30 メスケモ、教団と戦う4
「えっとぉ、どっから話そうかな?」
「なんかこの前御神託をくれたときとかなり印象が違うんですけど」
「ああ、あれは余所行き用だもん」
見た目通り猫被ってたのか
「それで、ちょっと話がしたくて呼んだんだけど、調子はどう?」
「絶好調、ですけど、クラウベルさんや聖女を守るにはどうしたらいいのか分からなくて」
「クラウはともかく他の二人は問題ないわ。私が想定してる加護の使い方を超えてるもの。あの子たちはこの世界でも十本の指が入るくらい強いんだから」
「十本の指に、ですね」
この世界で十本の指に入るほど強いなら冒険者で言うところのSランク相当か
それなら確かに心配はないかも
「あ、話なんだけどね、まずこの世界に転生したのは分かってるよね?」
「ええそれはまあ」
「転生の時に会ってるんだけど、覚えてない? ほんとに?」
「はい、すみません」
転生の時、この女神様が僕の魂を導いてくれてたらしいんだけど、本当に記憶がない
「そっか、じゃあ加護とかその他もろもろも・・・。あーやっぱり解放されてないや。そりゃあのゴブリンんやあの男にも苦戦するよね」
「解放?」
「そ、あなたには一応私の加護が付与されてます! ただ最初に自分で理解して使わないと加護が正しく作用されないの。本当ならもう使えててもいいはずだったのに、ごめんね。記憶が何で飛んじゃったのか分かんないけど、今からあなたに与えた加護と使い方を教えるから役立ててね」
僕に加護ってことは僕も聖女?
いやそんなわけないしそれは他のもっと信仰心あつい人に任せよう
「あ、それね、聖女認定は私がお告げでしてるから、もし嫌なら聖女認定はしないよ。あなたには自由にこの世界を見て回ってほしいしね」
「おお、女神様わかってるぅ!」
あ、フランクな女神様だからついため口で話しちゃった
「いいよいいよ、気にしないで。私もその方がいいし」
あと女神様ナチュラルに頭の中見て来るな
まあいいけど
「で、あなたの加護なんだけど、神獣って加護を付けておいたよ。私お抱えの神聖騎士みたいな感じ! でも自由に動いてほしいかな? 私からのお願いは少し聞いてほしいけどね」
「そのお願いってやっぱり」
「ええ、ヴァシュルア教団のことです。彼らは私の兄を、苦しめているのです。本来なら正しい侵攻により力を得るはずが、彼らの間違った信仰により兄は、邪悪に体を蝕まれているのです」
ヴァシュルア神は試練と力の神
迷宮を作った神でもあり、人々の能力を決めている神でもある
ヴァシュルア教団が変わるまではそれなりに信仰も集めていたらしい
「何処までやれるかは分かりませんけど、やってみます」
「アーン硬い~。もっと砕けていいってば」
「う、うん」
目が覚めた
夢での出来事ははっきりと覚えている
あ!!!
加護が何なのか聞いたけど、使い方聞いてないや!
神獣って加護だって聞いたけどどう使えばいいんだよ
「おはようネネコちゃん」
僕の横であられもない姿で寝ていたリーリーが目を覚まして挨拶する
別にそういうことしてたわけじゃないからね
リーリーは脱がないと寝れないってだけだからね
僕も起きあがって服を着て、リーリーと一緒に出支度をしてからギルドに向かった
加護が分かったから手ごろな魔物を狩ってその力の使い方を学ぼうと思うんだ
「あらぁいらさぁい。今日も依頼受けるのぉ?」
エルリィさんが受付から手を振っている
すっかり顔なじみになったな
彼女の受付に行って依頼書を見せてもらう
ぺらぺらとめくって加護を試すのによさそうな依頼を探していくと、ジャビという蛇型魔物の討伐依頼が目についた
ランクはDだから、リーリーと一緒なら受けられる
僕はまだEランクだけど、リーリーはBランクだからね
Cランクの依頼までなら受けれる
ジャビは体長5メートルの魔物で、それが数十匹王都横の森で群れているのが目撃されたらしい
毒を持っていて、噛んで毒を注入するタイプではなく、毒液を飛ばすタイプなんだけど、その毒がヤバイ
皮膚に触れただけでただれて毒が全身を回って死に至る
それも途轍もなく苦しんでだ
神聖魔法で解毒はできるけど、対処が間に合わなくなる場合が多いらしい
そんなジャビが群れを成している
退治しないと被害が出始めるだろう
「これにしようリーリー。君がいれば毒液をかけられても平気だしね」
「な、なるべくかけられないでね。可愛くてきれいなネネコちゃんが怪我するとこなんて見たくないから」
「うん気を付けるよ」
「じゃあこれ、受注しとくねぇ」
エルリィさんが依頼にハンコを押してくれ、渡してくれる
その足で僕たちはジャビ討伐へと向かった




