32 メスケモ、教団と戦う6
さてギルドに帰って来たけど、あいにくエルリィさんはいなかった
昼休憩に入っているらしい
まあ報告は誰でもいいから無理にエルリィさんじゃなくてもいいか
手の空いていそうな受付さんの前に行く
「あらあなたはエルリィの専属冒険者さんですね」
「いや専属ではないですけど」
「でもエルリィが専属だから取らないでって」
「うーん、僕別にそんなのいいんですけど。とりあえず依頼を達成したから見て欲しいんですけど」
「はい。あ、申し遅れました、私リリエと申します。エルリィの同期なんですよ」
「どうもご丁寧に。僕はネネコです」
自己紹介しながら僕は依頼書と討伐証明の牙がたくさん入った袋をドサリと受付に置いた
「うわぁお、多いですね。えっと依頼書によるとジャビの討伐ですね。ジャビってかなり危険な魔物ですのにこんなに。すごいですね! エルリィが専属を名乗るだけのことはありますね」
ジャビの牙の数を数え終えて報酬を渡してくれる
一匹当たり銀貨十枚で、56個あるから金貨五枚と銀貨六十枚になった
結構な稼ぎかな
まあクラウベルさん護衛の報酬でそれなりに稼げてたから、今潤ってるんだけどね
報酬をしまい込んでいるとリリエさんがこっちをジーッと見ていることに気が付いた
「なんですか?」
「いや可愛い子だなぁって。あなたまだ十歳くらい? 成人して間もないのにすごいわね」
「すごい、ビーストの年齢を言い当てれる人間さん初めて見たよ」
普通ビーストはよほど老齢じゃなければ年齢がいまいちわからない
成人に見えてまだ生まれて数ヵ月って場合もあるからね
「あー、私ビーストの血も混じってるんですよ。クオーターってやつですね。一応尻尾あるんですけど見ます?」
「え?」
「ほらこれ」
彼女の尻尾はふさふさの猫種のものだ
「猫種のクオーターなんですか?」
「そう。おばあちゃんが猫種だったの。お母さんには猫耳と尻尾もあるのよね」
この世界では結構異種族同士での結婚は当たり前らしい
ほんと、集落では学べなかったことばかりだね外の世界は
依頼も完了したことだし、リーリーと食事に行くことにした
「どこ行く?」
「一昨日できたハンバーガーのとこは? 美味しいって有名よ」
そう言えば商業区にハンバーガーの店が出来たって噂になっていた
ブラックブルという牛魔物の肉を使ったパティがすごくおいしいらしい
これはいかなくては
「じゃ、そこにしよ」
二人でウキウキしながらそのお店に向かった
店に来るとすでに人が行列を作っている
「こりゃ無理かも。私達の分回ってこないよこれ」
「そっか残念。またすいてるときにしよっか」
帰ろうとすると僕らは呼び止められた
「ネネコさん!」
振り向くとエルリィさんが立っていた
ハンバーガーを持って
「買えなかったみたいねぇ。はいこれぇ」
僕らにハンバーガーを分けてくれるエルリィさん
これは元々ギルマスに渡す分だったらしいけど、ギルマスのアビィーさんはトール君のとこに行ったっきりなかなか戻ってこないらしく、特に昼食を頼まれたわけでもないみたい
「あの人ぉ、トール君の家で食べてるだろうしぃ、別にいいやぁ」
ハンバーガーをもらい、エルリィさんとベンチに座って食べ始めた
「ハムッ・・・。うっまぁああ!!」
「ほんと、美味しいわねコレ」
肉もだけど、パンと野菜の相性も抜群だ
それと結構大きい
大喰らいな僕を満足させれるくらいには大きい
リーリーは半分食べて残りを僕にくれた
食べきれなかったらしい
口をソースで汚して食べているとリーリーがそれを拭きとってくれた
その拭き取ったハンカチをペロペロしてるのは見なかったことにしてケプッとげっぷをして食べ終えた
「ふぅ、美味しかった。ありがとうエルリィさん。これお代」
「いいよぉ、お世話になってるしぃ、おごりぃ」
お言葉に甘えておごってもらい、食休みと腹ごなしで三人でぶらぶらすることにした
そういえば王都って結構広いからまだあんまり見て回れてなかったな
直剣の整備がてら武具屋か鍛冶屋にでも行こうかな
「ネネコちゃんどうせ武具屋とか行こうって思ってるでしょ? 服屋に行くわよ。貴方いつも防具しか身に着けてないし、普段着くらい買わなくちゃ。それに下着も可愛くないし」
「いや実用性があるからいいんだけど」
「女の子なんだから気にしなさい!」
半ば強引に二人に連れられ、僕は服屋へと引っ張られて行った
僕体重150キロを優に超えてるんだけど・・・
別に太ってるわけじゃなくて、筋量が多いからだよ
脂肪より筋肉の方が重いからね




