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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
1章

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36/94

35 メスケモ、教団と戦う9

 あれは間違いない

 やっぱりネネコちゃんはあの伝承の・・・

 私はとある教団の聖女として活動している

 隠された四番目の聖女だ

 誰も私が聖女だということを知らない

 それは私が所属している教団の他の聖女ですらだ

 知っているのは教皇様のみ

 私の授かった加護は未来の加護

 とても戦闘向きではなく、少し先の未来が見える程度

 これは一緒に旅をしているネネコちゃんにも言っていない

 そして私の旅の目的

 それは・・・


 ギルドまで戻って報告

 エルフの少女の素性なども含めての調査が入ることになった

 まあギルマスが一緒についてきたんだから報告類は全部やってくれるんだけどね

 で、未だ目覚めないエルフの少女

 名前も分からないし、そもそも捜索願なんかが出ていない

 一体どこから攫われた子なんだろう?

 それとこの子についてもう一つ気になることがあった

 それはただでさえ魔力量がとてつもないエルフなのに、通常のエルフの数十倍もの魔力をゆうしている

 トール君の魔力もすごかったらしいけど、それは人間にしてはだ

 このエルフの少女の力はエルフの聖女ハリルララハさんに匹敵するほど

 恐らくそれで狙われたのだろうという推測がされた

「まあこっちはあたいたちに任せてゆっくり休んでくれ。報酬も用意してあるから受け取って帰れよ」

「はい、ありがとうございましたアビィーさん」

 ここからはギルドがいろいろと調査してくれるはず

 任せておけば大丈夫だね

「リーリー、お腹が空いたからどこかで何か食べようか」

「え、ええ」

 どうしたんだろう? いつもなら笑顔で飛びついてお腹を吸いに来るはずなのに、どこか心ここにあらずって感じだ

「リーリー大丈夫?」

「だ、大丈夫よ! じゃあ、吸うわね」

 やっぱりおかしい

 いつもなら何も聞かずに飛びついてくる

「リーリーやっぱり」

「いいえ、何でもないわ!さあ行きましょう」

 僕は彼女が何に悩んでいるのか不安に思いつつも、今は何も聞かないでおいた

 ご飯は帰り道にある定食屋に入り軽く済ませる

 王都と海が近いからか、魚料理がおいしい店だった

 ご飯を食べてもリーリーの少し険しい表情は変わらなかい

 あのエルフの子を救出してからずっとおかしいんだ

 リーリーはあの子のことを何か知っているんだろうか?

 でもそうだとしたら、子供が不幸になることをよしとしない彼女が情報を渡さないのはおかしい

 うーん、リーリーが話してくれないなら僕も詮索すべきじゃないのかも

 ここは一旦心にしまって、その内話してくれるのを待つとしよう


 世界が黒く染まるというのなら、それを排斥するのが我らが務め

 ええ、そうです。それで間違いがないのです

 我が最愛の妹たちに手を出した輩は殲滅すればいいのです

「ああ、愛おしい妹たち。あなた達が永久に平穏で幸せであるよう姉は努めましょう」

 わたくしの傍らには双子の姉妹

 黒の蝶と呼ばれる黒鬼クロハ、白雪の花と呼ばれる白鬼ハクラ

 わたくしの、宝物

 虹の宝玉と呼ばれるわたくし、アマノとこの子達双子を合わせ、鬼人の宝と呼ばれていたけれど、わたくしが聖女としての加護を賜ってからは、この子たちは双玉と呼ばれているらしい

 スヤスヤと眠り可愛い寝顔を見せてくれるわたくしの大事な宝物

 この子達を守れるのならば、どんなことでも致しましょう

 わたくしは鬼人の姫にして聖女アマノ・キビツ

 我らは大英雄キビツヒコとウラの娘の子孫

 鬼人の国を束ねるキビツの姫、それがわたくしなのだから

「ん、姉様ぁ?」

「どうしたのです姉様?」

「あら、目が覚めたのですね。気にしなくていいのですよ。ゆっくりお休みなさい」

「うん分かったぁ」

「ハクラ、寝つきいいね、姉様スー」

「フフ、ああかわいい。いつまでもいつまでも、この幸せが続けばいいのに」

 そうも言ってられないこともあるのです

 わたくしは後ろにいる黒い気配を切り裂いた

 妹たちに手を出すのなら、それは滅ぼすべきモノ

 この世界には、この子達を害するものが多すぎる

 まだ蠢く黒いモノを斬りつけ斬りつけ斬りつけ、そこには何も残らない

 不可視、その加護は見えないというもの

 しかしその本質は隠すことにある

 何からも、この世からも、存在証明すらも、ただ何も、何もかもなくなって、見えなくなる

 私が斬れば斬るほど、そのものの存在は消えてしまうのだから

 そう、記憶からすらも

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