48 メスケモ故郷へ3
さすがに入ってすぐには危険な魔物は出ない
まあ普通の魔物は出るんだけど、当然奥に行くほど強くなる
その最奥に僕の故郷の集落がある
で、薄々気づいていたことなんだけど、僕の集落その危険地帯の真っただ中だ
つまり狩っていた魔物たちは、全部Aランク越えの危険な魔物だったってことだ
じゃあそれを楽々狩ってた父さんたちって一体
そんな疑問も帰れば分かるはず
「姫様、本当にここなのですか? ここは私達Sランクでもかなり苦戦しそうなところなのですが」
「うん、こっち。いやこっちだったかな?」
「ネネコちゃん道覚えてるの?」
「大丈夫! 記憶力には自信があるんだ! ほらこっち・・・。違ったこっちかな? あの木は見覚えがあるからこっちか」
三人とも心配そうな顔をしている
やだなぁ冗談なのに
一応ちゃんと集落の場所は分かっている
なにせ集落の匂いはちゃんと今でもありありと思い出せる
懐かしいというほどでもないけど、数ヵ月ぶりだ。早く父さんと母さんに会いたい
それに集落には幼馴染みや僕より年上の仲がいい友人もいる
会うのが楽しみだ
森の中を歩いてたまに出る魔物を剣で倒す
そんなに強くないけど凶暴なのが多いな
まぁ集落付近に出るのに比べたら全然だけど
あいつらいっつも殺気立ってたからなあ
「そろそろ休みませんか姫様」
「だめだよ、今日中につかないと夜はここでは越せない。ルガが出たらみんな食べられちゃうからね」
「あー、ええ、そうですね姫様」
リーリーとサクラが大変そうなので僕がサクラを背負って、リーリーをフェディさんが背負う
二人共ビーストだからこの程度どうってことない
速度を上げて一気に駆け抜けていく
出て来る魔物も蹴り飛ばして、とにかく素早く抜けて行った
「姫様! 何だか大きな魔物の気配がしますが」
「ああ、多分猪だよ。この辺りからもう出始めるからね」
「それって・・・」
僕の言葉の通り、猪が飛び出してきた
「これは! カリュドーンの猪!? Sランクの魔物じゃないですか!」
「ああ、こいつ実は意外と簡単に倒せるんだ。向かってくるのを避けて、よっと・・・、そしたら横ががら空きだから脇腹をこうして!」
僕は隙だらけの脇腹を思いっきり蹴った
腹部に穴が開き、カリュドーンの猪はドチャリと倒れて死んだ
「ふぅ、お土産に持って帰るかな」
僕は猪を袋にしまってフェディさんと一緒にまた走り始めた
「あの、姫様、あの猪固くなかったですか?」
「ああそう言えば小さい頃は硬くてなかなか倒せなかったけど、狩りに同行して慣れてきたらそんなに固くなくなったよ」
「姫様、カリュドーンの猪は鉄より硬い毛皮を持っているのです。普通は蹴りで大穴など空きません」
「そうなの・・・」
集落ではほとんどの住人が狩れるんだけど、世間はそうじゃないのか
いやね、薄々変だなぁとは思ってたんだけど、でも周りがあまりにも簡単に狩ってるから普通だと思ってた
カリュドーンの猪はちょくちょく出て来てたけど、最初みたいに襲ってくるのは少ない
そもそも縄張りにさえ入らなければ襲われることはないからね
まあどのあたりが縄張りなのかは木にある傷をよく見ておかないとよくわからない
この速度で走ってると見逃しちゃうんだよね
戦ってもそんなに危険じゃないから、あいや、普通は危険なのか
ともかく倒せるんだから気にしてる余裕はない
急がないと日が暮れてルガが出るだから
見たことは一度もない
なにせあまりにも危ないからね
「お、あの木は」
見慣れた木が見えて来た
幼馴染と一緒にこの木の下で遊んだっけ
どうしてるだろうあの子?
数ヵ月ぶりなだけだけど、あの子に会うのも楽しみだ
見覚えのある木を過ぎてしばらく走って、そしてようやく集落についた
「おお懐かしい僕の故郷!」
「そんな時間たってないんでしょ?」
「むー、いいじゃない久しぶりなんだから」
集落に一歩入ると何かが走ってきて僕に飛びついた
「ネネコぉおおおお!!! うぉおおおおおおおお!!」
「父さん!」
飛びついたのは狼種でこの集落最強の男、僕の父さんのウォルだった
それに続くかのように二人目が僕に抱き着いた
猫種で僕の大好きな人、母さんのミアだ
「ああネネコ、こんなに大きくなって」
「あんまり変わってないけど」
でも本当に、これが幸せってやつだよね
「おーいネネコ! 久しぶりだな!」
そう言って走って来たのは幼馴染のギアだった
ハスキーの犬種の男の子で、一番仲が良かった親友だ
「ギア!」
僕も彼を抱きしめて再会を喜んだ
「ネネコ、泊まるだろ? お連れの方も一緒に」
「うん、家に着いたら紹介するね」
そして僕の家へと仲間たちを招いた




