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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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122/162

91 メスケモ鬼姫たちに鍛えられる4

 妖術の本質も分かった

 こっからは相手のターンはない。僕だけのオンステージだ

「妖術、空!」

 相手の攻撃は空間を通じてなかったことになる

 でもまだちゃんと使いこなしきれてない

 少しだけ攻撃の衝撃が体を走った

「これなら、問題なさそうだね」

 体に走った衝撃は静電気が走ったかのような微細なものだった

 なんだか僕の力自体も底上げしてくれてるかのように感じる

「空掌!」

 手に空の力を込めて、ただ殴る

 相手の防御は死ぬ

 鱗や固い外皮なんて関係ない

 そんなものはなかった

「どう? 結構痛いんじゃない?」

 攻撃した箇所がばっくりとえぐれている

 でもそこから血は吹き出したりしていない

「まさか傷すらなかったことに? もとからその箇所に肉はなかったって事象に変わってる?」

 もう一度試してみると、やっぱりその箇所が、始めからなかったかのようにえぐれている

 でもアヤカシは何事もないかのように、痛みを感じていないかのように動いている

 ただ、駆けた箇所のせいで動きは鈍っている

 相手に気づかれてさえいないこの攻撃は、相手にとってはかなり厄介な力のはずだ

 なにせ傷ついてことが分からないってことは、その箇所が動かせないことにも気づかない

 そうなると動きには支障が出て来る

 筋肉が消えればその箇所は動かしにくくなるし、神経や骨となるともはや使い物にならなくなる

 目や耳といった感覚器官でもいい

 相手が分からないままに一方的に相手を行動不能にできるんだ

「仕上げだよ」

 僕はやつの頭を消した

 そしてアヤカシはその動きを一切止めてしまった

 二度と復活することもないかもしれない

 そう思っていたら、アヤカシの体がボロボロと崩れ落ちて、頭からどんどん消えていった

「これって、退治出来たってことでいいのかな?」

 あとに残ったのはアヤカシだったものの砂だけ

 その砂はあまりにも量が多かったため島となった

 のちにこの島はアヤカシ島と呼ばれるようになる


 というわけで僕はその島に乗ってみた

 意外としっかりと足場ができていて、海に沈むなんてことはない

 それに、妖力がかなり濃くて、それが練り込まれた土だからかもう植物が芽吹き始めていた

 妖力は養分にもなるらしい

 いずれ緑豊かな土地になるかもね

 とりあえず島を見て回ると、中心辺りの砂がモコモコと動いた気がした

「なんだろ? もしかしてアヤカシの寄生虫とか?」

 自分で言ってて気持ち悪くなってきたけど、もしアヤカシの寄生虫なんてものがいたのなら、妖力を浴びて妖魔になっているかも

 僕はそのモコモコ動く砂を掘ってみた

 そしてそこには、素っ裸で褐色の肌に真っ黒な尻尾を持ち、尖った角と鋭い牙を持った少女がうずくまって寝ていたのだった

「なんだ、この子・・・」

 ひとまずその裸の少女を抱き上げて、大きな白い布でくるんで連れ帰ることにした

 え? 船ですか?

 そんなものとっくに海の藻屑だよ

 仕方ないから妖術を使って空間に足場を作って歩いて帰ることにした

 この足場、目に見えないんだけど、僕には置いた場所が丸わかりだから、僕だけは便利に空中を歩けるいい足場になってる

 

 こうしてアヤカシを倒した僕は謎の少女と共に帰路につくのであった

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