3 メスケモ旅立つ2
翌朝起きると、すでに日は高く昇っていた
村人たちが枕や掛布団を提供してくれたおかげでぐっすり眠れたよ
眠たい目をこすりながら馬小屋から出ると、畑仕事をしている村人たちの姿が見えた
僕は彼らに近づき、重そうな作物を運んでるおじいさんを手伝った
「ありがとうね、助かるよ」
「いえいえ~」
そこから暫く手伝いをした
せめてものお礼ってやつかな
「ふぅ、これで終わりかな。少ししか手伝えなくてごめんなさい」
「いやいや、助かったよお嬢ちゃん」
村での手伝いを終えて明日の出立のために荷物をまとめる
ご飯を食べ馬小屋の寝床へ
おっとその前に
僕は村の共同井戸へ向かう
お風呂替わりに水浴びだ
一応女性でも水浴びできるように壁に囲まれた場所もある
そこに入って服を脱いだ
この体も慣れたものだから、すでに洗い方なんて熟知してる
ただ乾かすのが大変なんだよねぇ
魔法がある世界みたいだから、手っ取り早く風魔法で何とかならないものかな?
集落では魔法が使える人もいなかったし、魔法に関する知識は、魔法があるくらいしかわからなかった
ホントなんにも知らないな僕
風魔法があれば体もあっという間に乾かせると思うんだけどなぁ
体を水で流して、汚れやすい所を適当にこする
体が大きいから洗うのも結構大変
体を洗い終えて井戸の前にある石に腰かけて自然乾燥中
子供が何人か僕を見て顔を真っ赤にして走って行く
あそっか、今女性の体だった。たまに忘れちゃう
温かい日だから意外と早く乾いた
服を着直してようやく馬小屋へ
寝床が綺麗に手入れしてある
なんだろう? この過剰なまでの優しさに少し違和感があるな
でも、彼らの親切を無下にできないし、ふかふかとした藁のベッドでゆっくり眠りについた
翌朝もすっきりと目が覚める
まとめておいた荷物を背負ってよくしてくれた村人たちにお礼を言い、街まで出るという馬車乗り場まで案内してもらい、改めてお礼を言ってお別れした
馬車乗り場では村人全員と言っていいほどの人達が見送ってくれる
凄くいい村だった
でもやっぱり違和感がある
旅人が珍しいにしてもあまりにも歓迎されすぎな気がするんだよね
まあ悪いことはなかったし、次の街も楽しみだ
馬車に乗り、次の街へ出発
馬車乗り場の近くで村人たちががっかりした顔をしている
「行ってしまわれた」
「村長、やはり引き留めるべきだったのでは?」
「いや、それは駄目じゃ。この村に滞在していただいただけでも良かったと言うもの」
村人たちはどうやらネネコについて話し合っているようだ
「しかしまさか白猫様が降臨なされるとは」
「ああ、世界を救うと言われる白猫様に間違いない」
外界と隔離されたネネコの集落では語られていない伝説
その伝説によると、世界が悪によって危機が訪れたとき、神が遣わした大いなる白猫によって世界が救われるのだという
それはこの世界の国々に伝わっており、こんな辺境の村にまで届いていた
馬車に揺られてしばらくすると急に馬車が止まった
「あれ? まだついてないよね?」
外を見ると、武装した人間達に囲まれていた
「オラ! 金目のもんと食い物置いてけ!」
「お頭、これ村からの乗合馬車ですぜ。そもそも人が乗ってるかどうかも」
「ちっ、外れか。まあいい、おいお前! 少しくらいの金はあるだろ。それで手を打ってやる」
「ひ、ひぃ、分かったから命だけは」
御者さんは懐から小銭入れを出して渡している
その時御者さんが僕にだけ聞こえるような小声で「隠れていてください」と言ってくれた
でも、僕はなるべく人助けをしながら生きていきたいんだよね
扉を開けて外に出た
「お、客がいるじゃね、え、か・・・。うわでっかぁ」
うんいい反応だ
「悪いけど、お金はない。あげれるものもないよ」
僕の大きさに引いてるお頭と呼ばれた男
そしてそのお頭の持っている大き目の斧を掴んでひん曲げた
「ひぃぁあああああ!!」
それだけで逃げて行ってくれた
うんうん、戦わずして勝利だ
それにしても僕を見ただけで逃げるなんて←斧を曲げたのは考慮してない
ちょっとショック
「大丈夫おじさん?」
「ありがとう! さすがビーストさんだ」
その後は無事に何事もなく
いや魔物が出たからそれは倒したかな
それ以外は本当にのんびりとした馬車旅だったよ




