94 メスケモの鬼人国観光2
こんな事態の時に観光なんかしていいのかって話だけど
アマノさんの調査チームの話ではかつての勇者ラルズラールは特に目立った不審な動きはしていない
ことが起こった時には手遅れになる可能性もあるんじゃないかって思うけど
どうやら裏から色々と手を回して調べても何もおかしなところが出てこないらしい
ただただまっとうな宗教活動を行っているラルズラール
本当に、何が目的なんだろう
「まずはこちらです。ここは咲き乱れる桜花の園と言いまして、サクラが常に咲き乱れる楽園です」
「これがサクラの花・・・。サクラと同じ名前の花。すごくきれい」
エルフの方のサクラは自分の髪の色と桜の花を交互に見て喜んでいる
可愛いな
「お花見しよう! お弁当、お城の人に作ってもらったから」
ハクラちゃんがバスケットを出して大きな風呂敷を広げ、そこにたくさんのお弁当を出し始めた
「このおにぎり、私達が握ったんだよ」
白黒姉妹がムフーと自慢げにおにぎりを披露する
どれも不ぞろいだけどそこが可愛い
そしておいしそう
梅干しの香りがするのと、他にはおかか、昆布もあるみたい
ふふ、これでもビースト、鼻は利くのだよ
さらに、こっちはハクラちゃんが握ったもので、こっちがクロハちゃん
あれ? アマノ師匠が握ったものもある
一番大きなものがそうだ
「こっちのから揚げは、ギンカさんの手作りかな?」
「正解です。お母様、料理好きなので」
クロハちゃんはそう言いながらから揚げをひょいぱくひょいぱく食べまくっている
とんでもない量があるからそれでも減っているように見えない
ハクラちゃんはおにぎりが好物みたいで、とてつもないペースでぱくついてる
アマノ師匠のつくったおにぎりばかりを食べてるあたりちゃっかりしてる
「クロハ様、ハクラ様、お野菜も食べてください。それと、花見なのですからお花も見てください」
「「はーい」」
お姉ちゃんの言うことを素直に聞く白黒姉妹可愛いね
でも二人共ニンジンが食べれないようで、それだけはかたくなに手を付けていなかった
「お二人共、好き嫌いは駄目です」
「で、でも、ニンジンは」
「美味しくないー」
二人はブーブー言いながらも渋々食べていた
良い子だね
ちなみにサクラは好き嫌いなく何でも食べれます
うちの子偉い
「いい風ね。ネネコちゃん、膝枕して」
「リーリーのその感じなんか久しぶり。いいよ」
「な!? 姫様! 私も!」
仕方ないので膝枕、尻尾枕でみんなを寝かせ、僕も寝た
サクラの花の香りに気持ちのいい風、ポカポカとした天気
これはもう、寝るしかない
いつの間にか眠りについてしまった
起きるともう夜だった
みんなを起こし、夜桜を見る
「お酒、欲しくなるわね」
「一応持ってきてるよ。これー」
リーリーの言葉にハクラちゃんがお酒を取り出した
それは多分だけど純米酒?
僕前世ではお酒苦手で全然飲んでないからその辺の違いはまったく分からないんだよね
ちなみに今世はまだ年齢的に飲める歳じゃないから飲んでない
「これは! トウゲンで作られる最高級銀米酒! 一本で金貨十枚もするやつじゃない!」
「これ、母様が作ってる。いっぱいあるよ」
まあ王族だからお酒なんていっぱいもらえるんだろうなって思ってたら、なんと自分の家で作ってる者だったらしい
しかも最高級
リーリーとフェディが大喜びで飛びついて、夜桜を見、花びらをお酒に浮かべるなんて乙な感じで飲み始めた
「いっぱいあるからどんどん飲んで~」
ハクラちゃん、能力で収納していたのかたくさんお酒を取り出した
夜も大宴会になってリーリーとフェディはぐでんぐでんに酔い、勇退を晒したことは言うまでもない
どうやらリーリーは泣き上戸、フェディは脱ぎ上戸になるみたい
しかもフェディ、僕にお腹をこすりつけて来るから嬉しいやら苦しいやら・・・
楽しい一日だった




