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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
1章

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46/94

46 メスケモ故郷へ1

 彼女は真剣な顔でこちらを見、そして恭しく僕に一礼して膝ま付いた

「王女様。間違いない。あなたは・・・」

 そう言ってボロボロと涙を流して僕を抱きしめるフェディさん

「はい?え? 何を言って」

 突然王女と呼ばれて困惑し、周りも口を開けて驚き混乱している

 フェディさんはそのまま僕の顔を見て頬を触る

「この整った猫種の顔、背丈、輝く白い毛並み。そして何よりの証拠、神剣ビーストテイルに認められているではないですか!」

 ビーストテイルを知っている?

 僕の持つ大剣にはビーストテイルという名前がついている

 父さんがそう言っていた

 でも神剣って話は聞いていない

 剣に認められると力が解放されて本来の姿を取り戻すって聞いていたけど、特にそんな様子もないし

 そう言えば初めてのダンジョンで霊のような靄を斬れたことがあった

 あれはこの剣が神剣だったから?

 しばらく忘れていたけど、やっぱりこの剣ってただの剣じゃないのか

「それで、この剣が認めるってどういうことです?」

「その剣は今は滅亡したプラウディア王国の王家に代々伝わっていた、ニャードリーア様より下賜された神剣です。王家の血が濃い者にしか扱えない代物です」

「これが?」

「そうです王女様。あなたは、我らがビーストの王、プラウディア王女殿下でございます」

 正直頭がついて行かない

 ひとまずはギルドに戻って報告、そして戻らなくちゃ

 僕のルーツを知るために、故郷へ


 思い立ったが吉日と、翌朝すぐに僕は用意を整えて出立することにした

 教会、ギルド、その他もろもろ様々な人たちから報酬の話だのなんだの出ていたけど、それもあと回し

 クラウベルさんが会いたがっていたらしいけど、一旦故郷に帰って話を聞かないとそわそわする

 父さんと母さんは僕に何かを隠している節があった

 きっと、僕達、あの集落に住むビーストたちの全てを知っているはず

 取りあえずギルドでランクアップしてもらい、Cランクになった

「もう行くのか? あたしらもまだ全然お礼できてないってのに」

「また戻ってきますよ、そのうちに」

「あとなんでお前も行くんだよ」

「それは、私が王の盾の末裔だからです」

 どうやらフェディさんは僕達王族を代々守って来た騎士の家系だったらしい

 いずれ国の復興のために王族を探すしだす。それが彼女の家系に課せられた使命だとか

 かつて滅んだビーストたちの国プラウディア

 この国から遥か西、英雄の頂と呼ばれる山脈地帯を超えた先にあった国

 どうして滅んだのか詳しいことは伝わっていないけれど、確かにそこにあった

 王族は全て殺害され、一部の民が生き延びて現在の放浪するビーストたちの祖先になったと伝わっている

 そう、王族は殺害されたと記されているんだ

 だからこそ僕が王女と呼ばれるのはおかしいと思う

 それも確かめるための帰郷だね

 そして日も少し高くなってきた昼前に僕らは馬車に乗り込んで帰郷への旅路についた


 馬車の中ではリーリーが右隣りで僕を吸い、左隣にはサクラ、そして正面にはフェディさんが座った

「あの、王女様、いつもこのような・・・」

「へあ? あ、うんそうだよ。この二人僕のことをすごく好きでいてくれるみたいでね」

「いやその王女様がいいのであれば別にいいのですが、その、私も吸いたいというかその」

「いいよ別に減るもんじゃないし」

 そのとたんフェディさんも吸い付いてきた

 この人ビーストでありながらケモナーか

 ふふ、僕と一緒だ

 だから僕もフェディさんを吸っておく

 これは、ケモの無限サイクルができるかもしれない

 ちなみにこの馬車、最初に来た街コーラルまでの直通

 コーラルからは歩いて故郷入りだね

 馬車の旅も気楽でいいんだけど、歩いて出の旅もいいよね

 お風呂に入れないのがちょっと難点と言えば難点だけど

 まあ川はあるからそこで水浴びくらいはできるか

 コーラルまではこの馬車で三日くらいかな?

 最初の道のりだと一週間はかかるけど、直通の馬車だから、三日

 その間のんびりと馬車に揺られる

 のんびりと? 他三人にずっと吸い付かれてるのはこれ僕のんびりできてるのかな?

 いやってわけじゃないけどちょっとの間離れて欲しいかな

 まあいいか


 道中魔物や盗賊にもちゃんと襲われたけど、特に大した相手でもないから問題なく片付けて馬車は無事コーラルに到着した

 少しだけ滞在して、ここのギルドのメメリィさんとゾックさんに顔を見せておくかな

 王都のギルド受付嬢エルリィさんのお姉さんであるメメリィさん

 性格はほとんど一緒だし、見た目は髪型以外同じ

 まあメメリィさんの方が少し子供っぽいところがあるかな

 僕はさっそくギルドに行ってメメリィさんの受付に立った

「あらぁネネコちゃんだ久しぶりぃ」

 相変わらずのメメリィさん

 僕は今までの報告、そして仲間ができたことなどを言うと、彼女は自分のことのように喜んでくれた

 ゾックさんも加わり話に花が咲き、その日はゆっくりと日が暮れて行った

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