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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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勇者14

 未だ何が起こったのか分からない四人

 彼らはナナミを見る

 ナナミの周りには時計の盤面のようなものがたくさん浮き、それぞれが違った時間を表示したり、高速で回転していたり、逆回りにまわっていたりと様々な表示がされていた

「ナ、ナナミ?」

 ナナミはゆっくりと振り向く

 そして勇者たちを見ると走り出し、一番前にいたオセルに抱き着く

「よ、よかった、皆生きて・・・」

 泣きじゃくるナナミをなだめ、数分後ようやく落ち着いたナナミに詳しく事情を聴いた

 彼らは先ほどの少年にやられた後の記憶がなく、気づいたら今の状況だった

「それは、時間を戻して」

「時間を!?」

「は、はい」

 覚醒した勇者としての力は時

 戻し、止め、進め、時に関するあらゆることができるが、制限はある

 世界の時を戻せるのは数分だけで、先に進めるのは数秒

 停止は十秒ほど

 ではどうして敵であるあの二人の時を戻し、生まれるより以前の状態まで戻せたのかという疑問は残ったが、何にせよナナミは時の勇者として覚醒出来た

「おめでとうナナミ!」

 勇者たちは自分のことのように喜んだ


 その後は無事ダンジョンをクリアし、地上に戻る五人

 覚醒したナナミの戦い方はさらにバリエーションが広がっていた

 相手の動きを時間停止で止め切り刻んだり、魔法を停止して固定し、時間差で放ち相手を翻弄したりと、まるで長年その力を使っていたかのように使いこなしていた

「すごいわナナミ!」

「吾輩たちの中で最強になっちゃったんじゃないでありますか?」

 そうやって褒められるが、ナナミはもう増長したり、手放しに喜んだりはしなかった

 自分の目の前で殺された四人

 まだであって間もない間柄であっても確かにそこに絆はできている

 だからこそ彼女は不甲斐ない自分を許せなかった

 これからは油断も増長も、絶対にしないという決意を固め、これからを生きることにしたのだ

 力をすぐに使いこなせたのも長い努力によってなせるもの

 常に研鑽し、考えて戦っていたためにすぐに時を操るという戦闘形態を組み込めた

 魔法を固定し、戻すことで放った場所と別の場所に着弾させるなどという荒業すら可能にする彼女の力

 ナナミが覚醒したことで勇者たちはいよいよ本格的に世界を回る旅を始めることとなった


 ダンジョンから出て来た五人を見つめる影があった

 それは表情を変えることなくジッと五人を見続ける

「僕は、ゆ・・・・ゃ・・・」

 その言葉は風に吹かれて消えて行く

 誰に聞こえることもなかった独り言

 だがソレは勇者たちのあとを追うようにゆっくりと彼らのあとについて歩きだした

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