108 メスケモの獣人国観光2
翌朝
今日は外にある観光地を巡ろうと思っているんだけど、少し問題が起きていた
なんでも今日行く予定のアンリアの峡谷に魔物の群れが現れたらしい
それも一種ではなくたくさんの種類の魔物がだ
幸いなことに妖魔はいない
だからこの国を拠点にしている冒険者たちと協力して退治することになった
この魔物の大量発生は俗にスタンビートとか、ただ単に大量発生と呼ばれている
様々な国でたまに起きる現象で、何か危険な魔物によって住処を追われた魔物が街に迫ってきたり、繁殖しすぎてあぶれた魔物が一斉に現れたりと様々らしい
まあ冒険者にとって稼ぎ時とのことで、たくさんの冒険者が参加するからお祭り騒ぎだ
原因の究明も同時に行われるんだけど、今回僕らがその原因究明を行うことになった
「群れが来る最奥に原因は必ずあるはずです。魔物は多種が入り乱れている状態。恐らくこの峡谷奥には魔物たちを捕食するような何かがいると思われます」
フェディの経験則から来る憶測だけど、多分それで合ってると思う
何せ魔物たちは何かから逃げてるように必死だからね
「俺様も行こう。国を守る刃王族の務めだからな」
レオニス王子も加わり僕らは迫りくる魔物を他の冒険者たちに任せて峡谷の奥へ奥へと走って行った
魔物に見つからないようリーリーが魔法をかけてくれたおかげでこっちには一切魔物は襲ってこなかった
「クンクン、あっちかな? なんか強い魔力と妖力を感じる」
なんだか最近鼻がさらに利くようになった
妖術を完全に使いこなせるようになったからかな
野性味が増してる気がする
「姫様、たくさんの魔物がこの先にいるようです」
「確かに。何かを守るように囲んでる?」
その魔物たちに気づかれないように行こうとしたけど、警戒が強くて気配を消す魔法がかかっていても無理そうだ
仕方ない
「倒して進むよ」
僕らは戦闘準備に入って魔物を蹴散らし始めた
ここに強い魔物を集めているのか、中々歯ごたえがあるけど、妖術が覚醒している僕の敵じゃないね
それにしてもフェディはともかくここに来てのサクラの魔法がすごい
魔女帝と呼ばれた聖女ハリルララハに勝るとも劣らないとリーリーからのお墨付きも出てる
まあそのハリルララハさんは今行方不明らしいけどね
エルフたちの住む大陸では総力を挙げての捜索が行われているらしい
「よっと、これで最後かな。たくさんいたけど、アヤカシほど強くなかったな」
その魔物を倒してから守っていたものを見ると、そこには一輪の花が咲いていた
花からはとても甘い香りが出ていて、それがどうやら洗脳のような効果を与えているみたい
「これなに? 魔物?」
「これは・・・。ネネコちゃん離れて! これまずい!」
突如地鳴りがして花の周囲がボコリと盛り上がった
「この魔物はフラウファラン。植物型の魔物で香りで魔物を操る魔物。でもこれほどの数を操れるのは異常よ」
ずるりと花が顔の蛇のような植物魔物が出てくる
その大きさは全長10メートルはありそうだ
そして花は顔だけじゃなくて体にもたくさんついている
その花から香りが一斉にまき散らされた
「嗅いじゃだめ! 洗脳されるわよ!」
僕とフェディはこういうの特に気を付けなきゃね
一応リーリーが防いでくれたけど、周りを香りを発する花粉が充満している
多分このフラウファランとかいう魔物、妖魔化してる
なにせ妖力が充満しているからね
「サクラ、風魔法で花粉を吹き飛ばしてくれるかな?」
「分かったー」
サクラのおかげで花粉は一気に吹っ飛ばされた
そこを狙ってビーストテイルで一刀両断
一番大きな花を切ったからか、フラウファランはどさりと倒れた
「よし!」
「待って、様子がおかしいわ」
フラウファランの体にある別の花が急に巨大化し、それが顔になった
「うわ、この花全部が残機ってこと!?」
再び起きあがったフラウファランは今度は根を鞭のようにしならせて襲って来た
「めんどくさいなこいつ」
根は無数にあるため相当な攻撃頻度。そのため攻めあぐねてしまう
どうしたらいいのか・・・




