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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
1章

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24 メスケモ護衛になる12

 街の中は意外と風は強くなくてむしろ心地いい

 この風はイルロン山脈から吹いているらしく、地形的に丁度この街に吹くらしい

 で、街の構造で強い風を分散させて気持ちのいい風に変えてるんだとか

 確かに丁寧に組まれたかのような街並みで、暴風のようにぶつかってくる風を壁が受け止めて、その壁にある隙間が風を和らげて街の中を吹き抜けていくようになっている

「すみませんこんな状況の中、しかし人々を救うためにはこれも」

「分かってますよクラウベルさん。護衛は任せてください」

 彼女は命を狙われているけれど、それでも仕事を放棄したりしない

 それは使命だからとか責任感からとかでは決してない

 彼女はただ単純に、困った人を見過ごせないんだ

 だからこそ彼女を癒せるような人がそばにいないと

 それがお付きのシスターシェリーさんなのかも

 彼女と一緒にいる時のクラウベルさんはどこか気が抜けて、本来の彼女が見えて来る

 僕に吸い付いてくるのもシェリーさんと僕とリーリーがいる時だけ

 かなり信頼されてるんだと思う


 教会でのお祈りと街の結界の強化、そしてこの街でもヴァシュルア教による襲撃の被害状況の確認をお叶うクラウベルさん

 ちなみに今回は僕らも一緒に教会に来ている

 ワイバーンとの戦いを見たからなのか、命を救ったからなのか、他の護衛も僕らが一番近くで守るのがいいだろうって意見が出て、そのままその意見が通ったからだよ

 僕の姿を見ても誰も驚いたりはしないのは、カラミラでもそうだった

 まあ教会関係者にビーストもいるし、他種族国家だから別にビーストが珍しいわけでもない

 でも僕はビーストの中でも大型種の象種くらい大きい

 象種なんかの大型種ってめったにいないからどうしても驚かれるんだよね

 猫種でここまで大きくなるの事態も珍しいしね

 ちなみに猫種に近い虎種や獅子種なんかでも最大体長は2メートルくらいかな

 クラウベルさんと一緒に教会のホール、よく海外ドラマなんかで出るような教会のホールのような場所の奥に女神ニャードリーアの像が立っている

 見上げるほど大きな像で、その姿は猫耳の生えた女神像だった

 ちょくちょくニャードリーアの姿を模した像や絵なんかは見てたけど、近くで見るとまるでアニメのフィギュアのようだ

 その像の前に膝ま付いて祈りを始めるクラウベルさん

 その後ろで同じように僕らも祈りをささげた

 すると不思議なことが起きた


(ようやくつながれました)

 頭の中で声が響いてくる

「え? え?」

 思わず声が出てしまった

「どうしたのネネコちゃん?」

「いやリーリー、なんでもないよ」

 不思議そうな顔をしているリーリーにそう告げて、再び祈りをささげる

(聞こえますかネネコ?)

(あの、これって幻聴ですか? 他の人に聞こえてないみたいだし。僕おかしくなっちゃった?)

(いいえ幻聴ではありませんよ)

 その声は聴いているだけで癒されて、心に安寧をもたらしてくれそうな声で、なんだかフワフワしてくる

(あなたは誰です? もしかして女神様?)

(理解が速くて助かりますネネコ。この世界に転生しておよそ10年ですか? ここでの暮らしは慣れましたか?)

(え? ええまあ。すごく楽しいし、幸せに暮らせてると思います。一部変態がいますけど)

(それはよかったです)

 変態については何も言わない女神様

(あなたの今の状況は大体つかめています。ネネコ、どうかヴァシュルア教を止めてください。我が兄ヴァシュルアも心を痛めているのです)

 話をまとめると、十二柱の神々は兄弟で、今僕と話している女神様は案の定ニャードリーア神だった

 そしてニャードリーア様の兄にあたるのが試練の神ヴァシュルアだ

 彼ら神々は加護を与えるのと、信託を与えるくらいしか世界に影響を及ぼせないらしく、そのため聖女などが代わりをこなすようになっているらしい

 ただヴァシュルア様は大昔の邪神との戦いで深手を負って、他の神々ほど力が戻っていない

 だから神託を届けることも加護を与えることもできないという

 つまりヴァシュルア教の暴走は神様が力を失ったためってことだ

(クラウベル達聖女に頼みたかったのですが、あなたにもお願いしたいのです。ほかならぬネネコ、あなたに)

(僕に? 僕は普通のただ体が大きいだけのビーストですよ?)

 そう、僕には加護もなければ神様達を手伝えるほとの力もない 

 お門違いというか、人選ミスじゃないかな?

(いいえ、あなたは私達の希望なのですネネコ)

(希望? それは一体どういう・・・)

(申し訳ありませんネネコ、ここまでのようです。いずれまた)

 それっきり声はしなくなった

 目を開けるとクラウベルさんが祈っている後ろ姿が見えた

 女神様の神託?だったんだろうかな今の

 ともかく女神様の言っていたヴァシュルア教を止めるって話

 これは頭に置いておいて僕は再び祈りを始めた







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