96 メスケモの鬼人国観光4
泳ぎ始めてしばらくすると、何かの視線を感じた
「フェディ」
「はい、何かいます。そこ!」
フェディは草むらに石を投げた
そこから驚いたように飛び出したのは角が九本もある虎のような化け物だった
「魔物!? この!」
「ま、待ってくださいネネコ姫、そちらの方は神獣九鬼です!」
「え、この虎が?」
グルルと声を出している九鬼
ゆっくりとこっちに近づいてきて、なんと僕のスリスリと頭を寄せて来た
「おお、意外と可愛い」
こうなると猫と変わらない
九鬼を撫でてやるとゴロゴロと声を鳴らし始めた
「何をされているのですか九鬼、またその用意女性にすり寄って」
「これコミネ、いまたのしんでおるんだからめったなこと言うでない」
「やっぱ喋るんだ」
「神獣じゃからな。それにしてもお主、いい臭いじゃのぉ。つんと来る汗の香りと、ムフフ」
「変態じゃないか!」
すぐに九鬼から離れた
「あー、もう少し嗅がせてほしかったのにのぉ」
九鬼はセクハラ満載のおっさんのように残念そうに肉球付きの前足を前に突き出してモミモミとジェスチャーしている
変態やん・・・
「こ、これが、本当に、神獣?」
「そうじゃよ。わしが、神獣じゃよ」
そう言うと九鬼はドロンと煙を出して姿を変えた
九本の角に金色の長い髪、虎の耳を持った美少女に
「わしこそがこの土地を守る神獣クカミちゃんじゃ! 頭が高いとは言わん。代わりにその脇あたりを嗅がせてくれればよい」
「ねえコミネさん、この変態殴ってみていい?」
「やめてください。こんなの出も一応神獣ですので」
一応止めに入るコミネさん
「で、続けんのか?」
「続ける? 何を?」
「そりゃあ滝でのキャッキャウフフな水浴びじゃよ。堪能したいしその映像を脳裏に埋め込みたいからのぉ」
やっぱりなぐった
思いっきり拳骨した
「いったいのぉ! じゃが、気持ちいいからよし!」
「帰りましょうコミネさん。こいつは関わっちゃ駄目な奴です」
「同意します行きましょう」
「待ああああああて待て待てまて! これを持っていけこれを」
「これは、オーブ?」
「わしをいつでも呼び出せる。お前にならぁ、何度呼び出されても何をされても良い。わしの顔に乗ってほしい」
「・・・」
僕はオーブを持つ手を振りかぶる
「待て待て待て! 滝つぼに投げ入れようとするでない! 冗談じゃから!」
目が冗談じゃなかった
彼女から一応受け取っておいたオーブ
なんか股あたりから取り出してたのも、何かやだ
でも一応収納袋の奥の方にしまっておいた
二度と使うことはないだろう
「待てって、何か二度と使わないとか考えとるじゃろその顔。宝珠はいろいろとお得じゃから集めておけって。特にお前はな」
「僕は?」
その疑問にクカミは僕によじ登って耳に口を近づけ、ヒソヒソと話した
「お前のことはニャードリーア様から聞いとる。神獣たちの宝珠を集めておけばきっと力になるから、損はさせんから」
「分かりました。一応持っときます」
「調子に乗りすぎたか。嫌われたぁ・・・」
もっと自分の行動に責任を持ってほしいよこの神獣には
そんなこんなで滝観光も終わった
今日は一旦城に帰ることにし、クカミに別れを告げて城に戻ったよ




