109 メスケモの獣人国観光3
「植物なら燃やせばいいんだよー」
サクラがごもっともなことを言うけど、ここは森の真っただ中
炎の魔法なんか使えば火事になる可能性も・・・ってこの子何してんの!
ちらっとサクラを見るとすでに炎魔法の準備が整っていた
「炎の精霊よ、我が敵を焼き尽くせ、エトラヒータ!!」
「え!? 精霊魔法!? た、確かにエルフなら使えるけど、契約、いつしたの!? 記憶が戻ってる?」
「どういうことなのリーリー」
「精霊魔法はね、エルフの魔術師が精霊と契約して初めて使えるようになるの。そこまで強い精霊魔法じゃないけど、この幼さで使えるなんて・・・」
どうやら魔法にはそう言った特殊な魔法もあるらしい
契約が必要な精霊魔法
それを使える理由は後で聞くとして、サクラのこの魔法はピンポイントで敵のみを焼く魔法みたいだ
燃え広がることもなかったし、フラウファランを焼くとすぐに消えてしまった
「すごいよサクラ!」
「えへへ~」
無事妖魔フラウファランを倒した
おかげで魔物たちも落ち着いたみたいだ
魔物も襲ってこなかったら無理に退治する必要はない
あまり狩りすぎると生態系に影響が出たりもするからね
この世界、一応そう言ったことはちゃんとしてるみたいだ
まあ密漁者とかもいるみたいだし、ルールを守らない奴ってのはどこにでもいる
「妖魔も倒したし、観光に戻ろっか」
「いやぁすごいな小さいの。俺様の出番がなかったとは驚きだ。将来大きくなったら俺様が嫁に迎えに行こうか?」
「えいっ!」
「ぐおおおお!!」
口説かれたサクラは魔法で強化した拳で思いっきりレオニスをぶっ飛ばした
「さ、サクラ、一応王子様だからねあれ」
「うんだから手加減したよー」
「ふむ、それでいたくなかったのか。すごいぞ小さいの」
もう復活してる
ホントなんなんだこの人の体は
一回調べてもいいかもしれない
いや駄目だなんか、なんかダメだ。絶対喜ぶ
「この先だ。森を抜ければアンリアの渓谷につくぞ。それはまあ見事なものだ。自然が織りなす芸術とはまさにこのこと。と、もっぱらの評判だ」
さすが王子、この国の観光名所のこともよく知ってる
彼について行くこと約十分
渓谷が見えて来た
それはあまりにも広大で、まるで星が巨大な口を開けているかのような巨大渓谷だった
地平線の彼方どころか空まで続きそうなほどに長い亀裂
そこかしこには滝が落ちていて、意外と湿度が高い
鳥がたくさん飛んでいて、どの鳥もカラフルで綺麗
「お、あの鳥はうまいぞ。まあなかなか捕まえれないがな」
花より団子な王子を尻目に、僕らは渓谷の横で昼食としゃれこんだ
作ったのは城のシェフたち
シェフというより料理人かな? 純和風なお弁当が広がっていて、もうね、見ているだけでお腹いっぱいです
いや食べるけども
皆で景色を楽しみながら食べる弁当は美味しいに決まってるんだよね
すぐ食べ終わってしまい、物足りない気持ちを抑えながら一旦町に戻ることになった
次に行くところがこっちとは真逆の咆哮だからね




