20 メスケモ護衛になる7
三日間ルートや作戦をみっちりと叩き込んだ
協力してくれるこの街の冒険者にも事情を説明し、報酬を払うことで協力してもらう
主に神聖魔法で、治癒魔法が使える人がおとりになるんだ
犯人一味は教会の人が公務中に襲ってるらしく、その公務と言うのが怪我人や病人の治療だ
教会でもそう言った治療は行っているけど、病気や怪我の酷い人々もいる
そんな人たちのために教会は訪問治療を行っている
そこを襲われたってわけだ
「リーリーさんは領主様の屋敷近くの区画をお願いします。聞いた話をまとめたところ、貴族の治療に向かった方がよく襲われているようなのです」
クラウベルさんの指示にうなづく
「分かったわ。ネネコちゃん、しっかり守ってね」
「任せてよ」
でも僕結構でっかいんだよなぁ
遠くから見守るしかないか
一応高台がある場所を教えてもらってそこからリーリーを見守ろう
全ての確認が終わり、冒険者はそれぞれの配置につく
クラウベルさんの護衛の冒険者の中にも当然神聖魔法の使い手や治癒師がいる
その内の一人、星空ってパーティの治癒師カインさん
彼は僕達と同じ区画を担当する
まあ区画ごとに分かれているとはいえこれだけ大きな街だ。一区画に何人か必要だよね
それぞれに見守り役も付いてるから大丈夫
一応襲われたらすぐ連絡できるように、通信用のマジックアイテムであるペンダントを借りている
これですぐに全員に報告ができるようになってる。マジックアイテム便利
とりあえず、病人がいるという人の家にリーリーが歩いていくのを、僕は配置について見守る
あ、もし襲われなくても治療はちゃんとするよ
重病人らしいから、実力のあるリーリーが任されたんだよね
リーリーって教会を一つ任されてもいいくらいに神聖魔法がすごいからね
彼女の様子を観察しているけど、今のところ誰かが近づいてくることはない
もうすぐ病人の家に着くからこっちは問題なさそう
「リーリー、怪しい人とかいない?」
「大丈夫。気配すらしないわ」
無事到着。何事もなく病人の治療も出来てるみたい
「連絡。商業区南問題なしです」
「住居区の東、問題なし」
報告が次々と上がって行く
僕の方も連絡を
そう思ってペンダントを口元に近づけたその時
「ネネコちゃん! 囲まれたわ」
「え!?」
慌てて病人の家から出て来たリーリーを見ると、いつの間に出現したのか、黒い衣服に身を包んだ奴らにリーリーが囲まれていた
一応格闘技を学んでいて自衛もできるリーリーだけど、この人数は流石に多勢に無勢かも?
すぐに高台から飛び降りて全速力で彼女の元へと走る
「まだ活動を続けるか邪教徒どもめ!」
邪教徒? こいつらってもしかして
「リーリー!」
僕はすぐにそいつらとリーリーの間に割って入った
「なんだ、この・・・。でっかぁ・・・」
なんでみんなそんなでっかいでっかい言うんだよ
まあでっかいけど
取りあえず全員を大剣の峰で殴って気絶させた
「ふう、リーリー怪我はない?」
「ネネコちゃん! 怖かったぁ」
僕に抱き着いてお腹を吸うリーリー
泣いてるように見えるけど、どう考えても嘘泣きだ
この人だったらこの数なら問題なさそうだけどね
なにせ僕と会う前は一人で活動してて、盗賊団の壊滅や魔物討伐もこなしてたし
さて、こいつらは縛って連れて行くかな
僕とリーリーで手分けして縄で縛って行く
けど、最後の一人を縛ったところで急に全員が苦しみだして、体が砂となって崩れ落ちた
「え!? なにこれ・・・」
「ネネコちゃん、これは多分契約の呪いよ。本来死刑囚や凶悪犯罪者に使われる呪いなんだけど、こいつらたぶん情報が漏れないように、捕まったら呪いが発動するようになってたんだわ」
うげ、そんな怖い呪いがあるのか
「とりあえず報告に戻りましょ」
僕は彼らの衣服を持ち、教会へと戻った
体は砂になっちゃったし、もしかしたら衣服に何か手掛かりがあるかもしれないしね
戻る途中報告しておいたから、すでに何人かは教会に戻っていた
クラウベルさんはまだ戻ってないみたい
彼女は領主様のところに顔を出してるんだよね
まあこういった問題って領主にも一応報告しておいた方がいいもんね
協力も仰げてるみたいだし
とりあえずクラウベルさんを待っていると、待合室の扉が勢いよく開かれた
「大変だ! クラウベル様が襲われた!」
「えええ!!」
報告によると、領主邸からクラウベルさんが出たとたん、矢が射られて、それが彼女の胸に当たった
幸い心臓はそれていたみたいだけど、肺に達していたため意識不明の重体だそうだ
「リーリー、行こう!」
「ええ!」
急いで彼女が運び込まれた教会の治療院へと駆け込む
肺に穴が開いているため呼吸が苦しそうで、意識も完全にない
「リーリー、なんとかなりそう?」
「ええ、治癒魔法には自信があるからね」
彼女の魔法によってクラウベルさんの顔色も良くなり、呼吸も安定していく
リーリーやっぱすごいな。刺さった矢じりもきれいに取り除かれてて、傷口もみるみる塞がっていってる
まだ目は覚めないけど、とりあえず容体は安定したから一安心
「クラウベルさん・・・」
数日すごしただけだけど、彼女はすごく優しい
少しリーリー気質があるけど、頼りになって優しくて、本当に素晴らしい人だ
まさに聖女にふさわしいと言っていい
そんな彼女の命を狙うなんて
怒りがこみあげて来る
「ネネコちゃん。許せないわよね」
「うん」
教会の人達も怒りに満ち満ちている
「お願いしますネネコ様。どうか犯人を」
そう言ったのはクラウベルさんお付きのシスターのシェリーさんだ
この旅でもかいがいしく彼女のお世話をしていた
「任せて、僕は護衛なのに彼女を守れなかった。犯人は絶対捕まえてみせるよ」
クラウベルさんをこんな目に合わせた犯人達は許しておけない
あいつらは邪教徒と言っていた
てことは多分別宗教の信者だろう
取りあえずいくつか確認することがあるから、僕は教会の人の話や、リーリーの知識に頼ることにした




