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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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143/162

勇者襲撃

 ナナミ殺害の命を負ったリエとガブリエーラ

 二人はすでに勇者たちのいるアルスランド王国へと入り込んでいた

 ラルズラールの計画があるため大きくは動けないが、二人ならば暗殺も容易だ

 ガブリエーラの能力は呪体告知

 相手に触れることで遅効性で致死性の呪いを付与することができる

 しかも死ぬまで相手に気づかれることはない

 リエの力は詞(うた)読んだ詞を現実に再現できる

 ある程度制限はあるものの、十分戦える

「で、リエ、奴らの居場所って分かってる?」

「う、ううう、どうやら、ラルズラールさんがとどめてくれているようなのです、グスッ、ヒグッ、今は散っていますが、そのうち大聖堂に戻ってくるようですうううう」

 リエの詞には地図の詞が書かれており、さらにはその地図には勇者たちの居場所、そして目的と戻ってくる場所までもがまさに手に取るように分かっていた

「さすがリエね。戻ってきたら私が信者の振りをして触ってくる。任せて、私の力なら気づかれることもなく簡単に殺せるから」

 二人は勇者たちを待つ間街を見て回ることにした

 普段から一緒に行動している二人だが、彼女たちの関係は恋人同士である

 元々二人とも過去は孤児だった

 同じ施設にいたのだがその環境は劣悪そのもの

 かつてラルズラールが禁じた奴隷制に近い環境で育った

 そのため大人を信用せず、唯一信用したのがラルズラールだった

 奴隷制度をなくしたほどの高尚で信頼のおける人物

 ラルズラールは二人にとっては父親のような存在だった

 だからこそ二人はラルズラールのことと、その上に当たる者の言うことはよく聞いていた

 勇者たちを殺せと命じたラルズラール

 だが勇者に協力もしている

 ラルズラールは理解していた

 現在の勇者がリエとガブリエーラよりも実力があり、必ず勝てるとふんでいた

 そして勇者たちがむやみに人を殺さないことも

 裏で勇者たちにはすでに話を付けていた

 二人が襲いに来るが、殺さずに捕らえて欲しいことを

 そののち二人に仕掛けられている監視の目を取っ払い、死んだように見せかけて自由の身にしてこちら側に引き入れようとしているのだった

 そんなこととは露知らず、二人は楽し気に街を見て回り、ほくほくとした様子で大聖堂まで戻って行った


 そしてそれから数時間が経ち、勇者たちが戻って来た

「来た。行くよリエ」

「ううううう、いよいよですぅううう。あああああん、ガブリエーラ、共に、一緒に、勇者たちを殺してラルズラール様を喜ばせましょう。よよよよよ」

 二人が近づき、ガブリエーラが集まっていた五人に触れようとした瞬間のことだった

 二人は気づいたら縄でぐるぐる巻きにされて大聖堂の中のラルズラールの部屋に転がされていた

「え?」

「あれ?」

 二人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で目を丸くし、驚き、そしてリエは恐怖で大泣きし始めた

 それをなだめているうちに勇者たちが扉から入って来た

 二人は死を覚悟し、そして勇者たちをキッと睨め付けて身構えたのだった

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