勇者の旅7
「これが天死に関する情報が書かれた資料だ。拠点を色々作っているから少し時間がかかったが、主要メンバーの能力は大体書いてある」
「ありがとうございますラルズラールさん」
このままここに居続けるのもお互い危険があると感じ、軽く挨拶を躱して出て行く勇者たち
ガブリエーラとリエのことについてはこのまま天死での協力者として置いておくこととなった
勇者によって返り討ちにされたものの、勇者は子供のこの二人を殺さなかったと報告することにした
この二人のことはラルズラールが一任されている
元々天死は世界に裏切られた者の集まりである
突然元の世界に戻され愛した者と離れ離れにされたラルズラール、親に見放されて酷い暮らしをしてきたガブリエーラとリエ
他の者もそれぞれ理由がある
天を殺す、神を墜とす
彼らの目的は一致しており、協力して世界に混乱をもたらして神の降臨を促す
降りて来た神を殺す
それが天死の計画だった
勇者たちはそれを知り、資料を手に主要国家にその危険度を通達するつもりだ
アルスランドを出た勇者たち
ラルズラールはその背を見送り勇者としての意志を託した
「取りあえずここから近い獣人国ワイルドハートに行こうか。あそこの王は威厳があってこういうことに関してはすごく頼りになる人だって聞くし」
「でも王子の噂が・・・」
「大丈夫だよー、何か殴ってもいいらしいし」
「え? 王子を殴っても許されるんでありますか? ずいぶんと寛容な」
「王子ってのが曲者でねー、殴って分からせるしかないからって王様自体がオッケー出してるのよー」
「で、でも~、殴るというのは~、私駄目だと思います~」
人を傷つけることを嫌うアリアだけは反対した
「大丈夫だよアリア。この王子ってのがさ、不思議な能力持っててね。いくら殴られようが蹴られようが一切ダメージを負ってないみたいなのよー。相当な実力者なのか、それとも能力がすごいのか分かんないけど、ともかく殴っても傷つかないから」
「そうですか~、それなら~、とはなりませんね~私は~」
やはりアリアは人を殴ったりするのが苦手なようで、まあ迷惑だけど我慢できるならと言うことで落ち着いた
ちなみに大聖堂の転移門から簡単にワイルドハートに行ける
首都ではなく副都への転移門だが、そこからは歩いて二日ほどの距離である
その転移門によりまずは副都ハルアに到着した
ハルアもかなり大きな都市ではあるが、首都のハートほどではない
だが小国の勇者たちはかなり目を輝かせていた
大国の勇者であるトアだけは特に何の反応もしていなかったが
「ちょ、ちょっとだけ観光してもいいかな?」
「あ、ああ、そうだな、少しなら」
「だよねー見たい見たい」
満場一致で少しだけ見て回ることにした勇者たち
どうせ今から出てもすぐ夜になるということで、一旦町で過ごす
夜までの間自由時間としてそれぞれで街を見、楽しんだ




