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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
1章

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38/100

37 メスケモ、教団と戦う11

 サクラを引き取ってからなんだけど、リーリーとサクラ二人に吸い付かれて少し動きにくい

 どうやらサクラもケモ好きらしく、僕以外にも街で見かけるビーストに吸い付こうとするから困ったもんだ

 他の猫さんや犬さんに突然抱き着いちゃだめだよって教えたらちゃんと言うことを聞いてくれるから、そこは素直でとってもかわいい

「そう言えばリーリー、この子の魔力ってどうなの?」

「ええ、確かに魔力量はとんでもないんだけど、暴走もしていないし、この歳でこれだけ制御できてるなんて奇跡に近いわね。恐らくあの魔物と融合させられていたのがプラスに働いたのかも」

「ムモゥとの融合が・・・」

「魔物との融合なんて聞いたことないけれど、御伽噺に似たようなものがあるわ」

 その御伽噺とはスライムと王女様という話らしい


 昔々あるところに、それはそれは美しい王女様がいました

 王女様はその美しさゆえにたくさんの男性に求婚されていました

 その中には悪い魔法使いもいました

 その魔法使いは求婚を断られた腹いせに、王女様とひ弱なスライムを引っ付けてしまったのです

 スライムになってしまった王女様は魔物と間違われ、城から追われ、国から追われ、とある心優しい男性の元へたどり着いたのです

 その男性は魔物の言葉が分かり、スライム王女様の言葉も理解できました

 男性は必死に彼女を元に戻すすべを探し、そしてついに悪い魔法使いを見つけ出し、その悪い魔法使いを倒したのです

 しかし魔法使いは王女様を元に戻すすべを知りませんでした

 男性は悲しみ、王女様を抱きしめ、その涙が彼女の体に零れ落ちます

 その時です。スライム王女様が光りました

 光から美しい王女様が現れ、男性を抱きしめ返しました

 それから王女様と男性は国に帰り、自らを救ってくれた彼と、末永く幸せに暮らしましたとさ


 リーリーが話してくれたのは大まかにこんな内容だった

 確かに魔物と引っ付いた話で、後に分離されている

 ただそれは御伽噺の話で、実際に会った話じゃない

「ねえリーリー、やっぱり御伽噺じゃ手掛かりには」

「ちっちっちっ、それがねネネコちゃん。この話、今は御伽噺ってことにされているけど、遠い遠い西の方の小国、アドミス王国の話なの。あまり知られていないけどね。アドミスの歴史書にも記されていて、多少脚色はあるものの本当の話と言われているわ」

 アドミス王国、聞いたことないな

 まあ僕この国の周辺国すら全然知らないんだけどね!

 勉強、しなきゃなぁとは思っております

「アドミスはここからだと、そうね、半年はかかるかしら」

「は、半年・・・。今はまだ、無理だ」

「そうね。ギルドからの報告を待たないとだしね」

 サクラ以外にも、あの場所で何が行われていたかとか、ヴァシュルア教団の居場所なんかの手掛かりもあるかもしれないしね

 それにしても時間がかかってるみたいだ

 操作が難航しているのかも

 そう思っていると、ギルドからお呼びがかかった


 ギルドに着くとアビィーさんがすでに顔を出していて、こっちに手を振っていた

「お、来たな猫っ娘。すごいことが分かったぞ」

「すごいこと?」

「ああ、あそこで何が行われていたと思う?」

「魔物と人間の合成の研究ですか?」

「ああそうか、まあだいたいわかるよな」

 サクラがムモゥと合体させられていたのがいい症例だ

 それにあそこにあった描きこまれた絵や文字で大体の予想はついていた

 戦いのあとに僕も少しだけどその資料を見ていたから・・・

「成功例はサクラ一人、のようだ」

「失敗例・・・。その実験に使われた子供は?」

「魔物の方が前面に出すぎて処分されたか、失敗して死んだ。まったく、ヴァシュルア教団は、あいつらだけは許せない」

 もしトールくんがあそこまで連れていかれていて、僕達も気づけなかったら、彼もサクラみたいになっていたか、それとも・・・

 そう考えると増々奴らを野放しにできなくなった

「それで、ヴァシュルア教団の現地点は分かりましたか?」

「ああ、そこに本当にあるかは分からんが、手掛かりは掴んだ。場所はローローレンの大火山。その麓のダンジョンだ」

「すぐ行きましょう!」

「まあ待て、あそこは少人数じゃ攻略すら難しいダンジョンだ。あたいが編成する部隊に加わってくれ」

「分かりました。できるだけ早くお願いします」

「ああもちろんだ」

 出発は明日

 部隊はそれまでに編成してくれるらしい

「というわけで今日は帰って英気を養ってくれ」

「はい!」

 明日はサクラはギルドに置いて行かなければならない

 幸いここには常に人がいるし、泊まるところも完備されている

 安心して任せれる

 こうして僕はリーリーと宿に戻り、明日に備えることにした

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