38 メスケモ、教団と戦う12
決行日
アビィーさんが連れて来た冒険者の精鋭たちとの顔合わせ
一人目はラギ・オルン・フェという小人族の男性
身長は1メートルくらいで、土魔法の使い手らしい
主にダンジョンの探索を任されるみたいだ
二人目はアスリアル・エテンバラという人間族のおばあさん
光魔法のエキスパートらしく、ダンジョンに出て来る闇属性の魔物の対処のための人員だ
三人目と四人目と五人目はパーティで、何と僕のよく知る三人だった
ディグ・オーソロー、人間族の男性
前と違って二刀流の斧使いになっていた
アンクルス・ドロト、ドワーフに珍しいやせ型の男性
ラギさんと協力して斥候の役割を担うらしい
エトロト、リザードマンの女性で、凄腕の槍使いだ
どうやらディグに恋しているらしい
六人目はメ・メ・メ、この辺りでは珍しいホブゴブリンという知性あるゴブリンの女性
森とかで見るゴブリンと違って肌の色が緑色、見た目はエルフに似ていて美人だ
皆Cランク以上で、Aランクもいる実力者たちだ
「姉御! 久しぶりでさぁ!」
「あのねディグ、僕はあなたより年下なんだって何回も言ったよね?」
「そ、そうでしたね。いやぁつい」
ついじゃないよついじゃ。でも知ってる顔がいるのは心強い
彼らの実力もよく知ってるし、それに前よりも明らかに強くなってるから頼もしい
「よーっしお前ら! 気合入れて行くぞ!」
アビィーさんの一声で士気は上がり、ダンジョンへと向かった
ローローレン大火山
標高5000メートルの活火山で、周辺にもいくつかそれに連なる火山群がある
元々は火エルフという火山に住むエルフたちの住処だったけど、数百年前の火山の噴火でその住処を追われたらしい
その時彼らが住んでいた場所がダンジョンに変わったんだとか
しかももともと強力な魔物がいる場所
ダンジョンにはCランクの魔物が跋扈し、Bランクもいるのだとか
ダンジョン入り口はその大きな口を広げて得物を待ち受けているかのよう
ただ、この危険なダンジョンはその分恩恵も大きいらしく、中で見つかるアイテムには火エルフが残したものや、希少な鉱物が見つかるという
火エルフの残したアイテムは武器や防具があり、どれも強力
まあ危険でしょっちゅう人が死ぬからよっぽどの実力者じゃないと挑戦しないんだけどね
斥候の二人がまず中に入る
いきなりトラップとかある可能性もあるからね
ダンジョンてのはそう言うものらしい
内部構造がしょっちゅう変わる。そう作られているのがダンジョンだ
「こっちは大丈夫だ。入ってきていいぞ!」
アンクルスの声が聞こえた
みんなでダンジョンへの一歩を踏み出してヴァシュルア教団を討つため気合を入れた
ちなみにさすがに僕達だけでヴァシュルア教団全員を相手にはできないので、一応後続も来ることになっている
それがこの国の最高峰、Sランク、二つ名を王天獣のフェディ・ハートレッド
なんとビーストのSランク冒険者の女性らしい
是非とも一度会ってみたい
入り口から暫く入って行くと道が二つに分かれていた
「おーいラギ、どっちだ?」
「ふむ、右だな。床の土にわずかに痕跡がある」
ラギさんは土魔法でその痕跡を辿るみたいで、その制度も王都の冒険者の中でも群を抜いているらしい
彼とアンクルスのおかげで順調に進めそうだ
「ちょっと待った。前方から何か来るぞ」
アンクルスが何かが来るのを察知して全員に呼びかける
恐らくダンジョンの魔物だろう
確かに何か匂いが近づいてきているし、足音も聞こえる
四足歩行の獣の足音だ
「来た!」
走って来たのは毛皮が燃えている狼のような魔物
口からも火が出ていて明らかにヤバそう
「俺に任せてくれ!」
ディグが僕らの前に立ち、その魔物を二刀の斧で押しとめる
「ふん! 二刃回転!」
ディグがグルリと回転し、斧が魔物を斬り裂いた
「ディグすごい!」
「ふっはっは! 俺も修行しましたからね!」
確かにディグもかなり強くなっている
「またくるぞ!」
今度は数匹が襲い掛かって来た
でも慌てず、僕とディグ、エトロトで奴らの突進を止め、そこをアスリアルさんとメメメさん(区切ると呼びにくいからそう呼んでる)の魔法が炸裂した
ちなみにこの二人がAランクである
そんな感じで順調そのものだった
でもそんな時こそ警戒してしかるべきだよね
父さんにもそう言われて育って来たしね




