92 メスケモ鬼姫たちに鍛えられる5
褐色の少女を連れてトウゲンへと帰還
無事力を使いこなせるようになったことにアマノ師匠は喜んでくれた
「ところでネネコ姫、この子はいったい」
「分からないんです。アヤカシを倒した後の砂地から出てきて、ずっと眠っているんです」
「ちょっと見せていただいても?」
アマノ師匠がその子を抱きかかえてよく観察する
頭の先から尻尾の先、はてはお尻の穴まで
「ふむ、この子はアヤカシですね」
「へ!? この子が!? 何かの間違いじゃ」
「いえ間違いではありません。確かにアヤカシの力を感じます」
驚いた
あれだけ大きな蛇の妖魔だったアヤカシが、こんなちっちゃな女の子になるなんて・・・
異世界摩訶不思議
「さて、殺しますね」
「ちょああ! 待って、待って師匠!」
「こんな得体のしれない事態は抹消するにこしたことはありません。斬ります」
「あああだめだめだめ! 師匠落ち着いて」
「お姉ちゃんダメ! この子傷つけちゃ駄目だよ!」
そこをハクラちゃんが止めに入った
「ハクラが言うならやめます」
「え? そんなあっさり」
「妹たちの言うことは常に正しいのですよ」
相当なシスコンだやっぱり
でもどうやら理由はそれだけじゃないらしい
ハクラちゃんは白という妖術の性質上悪い者と良い者の区別がつくらしい
で、この子は悪意も何もないし、妖力を持っただけのただの少女だって結論がついた
「とりあえずこの子の身柄は私達で預かるとして、ネネコ姫、次の段階に移りますよ」
「はい!」
未だ目を覚まさない少女を城の人達に任せて僕と師匠はまた闘技場に来た
「では全力を私にぶつけなさい。あなたがアヤカシを倒したことで得れた経験、見せてください」
「本当に本気でいいんですか?」
「ええ、胸は貸します」
大きな胸を、か
余計なことを考えたけど、師匠は正真正銘世界最強だ
そんな彼女に本気で相手してもらえる機会なんてそうそうない
僕らは闘技場に行き、僕の力を披露する準備を始めた
闘技場で妖力を体に循環させる
そして、目の前で刀を構える師匠を見た
今までは刀なんて抜いてくれなかった
妹姫たちが言っていた
師匠が刀を抜くときは本気の証だって
「行きますよ師匠!」
「ええ」
空の妖術を使って、師匠の刀を消した
「な!? 私のアマカケルテンキュウが・・・」
一瞬だった
師匠の刀を消し去ったんだ
あれ? でもおかしい
この空はなかったことにする力
なんで刀があったことを、覚えて?
「いい力ですネネコ姫、もっと研鑽なさい。きっとあなたは私を超える力を手に入れるはずですから」
師匠はそう言うと、刀を鞘にしまった
「え!? なんで!?」
「この刀は概念でも破壊できません。ここにあり、存在していません」
「ここにあって存在していない?」
意味は分からないけど、とんでもない刀なのは分かった
神刀ってやっぱりすごいんだな




