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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
1章

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34/94

33 メスケモ、教団と戦う7

 服屋にて、僕は着せ替え人形のようにされるがままになっていた

 あまりにも二人が張り切るためもう動かなず話さずの方がいいかなって思ったんだ

「これどうかな?」

「いいと思うぅ」

 それはないんじゃないかなぁ、フリフリいっぱいで絶対に会わないのに

 腹筋バッキバキだよ僕。それでそんなフリフリへそ出しルックはないんじゃないかなぁ

 でも言えない

 マズル(ケモの口から鼻)を手でギュッとされるから

 数時間後、すっかり何も考えずに動かなくなった私の頬をペシペシと叩くリーリー

「ほらネネコちゃん、買うわよ」

 僕は立ち上がり、二人が持つ山のような服を見て失っていた言葉をさらに失った

 一体いくらになるんだこれ

「お会計金貨十二枚と銀貨三十枚になります」

 ひぃ、前世で言うところの123万円くらい・・・

 確かに金貨に余裕はある

 これだけ支払ってもまだ三分の一にも達していない

 でもできれば貯金しておきたいのにぃ

 まあ、うん、二人が張り切って選んでくれたんだし、普段着はここからローテーションするか

 フリフリは着ないから返しておいたけどね

 ちなみに試着はしていないよ

 毛まみれになっちゃうからね。サイズだけ見て鏡であてがってみたくらいだよ

 取りあえずかったもののうちの一つを着て帰った

 Tシャツとデニムっぽい短パン

 スポーティで我ながらに会っていると思う

 腹筋も映える

 胸が大きいせいでTシャツが少しパツっとしてるけどそれはそれでアリだと思う

 

 翌日

 今日も今日とて依頼を見に来た

 受付に行くとすぐにエルリィさんが顔を出し、僕を見るなりカウンターから出てきて肩をガシッとつかんだ

「良かったぁ、来てくれたぁ。こっち来てぇ。あの男についての報告があるからぁ」

「わかった。リーリー行こ」

「ええ」

 奥の部屋に通されると、トール君の家にいたはずのアビィーさんがふんぞり返って席に座っていた

「よーし来たな猫っ娘~。早速出悪いが、東の砦跡地まで行ってほしい」

「東の砦跡地?」

「うむ、数十年前に魔物の襲撃で破壊された砦のあった集落なんだけどな、あの男がそこに研究拠点があると吐いたんだよ」

「吐いたってことは、聞き出せたんですか?」

「ああ、洗脳魔法でな。あ、一応違法じゃないぞ。宮廷魔導士に頼んだからな」

 この国では洗脳魔法は禁じられているけど、犯罪者にアジトを吐かせるためとかなら宮廷魔導士か、教会のそれなりの地位の人なら許されている

 宮廷魔導士か教会のそれなりの地位の人・・・

 あれ、リーリーが確か、私は許されているって言ってた気が

 うーん、今は深いところは聞かないでおこう

「分かりました。僕とリーリーだけで行くんですか?」

「いや危険だからあたしも行く。トールのことは他の冒険者に任せてあるから大丈夫」

「でもトール君だけ守るのでいいんですか? 他の子供は大丈夫なんです?」

「それについては問題ない。トールだから狙われたんだ」

「それは一体」

「トールはとんでもない魔力を持っている。将来は宮廷魔導士にもなれそうなほどのな。今度王に進言して学校にでも放り込むさ」

 トール君、君の未来は明るいぞ

 取りあえず僕とリーリー、そしてギルマスのアビィーさん含めた三人で砦跡地へ向かうことになった


 街から二時間ほど

 そこには崩れた砦や建物の残骸があり、いかにも跡地って感じの景色が広がっていた

 ここにヴァシュルア教団の研究者たちのアジトがあるらしい

 この跡地は魔物も多く出るためめったに人が寄り付かない

 確かに研究所を作るにはうってつけかも

 それも、人を生贄にして何かを企むような教団の施設にはね

「ふむ、たしかこっちに入り口があるとか言ってたな」

 アビィーさんの案内で研究施設の入り口を探す

「お、あったあった、これだな」

 崩れた家の中に入って行くアビィーさん

 その家の中の奥の床に扉があった

 まだ真新しく、最近取り付けられたものに見えた

「開けるぞ」

 ゆっくりと扉が開くと階段があった

「よし、慎重に降りるんだ」

 リーリーが明かりをつけてくれて、そのおかげで安全に降りていけた

 奥に進むにつれなんだか不気味な気配が強くなってくる

 確実に、何かいるなこれ

 人の匂いはしないから、もう放棄されてるのかもしれない

 でも何かいる匂いと気配がするんだよね

 それも危険な

「ねえアビィーさん」

「ああ分かってる。警戒しろ」

 どうやらアビィーさんもリーリーもこの気配には気づいているみたいだ

 なんだろう、魔物ともあの悪魔たちとも全く違う気配

 人間に似た気配だけどやっぱり違う

 ともかく今は警戒しつつ進むしかないか

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