく思わない者達もいた
「あの王国が、再び動き出しただと? 王族は皆殺されたのではなかったのか?」
「神の寵愛を受けて調子に乗ってたんでしょー? 未だにビーストがはびこってんのも気に喰わないけどさー、国が元に戻ったってことは要を再び得たってことでしょー? 気に喰わなーい」
「だったらガブリエーラ、お前が行くか? ビーストの王族ってのは特に神に愛された神獣種だぜ」
「むー、それ僕が勝てないの分かって行ってるでしょー。僕の力じゃ触れることすら叶わなさそうだし」
「触れればある意味最強なのにな」
廃墟となった城の会議室、そこに七つの席があり、人影が座っている
議題はプラウディア王国の復活について
「そういえばルフルはどうした?」
「見に行った、プラウディア」
「じゃあもうぶっ壊しに行ったってか?」
「いや、偵察だろうさ。ついでに王女ってのがどんなもんか見るとか言ってたな」
「王女ってあの? Sランクのあの王天獣を従えてるって聞いたが」
「ああフェディ・ハートレッドだろ? 俺たちでも一人で相手するには骨が折れる、というか勝てねぇ」
「今はまだ、ね。あの教団も役に立ってくれたよ。実験もおおむね成功してるし」
少年の姿をした者が宝玉を一つ取り出す
「それか、魔合の宝珠」
「これさえあれば、今度こそ確実にビーストどもを滅ぼせる」
彼らは会議を終え、それぞれの任務に再びつくため会議室から消えた
街についてから一日が経った
ここはなんだかゆったりとした時間が流れている
ヴァラガは王都に近づくにつれて気温が上がり、砂漠地帯が増えて行く
王とはその広大な砂漠のオアシスにあり、さらにその王都の奥にある金鉱山はこの国を支えている
王都ではそこに育つ特別な果物があるらしい
僕はそれを楽しみに今の旅を行っている気がする
「楽しみだなぁ、どんな味がするんだろう」
「姫、砂漠でも育つ果物でしてね。甘酸っぱくて果汁もたっぷりで病みつきになりそうな味です。私がたくさん買い込みますのでどうぞご堪能ください」
「はは、ほどほどにね」
この街ではその果物は買えないらしい
日持ちがしないから、王都以外での普及が難しいみたいだ
僕のこの袋なら内部で時間が止まるから、買いこんでも問題ないと思う
「それでは次の街を目指しましょうか。王都に向かうには次は副都アーカーを目指すことになります。その間にはコラール砂漠があるのですが、途中に村や町がないため野営しなければなりません。砂漠は昼間熱く、夜は寒くなり寒暖差が激しいのです。寒さはまあ、私達は大丈夫でしょうが、お二人は風を引かないようにしなければですね」
ああやっぱ砂漠ってそんな感じなのか
やだなぁ熱いの
「ねえフェディ、熱いのって苦手?」
「ええ、というか得意なビーストはあまりいないでしょうね。砂漠猫種などの砂漠にもともと住んでいたビーストならそこまで熱がりではないようですが」
「まあ毛皮を持つ僕らはどうしてもそうなっちゃうよね」
「姫、こちらはお持ちではないのでしょうか?」
「これって?」
フェディが取り出したのはマジックアイテムのようだ
「これは熱さを防ぎ、冷たい風を体にまとわせてくれるマジックアイテムですね。一応人数分買っておいたのでどうぞ」
さすがフェディ、用意がいい
僕はそのアイテムを貸してもらって意気揚々と砂漠地帯へと乗り込んだ
ドーラーはまだ周りに木々があり、草原地帯に近いけど、アーカーに近づくにつれて砂漠になっていく
そして
「あっつい!」
僕はすぐにこの暑さに嫌気がさしてフェディに借りたマジックアイテムを使用した
「あ、これ本当に涼しい」
ああ、あの迷宮でもこれがあればなぁ
すんだことは悔やんでも仕方ない
今はここで倒れなくてよかったと喜んで進むべき
「ネネコー、これ見て―」
サクラが呼びかけるので見てみると、彼女は手から涼しげな風を吹かせていた
「え!? 風魔法じゃない!」
驚くリーリー、でも教えたのあなたですよね?
「何で驚いてるの?」
「私未だ基礎の生活魔法しか教えてない。この子感覚で魔法を使ってる」
「それってすごいの?」
「すごいどころじゃないわ。天才よ天才。この子、まるで生まれながらに魔力を操れるかのよう」
サクラはもしかして、それもあって実験体にされたんじゃ?
魔物を合体させて操り、他宗教を排斥しようとしていたんだろうけど、それならあの教祖が作ってた信徒の集合体だけでも十分そうだ
・・・何か引っかかることがあるんだよねぇ




