勇者の旅1
五人はついに旅を始めた
まず目指すは
「目指すはアルスランド王国。新たな教祖が誕生したと聞いているであります。ヴァシュルア様は我ら魔族にとっても信仰あつい神様であります。もし前みたいに悪い教祖なら許さないでありますよ」
ひとまずは彼らの目で教祖を見極めようという考えだ
噂はもちろん勇者の耳にも入っている
かの新教祖は人々の心に寄り添ってその心を救い、助けになっていると聞く
はっきり言って疑いようもなく、真に教祖たる人間である
「色々と言い噂ばかり聞いてるけどさ、なーんか胡散臭い気がするのよねー」
ミリの言葉にうなづく勇者たち
「あたしってば悪戯ばっかしてるせいか、怒らない人とか、どこまでやっても怒らないかとか、人の気持ちって言うの? そう言うのに敏感になってるんだけど。いやまあそれは種族特性ってのもあるんだけどねー。ただ、それを加味しても、このラルズラールっての? 昔の大勇者と同じ名前のこの男、うさん臭いっての」
勇者たちはアルスランド王国に向かって歩き出したが、そもそもアルスランドまでは転移門があるため歩く必要はなかった
ところ変わりアルスランド王国王都
ヴァシュルア教総本山でもあるこの地に降り立った勇者たち
ここまでは何の苦労もなく来れたが、ここからが本番だ
だがここにきて何かがおかしいことに気が付いた
一見何もかもが不自由もなく、人々は幸福で、本当に救われた表情をしている
幸せそのものだ
そこに嘘偽りはなく、何もかも順調で幸福そのものだった
ここはただ楽園としてあった
「おかしいとこあるか? 俺にはわからないんだが? 人々は幸せそうだ。世界ってのは、人ってのはこうあるべきだって理想郷」
「でもどっかおかしいんだ。なんていうか、うーん、うまく言えないけどさー、あたいにはビンビンセンサーに反応してる感じでさ」
「でもここにはヴァシュルア様の加護がしっかりと息づいているでありますよ? もし悪しき者ならヴァシュルア様の加護など受けれないでしょうから」
「それもそう、なんだけど。あたしらだって女神ヴィエラ様の加護があるし」
女神ヴィエラはエルフや妖精と言った妖精種のヒト族を守護している空と天、そして自然をつかさどる女神だ
ミリを含む妖精たちのように加護を受けている者達は当然神の寵愛を受けているのと同じである
つまりこの土地は神に認められ、寵愛を受けている
「加護を受けているならなんの疑いもないのでは?」
「だね。エアルのゆう通りだよ。だからこそおかしいのよねー。なんかこの加護がさ、嘆いているみたいな感じで、無理やり? あーんあたしも分かんない」
ミリもよくわからず言語化もできないようだ
ひとまずは勇者たちはこの国をしっかりと見て回ることにした
遠くから見つめる目
その目は勇者たちをしっかりととらえていた
一つは好奇心、もう一つは警戒
「勇者・・・」
「ゆう、しゃ・・・」
勇者たちを見つめる目はそれぞれで違う色を示していた




