47 メスケモ故郷へ2
コーラルで一晩過ごして翌朝出発した
ここからは歩いてまず村に向かう
最初に人間に出会えた村だ
あの時は馬車でここまで来たけど、今回は村までは徒歩
馬車が壊れて出せないからだ
まあそこまで時間はかからないと思う
馬車でも半日くらいだったしね
「ねぇネネコちゃん、あなたの故郷ってどんな感じなの?」
「えっと、結構原始的な生活してたって言うか、基本狩りで獲物を取って食べて、畑も一応あったよ。それから森にはたくさんの木のみがあったから、それを取ってきて食べたりとかかな? よく狩ってたのは猪魔物で、他には兎やおっきな蛇なんかもいたよ。焼いて食べたら美味しかったなぁ」
何故か三人ともちょっと顔が引きつってる気がするけど気にせず歩き始めた
あの村には辺境の村としか言われていなくて、名前はない
近くにある森が危険地帯だからあまり人が来ず、名前が無くても問題ないんだとか
ちなみに村が危険地帯に面していて滅んでいないのは、森からは魔物が出てこないから
森の奥の方に行かないと危険な魔物もいなくて村は安全ってわけ
「村に着いたら泊まって、次の日の早朝に出るよ。昼までに家に着かないと、日が暮れるとルガが出るから」
「ルガ? そんな魔物聞いたことないんだけど」
「あーえっと、ライオンと亀が引っ付いて狼の顔で足が十二本あって、尻尾には猛毒があって。まあ僕も見たことないんだけど、父さんも母さんもそれはそれは恐ろしい魔物だって言ってた。僕より強い父さんが勝てないんだから相当ヤバイ奴だと思う」
また三人ともひきつった顔で黙ってしまった
まあ明日の夜までには集落にもつくと思う
ルガが出るのは集落周辺だから、そこまでは怖い魔物も出ないから大丈夫かな
半日ほど歩いてようやく村に到着
リーリーは普段歩き慣れていないせいかゼーゼーとばててきている
僕は彼女を背負ってスタコラ歩く
他二人は元気だ
サクラなんてまだ小さいのにしっかりと付いてきている
僕が一度背負おうとしたけど、首を横に振って歩くと言った
頑張り屋さんだ
「さて、宿がないから村長さんの所へ行かないと。この人数泊めてもらえるかな?」
僕はすぐに村長さんの所へ向かったけど、なんだか村人たちがものすごく拝んでる気がする
一番大きな家が村長の家なんだけど、そこに向かうまでずっと村人たちが拝んでいた
皆僕を見る目が羨望のような?
村長の家でその理由が分かった
「おおお、あの時の白猫様! また来てくださるとは、さぁさぁこちらへ」
「あの、仲間と一緒にまた泊めさせてもらいたいんですけど」
「もちろんですとも! 神獣様に泊まっていただけるなど幸福の極みにございます」
「あ、それ、なんで知って」
「伝承です。神獣様、かの有名な。あの伝承にはこの村にだけ伝わる続きがあるのです。神獣様は狭間の森より来たると」
狭間の森はこの辺りの森の名称のことだ
ヒトの世界と魔の世界の狭間にあるからだとか
魔の世界がよくわからないけど、そこに近いせいで危険な魔物が多いらしい
危険な魔物? いたっけ?
ともかく村長は僕達を快く止めてくれた
この村では神獣信仰があるみたいで、神獣の力を持っている僕はまさしくその信仰対象ってわけだ
ちなみに神獣信仰も普通にある。ニャード教から派生した宗教らしい
大歓迎の宴会があり、夜はゆっくりと休んだ
翌朝
早朝に準備を済ませて出立した
「ああ神獣様、いつでもいらしてください」
「うんありがとう村長さん。これを」
僕は抜け毛でコツコツ作っていたフェルト式のぬいぐるみを渡した
小さくてデフォルメされた僕を模したものだ
猫種の毛って柔らかいからフェルト生地に向いてたりするんだよね
前世でもたまに作ってた
村長さんは泣くほど喜んでそれを像として飾ることにすると言ってくれた
ちょっと恥ずかしいけど悪い気はしないな
そして、僕らは危険と言われる狭間の森へと向かった




