97 メスケモの鬼人国観光5
城に戻ると何やら騒がしくなっている
様子から察するにどうやらあのアヤカシの中から出て来た少女が目覚めたみたいだった
「こちらですネネコ姫、アマノ様が面倒を見ているようです」
「師匠が? え、それ大丈夫?」
「大丈夫です。あの方は子供には優しいので」
僕もハクラちゃんたちと同い年なんだけど
まあその辺は言いっこなしか
アマノさんの部屋の扉を軽く叩いて開けると、師匠にべったりと寄り添っているあの褐色少女がいた
「帰ったのですか。どうです観光は? 意外と見るところがないでしょう?」
「いえ、サクラや滝、素晴らしい景色でしたよ。それで・・・」
「ああ、アヤカシのことですか。この子がアヤカシなのは間違いありません」
「うーあー」
アヤカシと呼ばれた少女はきょとんとした顔でこちらを見ている
話せないのか、うーうーとうめいている
「えと、アヤカシちゃん?は言いにくいから、アヤちゃんでいいかな」
「うん!」
あ、返事できてる
話せるのか
「オリはアヤカシ。大妖魔アヤカシであるの! でもそのアヤって名前気に入った。だからオリはアヤになるの!」
元気に挨拶してくれるアヤ
「なんと、なんと言うことでしょう」
「どうしたんですか師匠」
「いえ、この子、本当に、つい先ほどまで話せなかったのです」
「え、でもこんなに流暢ですよ」
「恐らくこの短時間で言葉を学習したのでしょう」
「え、すご」
「何を驚いてるの。オリは最強妖魔。言葉くらいおちゃのこちょちょいのエンジョイ!」
ちょっと変な言葉を使ってるけど、会話には全く問題ない
「それでその子、どうするんですか?」
「アヤカシはトウゲンでは遥か昔から特定危険魔物として周辺海域を荒らしまわっていたのですが、この子は言葉も通じるしむやみに暴れたりはしないようです」
「確かに、なんだか師匠に懐いているようですが」
「オリはアマノが気に入ったの。オリの母になってもらうっつーの」
「師匠、おめでとうございます。立派な女の子ですよ」
「斬りますよ」
僕の冗談に笑顔でそう返す師匠
怖い怖い怖い
「ともかくこの子は私に懐いているようですし、もう暴れ回ることはないでしょう」
「そうだの。オリはあのでっかい体を維持するためにずっとお腹すいてて、暴れてたんだの。でもここいっぱい食べさせてくれるの。アマノも母になってくれるし、オリは大満足でマンマン満足なの」
「え、あの巨体を維持するために食べてたってことは、相当食べるんじゃ? その、食費とか大丈夫ですか?」
「心配ありません。トウゲンは私達三姉妹でも養えたほどの豊穣の地です。それにこの子、そこまで大ぐらいではないようですよ。通常の人間の量ですぐに満腹になるようです」
どうやらこの体になってから胃袋も体サイズになったらしい
そういうわけでアヤカシ改めアヤは師匠の養女になることになった
いや師匠本人は認めていないけど、師匠はママになった
言ったらまたあの怖い笑顔で睨まれるから言わないけどね




