勇者の旅9
勇者たちとネネコたちとの出会いは非常に友好的に進んだ
勇者たちはネネコのその美しい毛並みや親しみやすさなどにほれ込み、一気に好きになった
「僕はまだここに滞在しています。アルスランドでの勇者ラルズラールのことも気になりますけど、国同士の同盟を結ぶのに色々とやることがあるので」
「ネネコ姫もアルスランドへ? 実はそのことについてなんですけど、少し私達勇者とネネコ姫だけで話せますか?」
「いいですよ。レオニス王子、どこか部屋を借りれませんか?」
「用意しよう。俺様も話を聞いてよいか? アマノから勇者ラルズラールのことは聞いているのでな」
レオニス王子は真面目な顔でそう言った
普段おちゃらけており、女性にだらしない男ではあるが、こういう締めるところは締めるため、国民からも意外と人気が高い
王もそれ故に扱いに困っているのだった
有能中の有能でありながら言動が酷いためである
王子としての仕事は非常にちゃんとしているのが輪をかけて悩みの種となっていた
「こちらの部屋を使ってくれ。ここは防音で盗聴の魔法も撃ち消されるからな。それと、王を呼んでも構わないだろうか? 父上にも聞かせたい」
「はい、もちろんです」
レオニス王子がワイルドハートの王ライオルを連れて戻って来た
王は何事かと目を丸くしているが、真面目な表情をしているレオニスを見て気を引き締めた
「重要な話なのだな」
「はい父上、勇者ラルズラールについてのようで」
「そうか、アマノ殿は呼べるか?」
「いえ、後で伝える方が良いでしょう」
「そうだな。してその情報と言うのは」
「はい、私達勇者がかの大勇者ラルズラールに会った時の印象です。結論から言えば彼は味方です。それもとある組織をつぶすため動いているようです」
「そうか、やはり大勇者、悪に染まることはないということなのだろうな」
「あの、俺たちが言うのもなんなんですけど、あっさり信じていいのですか?」
「もちろんだオセル殿、勇者の言ほど信頼に値するものはありますまい」
どうやらライオル王もレオニス王子もその言葉を信じたようだ
勇者とは正道を行くもの
多くの者の言葉より勇者一人の言と言われるほどにその信頼性は高いものだ
未だかつて闇落ちした勇者はおらず、それ故にラルズラールもその信念を曲げなかったのだろう
「各国にはどう説明するのだ父上。どこからかもれればラルズラール殿の計画が狂うのではあるまいか?」
「そうだな。トウゲンには伝えるべきだろう。アマノ殿がいるのでな」
「わかった。俺様はひとまずトウゲンのアマノに連絡してくる。それにしてもさすが大勇者だな。得体のしれない連中に魂を囚われているにもかかわらず真の勇者としての心を持ち続けている。俺様も見習わなければ」
「ほんとそうですよレオニス王子。いきなり女性のお尻を触らないで下さい。僕だからこの程度で済んでるんですからね。まあ次やったら滅しますけど」
「あ、うむ、心に銘じておく・・・」
ネネコの注意でしょぼんとするレオニス王子
その姿に一同笑うのだった




