16 メスケモ護衛になる3
「それで、あのビーストの少女の様子はどうなんだ?」
「それがぁ、すごいんですよぉ。あのガストー盗賊団を壊滅させただけじゃなくぅ、子爵クラスの悪魔を倒しぃ、悪魔の宝珠を扱う悪徳商人を捕らえるぅ、きっかけを作ってくれたんですぅ」
ギルド奥のギルド長の部屋
そこでメメリィとゾックが話をしている
ゾックは手巻きタバコをふかし、ふーと煙を吐いた
「それで、悪徳商人どもから情報は得られたか?」
「まだですぅ。結構口が堅いですねぇ。話すと殺されるぅって言ってますぅ」
「ふむ」
ゾックは再びタバコの煙を吐き出して下顎の無精髭を撫でる
「呪いでもかけられてるんじゃねぇか?」
「ご名答~。商人たちぃ、口を割ると死ぬ呪いがぁ、かかってますねぇ。それもかなり強力なのがぁ」
「解呪できねぇのか?」
「そうですねぇ、今一応ニャード教会のぉ、優秀な解呪士を呼んでいるんですけどねぇ、ここまでの強力な呪いだとぉ、解けるか分からないかもですねぇ」
メメリィも困ったように首を傾げて話を終える
煙草の火を消し、ゾックはメメリィに渡された資料に再び目を通し、打開策がないかと塾考するが、もともとが頭まで筋肉が詰まった男である
統率力やカリスマ性はあるとはいえ、ない頭で考えるのは無駄だった
「まあ、なるようになりますよぉ。それにあの件、ネネコちゃんに受けてもらおうかとぉ、思ってますしぃ」
「おう、そうだな、あの子ほどの手練れはそうはいねぇだろう。それに、あのリーリーとパーティを組んだそうじゃねえか。こりゃ依頼完遂できるに違いねぇ」
「そうだといいんですけどねぇ」
二人は会話を終えた
さて、報酬をもらう日が来たぜぇっへーい
ウキウキと朝からギルドに来る僕とリーリー
この人宿でもずっとべったりだからいい加減離れて欲しい
「クンカクンカ、ああ、朝一のネネコちゃんの匂いぃいいいっひっひっひっひ」
気持ち悪っ
リーリーを押しのけながらカウンターに来ると、いつもの顔
「いらさーい。報酬ね、届いてるよぉ」
メメリィさんがドサッと大き目の袋をカウンターに置く
中には金貨がどっさり入っていた
「え、多いんですけど」
「そりゃぁ、一国の姫様を救出?したんだからぁ、それくらい当たり前ぇ。むしろぉ、爵位くらい与えられてもぉ、おかしくないよぉ。百年だれもぉ、見つけれなかったんだもん」
そうか、クレナイさん姫様だったな
取りあえずこの報酬は貯金かな?
防具も迷宮で手に入ったので十分だし、宿や食べ物にも困ってないし
「ありがとうメメリィさん。それじゃあこれで」
「待ってぇネネコちゃん。ちょっとお姉さん困っててぇ」
「何すればいいんですか? 暇なんで一応聞いときます」
「フフフ、話が速いねぇ。実はぁ、護衛依頼なんだけどぉ、ある高貴な方をぉ、王都まで護衛して欲しいのぉ」
護衛かぁ、三日前に受けたあの依頼みたいな感じかな
高貴な方か、僕全然礼儀作法とか知らないし、うまくできるかな?
「ああ、高貴って言ってもぉ、お忍びだからぁ、そこまで気にしなくていいよぉ」
「話なら私に任せてネネコちゃん。これでも貴族相手に交渉したりとか得意だから」
リーリーは親指をグッと立ててグッドポーズを取る
少し考えたけど、王都までの道のり分かんないし、ちょっと遠慮しとこうかな?
お金に困ってるわけじゃないし
「すいません、今回はやめときます。しばらく遊びたいし」
「あああんいけずぅ。でもぉ、この依頼受けて損はないよぉ。なにせお忍びの高貴な方ってのはぁ、あの聖女クラウベル様なのですよぉ。教会とのコネはぁ、重要ですよぉ」
教会って、この世界の宗教の教会かな?
僕はその辺全く分からないし、うーん
「ネネコちゃんネネコちゃん。絶対受けた方がいいよこれ。聖女クラウベルって方は神聖魔法使いのトップオブトップで、もし彼女の依頼を完遂したとあれば、いろんな国の王族にも一目置かれる。それは引いてはネネコちゃんの将来が約束されたようなもんよ」
そう言うリーリーだけど
「うーん僕別に王族とお近づきになりたいわけじゃな」
「いいから受けるよネネコちゃん!!」
リーリーの押しに負けて結局受けてしまった
まあ暇だからいいんだけどね
出立は明後日の第一の鐘がなってから
この街では朝、昼、晩の三回鐘が鳴る
その一回目だから朝だね
依頼を受けてギルドを出る
「ごめんねネネコちゃん。でも絶対受けて損はないから! あとおっぱいすわせて」
「どさくさに何言ってるんですかこの変態」
「ああ、その軽蔑の顔も可愛い!」
とりあえず今日は宿に帰って本でも読んで過ごすことになった
本なんだけど、リーリーがかなり本を持ってて、それを読ませてもらってる
魔術書が多いけど、物語もかなりの量
彼女も僕と同じようなアイテム袋を持っていて、その容量はこの街一つ分を丸々納めれるくらいらしい
何それ怖い
僕は彼女の持つ物語本にハマっちゃって、それを次から次へと読ませてもらってるって感じだ
代金は吸わせること
まあお腹吸いくらいで、この世界では貴重な紙の本を読めるんだから、うん、我慢、しよう
「スーーーーーーーハアアアアアアア!! 美味しい、美味、美味ぃいいいふおおおおおおお!!!」
まあ吸ってると大人しいし、大人しい? 大人しいとは思うし、これくらいは我慢できる
リーリーを視界から消して、本を読みふけった




